英国、この冬に600万世帯がガス不足による停電に直面する可能性(2022/05/31)
ロシアの欧州連合(EU)へのガス供給削減の脅威により、英国では600万世帯が冬の間停電に直面する可能性が懸念されている。英国政府は供給問題が悪化した場合の電力配給の計画を策定しているという。
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『タイムズ』紙によると、英国政府は「合理的な最悪のシナリオ」として、ロシアがヨーロッパへの供給を削減した場合、広範囲にわたってガス不足になる可能性があると予測している。ある大臣によれば、来年初頭には最大600万世帯に対して、主に朝と夕方のピーク時に電力の配給が必要になる可能性があるという。抑制は1ヶ月以上続く可能性があり、それによってエネルギー価格が再び上昇し、今後数年間はGDPが当初の予測を下回る可能性がある。...
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『タイムズ』紙によると、英国政府は「合理的な最悪のシナリオ」として、ロシアがヨーロッパへの供給を削減した場合、広範囲にわたってガス不足になる可能性があると予測している。ある大臣によれば、来年初頭には最大600万世帯に対して、主に朝と夕方のピーク時に電力の配給が必要になる可能性があるという。抑制は1ヶ月以上続く可能性があり、それによってエネルギー価格が再び上昇し、今後数年間はGDPが当初の予測を下回る可能性がある。
最悪のシナリオでは、EUの需要増加により、英国が依存しているノルウェーのガス輸入が半減以上することが懸念されている。また、タンカーで英国に運ばれる液化天然ガスの輸入も、競争激化により半減する可能性があると想定されている。さらには、オランダとベルギーがそれぞれ緊急事態に直面しているため、英国が両国からのガスの輸入を受けないことが想定されている。
ガスが不足すると、英国は独自のガス緊急事態計画を実施せざるを得なくなり、ガス火力発電所の閉鎖を余儀なくされることになる。その結果、工業用ガスの大量使用者はガスの使用を中止することが求められるようになる。また、配給制にせざるを得なくなり、平日の朝7時から10時、夕方4時から9時までのピーク時に電力を停止する可能性がある。ロシアがEUへのガスの供給を完全に停止するという最悪のシナリオの場合、12月から3ヶ月間、平日も週末も停電になる可能性があるという。
英政府は、維持費がかかりすぎると判断され、2017年に閉鎖されたイングランド東海岸沖の天然ガス貯蔵施設の再開について、10億ポンド(約1600億円)以上の補助金を出すとしてオーナー会社と協議し始めている。
英『BBC』によると、政府は、英国にわずかに残る石炭火力発電所の延命も視野に入れているという。また、政府はフランス電力(EDF)と連絡を取り、サマセット州にあるヒンクリー・ポイント原子力発電所の延命の余地があるかどうかを確認しているという。
英国はロシアからごく少量の天然ガスを調達しているが、供給の3分の1をノルウェーに依存している。ロシアがEUへの供給を停止したり、EUがロシア産ガスをボイコットしたりした場合、ノルウェーの供給が迂回されるかもしれないことが懸念されている。
英『Iニュース』は、英政府の発表によると、英国とロシアを直接結ぶガスパイプラインはなく、ロシアからの輸入は2021年の英国のガス供給総量の4%未満に過ぎないという。現在、英国の電力需要の35%以上をガスで賄っており、全体の供給量の約半分は北海から、3分の1はノルウェーから調達している。ビジネス・エネルギー・産業戦略省の広報担当者は、英国は「ガスも電力も供給に問題はなく、政府はどんなシナリオにも、確率的には低い最悪のシナリオに対しても完全に備えている」と述べている。
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英保健省、医療現場ように緊急購入した4千億円相当の個人用防護具を廃棄処分か(2022/02/02)
英国で、4千億円に相当する約50億個の個人用保護具(PPE)が、不要になったため、あるいは保護力が十分ではないため、廃棄されることが明らかにされた。
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『ガーディアン』によると、この巨額の資金をめぐり、野党はパンデミック時の公的資金の使い方について、政府を「産業的規模での極度の怠慢」だと非難している。この事実は、エドワード・アガー保健担当国務大臣の国会答弁で明らかにされた。大臣によると、政府のPPEプログラムは、2020年3月のパンデミック発生以来、364億個以上のアイテムを発注した。「このうち、約34億個が現在、潜在的な過剰在庫として確認されており、それらの品目の推定価格は22億ポンド(約3400億円)である」という。...
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『ガーディアン』によると、この巨額の資金をめぐり、野党はパンデミック時の公的資金の使い方について、政府を「産業的規模での極度の怠慢」だと非難している。この事実は、エドワード・アガー保健担当国務大臣の国会答弁で明らかにされた。大臣によると、政府のPPEプログラムは、2020年3月のパンデミック発生以来、364億個以上のアイテムを発注した。「このうち、約34億個が現在、潜在的な過剰在庫として確認されており、それらの品目の推定価格は22億ポンド(約3400億円)である」という。
また、これまでに発注された 364 億点のうち 69.6 億点は、「現在、最前線にいる医療現場には提供されていない」と述べた。これは、品質保証のチェックを受けていない新しい在庫であるか、「別の製品が好まれる」という理由で配布されていない。さらに、「このうち、12億個は使用に適さないと判断された。これらのアイテムの購入価格は4億5800万ポンド(約90億円)だった。」という。
英国医師会は、この報告に不快感を表明した。医師組合のコンサルタント委員会委員長を務めるヴィシャル・シャルマ博士は、「必要なPPEの在庫が配布されないまま放置されていた可能性や、不適切なPPEが発注されたという話は、多額の公的資金を浪費させることになった粗末な管理体制のさらなる失態である」と述べた。
英国医師協会の会長、ジェニー・ヴォーン博士は、「十分な防護具があることを確認することと、在庫レベルを高く保つことの区別に完全に失敗しており、納税者のお金の浪費である。」と指摘している。
保健社会福祉省の広報担当者は、「私たちは、最前線で働く医療・福祉スタッフを守るためにPPEを提供するためにたゆまぬ努力を続けており、これまでに175億個以上のPPEを提供してきました。PPEの余剰在庫がある場合、販売、寄付、再利用、リサイクル、サプライヤーからの費用回収など、様々な手段を講じています。さらに、適切な場合には、保存期間を延長する計画にも取り組んでいます。」と反論している。
英メディア『Iニュース』によると、保健担当国務大臣のエドワード・アガー氏は、7億ポンド(約1千億円)のPPE注文分が使用目的に合っていなかったとし、さらに検査と追跡と人工呼吸器プログラムの一環として注文した3億ポンド(約465億円)分の機器が「使用に適していない」とみなされたと説明している。2021年3月末までの1年間に最前線の医療従事者向けに購入された全注文品の10分の1相当が、「医療・社会福祉分野での使用に適さない可能性がある」とも述べた。大臣は、NHSで使用できないPPEの少なくとも一部を学校や公共交通機関団体に寄付できないか検討していると付け加えた。大臣は、「今回確保したPPEの在庫により、2020/21年と2021/22年までの需要に対応することができた。既存のPPE在庫は、2022/23年の必要分まで賄えるだろう。」と述べた。
なお、米誌『ニューズウィーク』によると、世界保健機関(WHO)が1日に発表した報告書によると、2020年3月から2021年11月の間に、世界で8万7000トンのPPEが国連のポータルサイトを通じて注文され、医療廃棄物として廃棄されたという。WHOのマーガレット・モンゴメリー博士は、「人々が過剰なPPEを着用している」ことを指摘している。
英国を例に挙げたWHOの報告書では、国連保健機関がワクチン注射に手袋を使わないよう勧告しているにもかかわらず、医療従事者一人当たり毎週約50組の手袋を廃棄しているという。廃棄物には、使用済みの外科用マスクやプラスチック製の顔面シールドも含まれている。
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