先週、中国江蘇省蘇州市のバス停で日本人母子が襲撃され、これを中国人女性が阻止した事件を受け、中国のネット企業は、オンライン上にみられる反日感情のような過激なナショナリズムを取り締まると発表している。
7月1日付
『ロイター通信』:「日本人襲撃事件を受け、中国ソーシャルメディア企業がヘイトスピーチ批判」:
先週1人が死亡し日本人母子が負傷した襲撃事件を受けて、中国のソーシャルメディア大手企業が日本人を標的としたネット上のヘイトスピーチを批判し、強気の対応を発表している。
このような感情や国家主義思想が問題となるのは珍しいことではないが、「ウィーチャット」や「テンセント
」、「ティックトック」を運営するバイトダンス社の姉妹サイト「ドウイン」、投稿サイト「ウェイボ」、ゲーム大手「ネットイース」が先週のヘイト投稿を批判している。...
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7月1日付
『ロイター通信』:「日本人襲撃事件を受け、中国ソーシャルメディア企業がヘイトスピーチ批判」:
先週1人が死亡し日本人母子が負傷した襲撃事件を受けて、中国のソーシャルメディア大手企業が日本人を標的としたネット上のヘイトスピーチを批判し、強気の対応を発表している。
このような感情や国家主義思想が問題となるのは珍しいことではないが、「ウィーチャット」や「テンセント
」、「ティックトック」を運営するバイトダンス社の姉妹サイト「ドウイン」、投稿サイト「ウェイボ」、ゲーム大手「ネットイース」が先週のヘイト投稿を批判している。
ドウインは30日の投稿で、「過激で間違えた発言は外国人嫌悪を助長し、プラットフォームの平和で前向きな雰囲気を阻害し、違法行為をあおり立てるもの」だと述べている。
中国における反日感情は、第二次大戦下の中国侵攻の苦い記憶を発端としており、襲撃で日本人を標的としたことを称賛するような声も一部みられる。「ドウイン」では、55歳のバス乗務員を称え追悼するコメントが多数みられ一方、過激な発言が目立ったという。
中国国営メディアもネット上のヘイトスピーチを批判している。先月28日の人民日報の社説では、「我々は個人が外国人嫌悪やヘイトスピーチをあおることも容認しない。これは主流の中国社会や中国人には受け入れられない」としている。
同日付英『Guardian』:「ナイフ襲撃事件を受け、中国IT企業がネット上のヘイトスピーチ対策」:
先週末、中国のネット二大企業「テンセント」と「ネットイース」はオンライン上の行き過ぎたナショナリズムを取り締まるべく調査を行い、ヘイトを助長するユーザーのアカウント停止するとしている。
先週、東部蘇州で周という名の無職の男が日本人学校の母子をバス停で刃物で刺し負傷させ、仲裁に入った中国人胡有平さんが死亡した。胡さんはネット上で勇敢なヒーローだと称賛され、中国日本国大使館では反旗が掲げられのだが、その一方で、過激な国家主義的反応がみられている。
対話アプリ「ウィーチャット」を運営するテンセントは、「事件が公衆の関心を集めている。ネティズンの中には日中の対立を煽ろうとする人もいる」と発表。
一月に5億8800万人のユーザーが利用している投稿サイト「ウェイボー」は事件後、「国家主義感情を刺激するような過激な発言や、集団憎悪を助長させ、中には愛国主義の名目のもとに犯罪を称賛する」ようなユーザーもいるとしている。
ショート動画アプリ「ドウイン」は、中国の日本人学校関連を含むアカウント上の過激な外国人嫌悪(ゼノフォビア)を調査するとしている。
日本への憎悪を示す「反日感情」が近年中国のネット上でみられるが、政府批判への検閲への対応には迅速な中国当局やネット企業は殆ど介入していない。差別的な日本人教員に反抗する中国人児童の動画など「日本人学校を叩く動画」が特に人気があるという。
対策として、「ウェイボー」は違法なコンテンツ759個を削除、テンセントは違反のあった836投稿に対応し、両社は幾つかのアカウントを停止したという。こうした企業側の反日コンテンツ取り締まりに不満をもつ人々もいる。
中国当局は、北西部吉林省で米国人教員らが公園で刃物で襲撃された事件の2週間後に起きた今回の襲撃事件だけを特例としたものではないとしている。
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