米国では、これまで何度も警察官による黒人被疑者の殺害事件が発生している。根底に人種差別意識があると言われていることに加えて、警官自身に身の危険を感じた場合に発砲する訓練がされていることがある。何故なら、ほとんどの州で民間人でも銃保持が認められているからである。そして今度は、近隣で発生した強盗事件の容疑者とみられるミャンマー避難民の13歳の少年が、警察官によって射殺されている。
6月30日付米
『AP通信』、英国
『BBCニュース』は、ニューヨーク州内地方都市の警察官が13歳の強盗事件容疑者を射殺した事件について詳報している。
6月28日午後10時過ぎ、警察官による容疑者射殺事件がニューヨーク州中央部のユーティカ市(NY中心部から約400キロメートル北西)で発生した。
同市警発表によると、犠牲者はミャンマー避難民のナイア・ムウェイ少年(13歳)で、もう一人と組んで同市内で二件の強盗事件に関わった疑いがあるという。...
全部読む
6月30日付米
『AP通信』、英国
『BBCニュース』は、ニューヨーク州内地方都市の警察官が13歳の強盗事件容疑者を射殺した事件について詳報している。
6月28日午後10時過ぎ、警察官による容疑者射殺事件がニューヨーク州中央部のユーティカ市(NY中心部から約400キロメートル北西)で発生した。
同市警発表によると、犠牲者はミャンマー避難民のナイア・ムウェイ少年(13歳)で、もう一人と組んで同市内で二件の強盗事件に関わった疑いがあるという。
同市警の3人の警官が事件捜査に当たっていたところ、強盗事件被害者による被疑者目撃情報(アジア系で色黒の男との証言)に当てはまる二人の少年を発見し、職務質問をしようとしたところ突然逃げ出し、途中でムウェイ少年が銃を向けたために、3人のうちの1人が発砲したという。
同市警は6月29日晩、取締りに当たった3人のボディカメラ(注後記)の映像を公開した際、被害少年が保持していたのは模造銃だったことを明かしたが、マーク・ウィリアムズ署長は、“逃亡を試みた被疑者を拘束しようとしてもみ合った際、被疑者が持っていたのは拳銃だと思えたと当該警官は話している”と言及した。
ただ、犠牲者の遺族やミャンマー・コミュニティの住民らは、市警の対応に対して強硬に非難している。
そこで、同市警、同市のマイケル・ガリム市長(44歳、2024年就任)はもとより、NY州検事局も当事件について検証するとしている。
なお、同市の人口は約6万5千人であるが、ミャンマー支援に当たるNPO法人の導きで約4,200人のミャンマー避難民が暮らしている。
(注)ボディカメラ:身体に装着して常時撮影を行う小型カメラ。欧米諸国の一部で、警察官の勤務中の行動記録、事件や事故の記録、犯罪抑止などを目的として用いられる。
閉じる