米国、農家へのインフレの影響で更なる食糧価格上昇の可能性(2022/01/19)
米国では、投入原価の上昇が小規模農家を直撃する中、さらなる食料価格インフレが起こる可能性がでてきている。
米国の農業生産者は、燃料と肥料の高騰によるインフレに頭を痛めている。米メディア
『OANN』によると、パデュー大学の世論調査の結果、肥料価格は過去1年間に100%上昇しているが、今後さらに12%上昇すると予想されていることが分かった。燃料価格も昨年50パーセント以上上昇している。
市場アナリストたちによると、小規模農家は過度の負債、資本不足、労働力不足が続いているため、インフレの高騰で最も大きな打撃を受けているという。...
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米国の農業生産者は、燃料と肥料の高騰によるインフレに頭を痛めている。米メディア
『OANN』によると、パデュー大学の世論調査の結果、肥料価格は過去1年間に100%上昇しているが、今後さらに12%上昇すると予想されていることが分かった。燃料価格も昨年50パーセント以上上昇している。
市場アナリストたちによると、小規模農家は過度の負債、資本不足、労働力不足が続いているため、インフレの高騰で最も大きな打撃を受けているという。小規模農家は米国の農場の89%を占め、農業生産額の21%を占めているが、専門家たちは、投入原価の上昇が消費者に転嫁され、食品価格がさらに上昇し、フードスタンプやその他の政府支給品に頼る人々が増えると予想している。
米金融ニュースサイト『マーケット・ウォッチ』によると、インフレはアメリカの中小企業の間でも最大の関心事になっている。全米自営業連盟(NFIB)が行った調査で、中小企業経営者の約22%がインフレを最大の敵だと回答している。これは1981年以来、最大の割合になっている。
なお、消費者物価指数は昨年12月に7%の大台を超えた。7%を超えたのは1982年以来となる。中小企業にとって、人手不足よりも高いインフレ率が最大の頭痛の種として挙げられている。しかし米国では、良い人材を見つけることは依然として非常に困難な状況となっている。半数近くの経営者が、過去最高額の賃上げにもかかわらず、求人を満たすことができないと回答している。
全米自営業連盟(NFIB)のチーフエコノミストであるビル・ダンケルバーグは、「中小企業にとって12月の雇用統計は残念な結果となり、人手不足が生産性を十分に発揮する力に影響を与え続けている。インフレは1980年代以来の高水準で、経営者の経営能力に圧倒的な影響を及ぼしている。」とコメントしている。
米『フォックスニュース』によると、米上院の中小企業起業家委員会の共和党トップであるランド・ポール議員は18日、インフレが中低所得者層や中小企業に与える影響について報告書を発表した。報告書は、大企業が状況の変化に対応できている一方で、利幅の薄い中小企業が厳しい状況に置かれていると報告している。「持続的なインフレは、規模の経済を営んでいる大企業よりも、苦戦している零細企業にとって致命的な打撃となる可能性が高い」と指摘している。
ポール議員は、『フォックスニュース』の取材に対し、「ここ数ヶ月、ガソリン、食料、衣料品から電気、車の価格、家賃に至るまで、ほぼ全ての物価が上昇しており、残念ながら悪化する一方である。議会は、物価が急速に上昇しているこの時期にこれ以上支出することは、この国のすでに脆弱な企業や家庭の物価上昇傾向を継続させるだけだと認識する必要がある。」とコメントしている。また、ギャラップ社などの世論調査で、年収4万ドル以下(約460万円)の世帯が物価上昇によって最も苦境に立たされているのに対し、年収10万ドル(約1144万円)以上稼いでいる世帯は影響が少ないとされていることも述べている。
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一日のコロナ新規感染者が10万人を超える英国、欠勤の急増で経済停滞(2021/12/27)
連日新規感染者数が10万人を超えている英国。ロンドンでは大勢の市民がウイルスを保持しており、英国内の感染拡大の勢いが止まらない。こうした中、企業や店舗などがまたもや人手不足に陥っている。
米
『CNBC』によると、ロンドン市民の12月16日時点で約20人に1人がコロナに感染していた可能性があり、これが19日には10人に1人に急増した可能性があることを示唆されている。そのため、多くの産業や交通網が、病人の自己隔離による人手不足に悩まされ、英国の病院では患者の安全性に影響を及ぼす危険性があると警戒されている。
仏ラジオ局『フランス・アンフォ』は、オミクロン株が英国経済に影響を与えていると報じている。...
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米
『CNBC』によると、ロンドン市民の12月16日時点で約20人に1人がコロナに感染していた可能性があり、これが19日には10人に1人に急増した可能性があることを示唆されている。そのため、多くの産業や交通網が、病人の自己隔離による人手不足に悩まされ、英国の病院では患者の安全性に影響を及ぼす危険性があると警戒されている。
仏ラジオ局『フランス・アンフォ』は、オミクロン株が英国経済に影響を与えていると報じている。22日には、運転手不足により数十本の列車が運休となった。ロンドンの自然史博物館は、職員の病欠のため休館を余儀なくされている。劇場では、役者たちが濃厚接触者になっているため、プログラムがキャンセルされている。こうした状況により、規制や外出禁止令は出されていないものの、英国経済は苦境に立たされているという。
ロンドンにあるレストランのオーナーは、1日に約2万ユーロ(約258万円)の損失を出しており、少なくとも12月31日までの2週間ほど、経営している2つのレストランが休業しているという。従業員のうち42人が感染、または濃厚接触者となっているためだ。英国のホテルやレストランのオーナーたちは、今年の12月は普段の回転数の40%から60%を失っている。
仏金融ニュースサイト『ブルソラマ』によると、公共サービスの分野でもオミクロン株の影響で学校の教師が不足しており、ナディーム・ザハウィ教育相は退職した教師に一時的な復職を呼びかけている。ロンドンでは、労働組合が、消防士が「前例のない」人手不足に直面していると警告している。ウェールズでは、12月26日からすべてのスポーツ競技が無観客で行われることになった。しかし、当局が最も恐れているのは、オミクロン株の波によって圧迫される恐れのある病院サービスが、スタッフの感染や自己隔離によりによってさらに弱体化することだという。
イギリス産業連盟(CBI)は、12月に入り購買の伸びが鈍化し、通常なら1年で最も店が混雑するはずの直近1週間で、売り上げが低迷していると警告している。パンデミック発生以来、数カ月間の休業に追い込まれている接客業や小売業にとっては、パンデミックやブレクシットの影響でオミクロン発生以前から深刻だった人手不足に加え、こうした困難が重なり、多くの企業が限界に達しているという。
一時帰休助成金、付加価値税の減免、緊急融資などの政府の支援がすべて停止していた中、英国政府は21日、最も影響を受けた企業に対して10億ポンド(約1534億円)の支援を発表した。イングランドでは、レジャー・サービス業は店舗ごとに最高6千ポンド(約92万円)の補償を受けることができる。財務省は声明で「地方自治体が企業を支援するために、1億ポンド(約153億円)以上の資金が用意される」と述べている。また、政府は全国の中小企業のコロナ関連の病気休暇を負担し、さらに文化復興基金を通じて3千万ポンド(約46億円)の資金を提供する予定だという。
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