サウジアラビアの石油パイプライン施設が5月14日、ドローン攻撃の標的となり、同国の主要な石油パイプラインの一時操業停止が余儀なくされた。 隣国イエメン北部を拠点に活動するイスラム教シーア派の武装組織であるフーシ派が攻撃を認める声明を出した。2015年以来、イエメンの内戦に介入しているサウジアラビアは、イエメン政府を支援し、フーシ派反政府軍と戦っている。今回の攻撃で敵対するイランとの間で緊張がさらに高まることが懸念される。
『Le Monde fr』によると、火曜日の早朝に、国内を横切る原油パイプラインのポンプステーション(圧送施設)2ヵ所が「武装した無人機」の標的とされた。世界最大の石油輸出国でもあるサウジアラビアの、ハーリド・アル・ファーレフ(Khaled Al-Falih)エネルギー産業鉱物資源大臣兼サウジアラムコ会長は、攻撃によって火災と軽佻な損傷が出たと発表した。
また、サウジアラビアの石油大手でもあるサウジアラムコは「東部と紅海に面したヤンブー港を結ぶ東西石油パイプラインの操業を一時的に停止したが、原油および石油製品の供給は正常に続いている」と述べた。...
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『Le Monde fr』によると、火曜日の早朝に、国内を横切る原油パイプラインのポンプステーション(圧送施設)2ヵ所が「武装した無人機」の標的とされた。世界最大の石油輸出国でもあるサウジアラビアの、ハーリド・アル・ファーレフ(Khaled Al-Falih)エネルギー産業鉱物資源大臣兼サウジアラムコ会長は、攻撃によって火災と軽佻な損傷が出たと発表した。
また、サウジアラビアの石油大手でもあるサウジアラムコは「東部と紅海に面したヤンブー港を結ぶ東西石油パイプラインの操業を一時的に停止したが、原油および石油製品の供給は正常に続いている」と述べた。
『アルジャジーラ』によると、同相は更に、「これらの攻撃は、イランが支援しているイエメンのフーシ軍を含むテロ組織に対し、我々は立ち向かうことが重要であることを再び証明した」と述べた。商品市場では今回の攻撃を受けて原油価格が上昇した。
フーシ軍の報道官は、7機の無人機を使用して攻撃が行われたと発表。そして、「作戦は成功した。サウジアラビアに住んでいる人々からの援助を得ることができた。そして我々は優秀だった」と付け加えた。
ロンドン大学キングス・カレッジのアンドレアス・クリーグ(Andreas Krieg)博士は『アルジャジーラ』に次のように語った。「今回のドローン攻撃は、フーシがサウジアラビアの領土内を攻撃できるようになったことを物語っている。」そして、 標的は石油生産であるため、「重大」な事件だと述べた。
また「近年、フーシ軍の能力は飛躍的に向上した。一部は地元で発達したものだが、今回の攻撃はイラン人が手助けしたことは明らかだ」と続けて語った。 「フーシはサウジアラビア国内に侵入することが今まで一度もできていなかった。彼らは石油インフラを狙っているように見える。」
サウジアラビアは同国の原油タンカーが12日に妨害攻撃を受け、損傷したと発表したばかりだった。この2つの事件により、敵対するイランとの間で緊張がさらに高まることが懸念される。
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