月のタイムゾーンができる可能性(2023/03/09)
宇宙開発が始まって以来、宇宙ではその都度違う時間が使われていたが、各国で月探索ミッションが進められる中、今後は地球各地の標準時間のように、月にも標準時間が必要だといわれている。
3月7日付米
『ニューヨーク・タイムズ』:「月のタイムゾーンができる可能性」:
各国で月探索ミッションが進められる中、欧州宇宙機関は、月のタイムゾーン制定が必要だとしている。
宇宙開発が始まって以来、数十年間、月探査ミッションは当事国の時間に合わせて行われていた。しかし、複数のミッションが入り組む現在、欧州宇宙機関(ESA)は、現在のシステムは持続性がないと判断、その解決方法として、月のタイムゾーン制定案をあげている。...
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3月7日付米
『ニューヨーク・タイムズ』:「月のタイムゾーンができる可能性」:
各国で月探索ミッションが進められる中、欧州宇宙機関は、月のタイムゾーン制定が必要だとしている。
宇宙開発が始まって以来、数十年間、月探査ミッションは当事国の時間に合わせて行われていた。しかし、複数のミッションが入り組む現在、欧州宇宙機関(ESA)は、現在のシステムは持続性がないと判断、その解決方法として、月のタイムゾーン制定案をあげている。その主な目的は、様々な国や企業間でのコミュニケーションをスムーズに行うことだ。
日本企業「マイスペース」は今年4月、ミッション1月面探査機を月面着陸させることを目標とし、2024年にはNASA(米航空宇宙局)は1972年のアポロ17号以来最初の有人月面着陸を、2025年には4人の宇宙飛行士の月着陸を予定している。昨年中国が宇宙ステーションの建設に成功、2030年までの月面着陸に意気込み、韓国も昨年8月、宇宙船「タヌリ」をスペースXのファルコンに搭載している。
ESAは声明で、「探査が増えるにつれ、ミスコミュニケーションの可能性も増してきた。ミッションによっては、月の周辺で同時に行われるだけでなく、共同観測やランデブー操作において、互いに連絡を引き継ぎながら行われる可能性もある」とする。
このように月の国際的開発が進んでいることから、このような月の時間測定案は重要となる。「正確な時間は地球でのナビゲーションの要であり、月と地球間のナビゲーションにとっても重要となる」という。
一方で、世界共通の時間管理システムの詳細は未定のままとなっている。議論すべき点の一つは、月標準時間において、「月を基準とするか、地球と連動したものにするか」という問題だという。
地球の時間は原子時計に基づくが、月で時間をシンクロさせるのは難しい。というのも、月では時計が一日に約56マイクロ(1秒の100万分の1)早く進むからだ。月の時計開発が実現すれば、それは将来的には、火星探査等、今後の宇宙開発に生かされるだろう。
同日付印『NDTV』:「欧州宇宙機関、月標準時間の”早急な”制定を求める」:
各国が近い未来に向けた月の基地建設計画する中、欧州宇宙委員会(ESA)は、”早急な”月のタイムゾーン制定が必要だとしている。
ESAは地球の天然衛星に関し、今後は共同して通信や作業をすることになることから、独自のタイムゾーンが必要だとの見解を示している。
ESAのナビシステムエンジニアのピエトロ・ジョルダーノ氏は、「月にいる間に、時間が測れる共通の月時間が必要だ。国をまたいだ合同作業が行われ始めている」とし、国際的な月面システムやユーザーが利用できる月標準時間の重要性と緊急性を強調する。
これは昨年11月オランダにあるESAの欧州宇宙研究技術センター(ESTEC)で提言されたもの。月面上の通信やナビゲーションサービスを網羅した共通の「ルナネット」の一貫となる。
一方で、月では日毎に56マイクロ秒時計が早く進むことや、月面上では軌道上と時計の進み具合が違うことから技術的な課題が残されている。
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ノルウェー:ロシア人をスパイ容疑者で逮捕(2022/10/26)
ノルウェー警察が、ブラジル人研究員を装い、ロシアのスパイとして活動していた疑いで男を逮捕。ロシアによるウクライナ侵攻後、治安を強化しているノルウェーでは、ここ数週間、北極圏をドローンで撮影するなどして、ロシア人の逮捕が相次いでいる。
10月26日付
『ロイター通信』:「ノルウェー警察、”違法工作員”としてロシア人スパイを逮捕」:
ノルウェー警察は25日、北部北極圏の町トロムソで、ロシア人をスパイ容疑で逮捕。
ノルウェー国家公安警察(PST)が26日明らかにした。トロムソ大学の研究員として勤務していた男は、ブラジル国籍を装っていたが、ロシア人とみられている。このニュースはノルウェー国営放送(NRK)が最初に伝えている。...
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10月26日付
『ロイター通信』:「ノルウェー警察、”違法工作員”としてロシア人スパイを逮捕」:
ノルウェー警察は25日、北部北極圏の町トロムソで、ロシア人をスパイ容疑で逮捕。
ノルウェー国家公安警察(PST)が26日明らかにした。トロムソ大学の研究員として勤務していた男は、ブラジル国籍を装っていたが、ロシア人とみられている。このニュースはノルウェー国営放送(NRK)が最初に伝えている。
PST局長は、この違法工作員の男は、「基本的な国益に対する脅威」であり、国外追放すべきだとする。政府との直接的なパイプを持たず、実名や故人の名前を使い覆面で活動する知的工作員とみられ、複数の国際安全保障サービスの協力により逮捕に至ったという。
研究所によると、男はカナダで修士号を取得後、2021年12月に無給の客員研究員としてトロムソ大学にやってきて、ノルウェー北極圏への対外脅威に関する政府機関との共同研究に携わっていたという。同大の教授は、カナダにいる既知の教授からの紹介もあり、有能な研究員だったという。
NATOに加盟しているノルウェーは北極圏でロシアと国境を接しており、ウクライナ侵攻以降、治安を強化している。
10月25日付英『Guardian』:「ノルウェー、ブラジル人研究者を名乗るロシア人スパイを逮捕」:
ノルウェーの治安当局は、ブラジル人研究員だと主張する男を、ロシアによる諜報容疑で逮捕した。当局は、男がノルウェー政府の北方政策に関するネットワークや情報を入手していた疑いがあるとして警戒している。
男の弁護士によると、男は「見に覚えがない」と容疑を否定している。裁判所によると、勾留機関は4週間となっている。
研究を共にしていた研究員らの話によると、容疑者は、ホセ・アシス・ジアマリアと名乗る人物で、北極圏の治安に関する研究をしたいと研究員へ応募し、採用の際には人物調査も行なわれたという。だが正式な研究員ではなく、自費で研究を続けながら、講義やセミナーの助手をしていた。重要な研究に近いところにいたので、治安情報には精通しているとされる。
ノルウェーではここ数週間の間に、ドローンを使ったり、大量の写真や動画を所持するなどして、ロシア人6人が逮捕された。先週も、主に北部の禁止区域で違法にドローンで撮影をしていたとして、ロシア人が逮捕されている。
ノルウェーは、最大の天然ガス供給国で、先月ノルドストリームパイプラインが停止してから、治安が強化されている。一方オランダでも6月、ブラジル国籍を装ったロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の工作員スパイが国際犯罪裁判所でのインターンシップを試み失敗し逮捕された。8月にもペルー人のジュエリーデザイナーを装い、NATO職員とパーティにも参加していたGRUの女性スパイが逮捕されている。
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