世界が見るメルケル首相の訪日(2015/03/11)
メルケル首相が7年ぶりに来日、安倍首相との日独首脳会談や天皇陛下との懇談も行われた。首脳会談ではウクライナ問題での連携や、G7の話題、世界第3位と第4位である両国の経済関係の強化や歴史問題などが話し合われた。またメルケル首相はウクライナとアジア情勢、大震災と復興、G7の重点課題、戦後70年、テロとの戦い、脱原発などの幅広い分野についての講演(朝日新聞主催)を行った。各国はメルケル首相の訪日について取り上げたが、その内容は歴史認識問題に終始リンクさせる形の報道で、結果的に”ドイツは歴史に向き合ったが日本はどうしようとしているのか疑問”とのメッセージを、国際社会に発信した形になっている。各国は、メルケル首相の訪日について以下のように報じた。
3月9日付
『BBC』(英国)は「メルケル首相訪日、歴史問題に言及」との見出しで、「日本が隣国から過去の侵略行為を認めていないと非難される中、今年後半にも安倍首相は戦後70周年談話を発表することになっている。しかしその内容については、アジアに対する侵略に関する部分が、弱い表現に置き換えられるのではないかとの憶測が広がっている」と報じた上で、「メルケル首相は講演会の中で第2次大戦後のフランスとドイツの和解について言及し、”隣国フランスの寛容なふるまいもあったが、ドイツも真正面からナチスドイツの引き起こした過去と向き合った”と述べた」と婉曲的な表現で、メルケル首相が日本も歴史に向き合うよう促したことを報じ、「歴史の教訓は平和的手段で和解を見出していくことだ」とのメルケル首相の発言を紹介した。...
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3月9日付
『BBC』(英国)は「メルケル首相訪日、歴史問題に言及」との見出しで、「日本が隣国から過去の侵略行為を認めていないと非難される中、今年後半にも安倍首相は戦後70周年談話を発表することになっている。しかしその内容については、アジアに対する侵略に関する部分が、弱い表現に置き換えられるのではないかとの憶測が広がっている」と報じた上で、「メルケル首相は講演会の中で第2次大戦後のフランスとドイツの和解について言及し、”隣国フランスの寛容なふるまいもあったが、ドイツも真正面からナチスドイツの引き起こした過去と向き合った”と述べた」と婉曲的な表現で、メルケル首相が日本も歴史に向き合うよう促したことを報じ、「歴史の教訓は平和的手段で和解を見出していくことだ」とのメルケル首相の発言を紹介した。
3月9日付
『AP通信』(米国)は、「歴史修正主義者ではないかとの見方もある安倍首相が、終戦70周年記念談話の発表を準備している中、メルケル首相が来日し”ドイツは第2次世界大戦で自国が行った残虐行為に向き合う努力を行ったからこそ、現在の国際社会で尊敬される立場に復帰することができた”と発言した」と報じた。
3月9日付
『ロイター通信』(英国)は、メルケル首相が講演会で歴史問題に言及したことにからめて「日本の保守的政治家は、しばしば過去の(侵略行為に対しての)謝罪についての疑問を口にするが、これは中国と韓国との歴史問題が(日本にとっての)有利な外交カードになりうるからで、彼らはあえて緊張状態を持続させている」との一部の識者の見解を紹介した。
3月9日付
『ガーディアン』(英国)は日本に反省の色が見えないことについて、「(日本の一部の政治家達には)自国が行った侵略戦争を、自分たちに都合がいい形に表現することによって国内での支持を強化させたい思惑がある」との中国や韓国の首脳の見方を紹介した。
3月10日付
『中国網』(中国)は「ドイツのメルケル首相は、日本を訪問し、ドイツが歴史と真正面から向き合うことは、自分たちの国が第2次世界大戦後の国際社会に受け入れられるための前提条件であったと述べた」と伝えた。
3月10日付
『YTN』(韓国)は「日本を訪問したメルケル首相は、”ドイツは過去と正面から向き合った”と述べ、安倍政権に対して間接的に過去の歴史を直視することを注文した」と報じた。
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世界が見る最近の日中関係(2015/02/13)
安倍首相が施政方針演説を行い、各国との関係、戦後70周年、憲法改正や積極的平和主義、農協改革、地方創生、TPP、イスラム国などによる邦人殺害事件など、様々な分野にわたって力説した。今回は中国への批判的なトーンは抑え「今後、様々なレベルで(中国との)対話を深めながら、大局的な観点から安定的な友好関係を発展させ、国際社会の期待に応えていく」と、中国との関係改善に踏み込んでいくことを示唆した内容となっている。こうした矢先、安倍首相の安全保障分野の強化を念頭に、中国が9月にも大規模な軍事パレードを計画していることが明らかになった。習主席の任期中にこうした大規模なパレードを4回開催する予定とのことで、まだまだ日中関係の行く末は不透明だ。各国は、最近の日中関係について以下のように報じた。
2月13日付
『ロイター通信』(英国)は「関係筋によると、習主席は9月に中国人民解放軍の大規模な軍事パレードを行う方向で準備を進めており、そこで中国国産の新しい武器が公開される予定である」と報じた。さらに「安倍首相は、2015年に平和憲法を改憲するための法案を通すことを皮切りに、日本に強力な安全保障政策を打ち立てたいという目標を持っている。この政策は第二次大戦以来、はじめて日本が海外で同盟国のために戦うことを可能にするものだ」と報じている。...
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2月13日付
『ロイター通信』(英国)は「関係筋によると、習主席は9月に中国人民解放軍の大規模な軍事パレードを行う方向で準備を進めており、そこで中国国産の新しい武器が公開される予定である」と報じた。さらに「安倍首相は、2015年に平和憲法を改憲するための法案を通すことを皮切りに、日本に強力な安全保障政策を打ち立てたいという目標を持っている。この政策は第二次大戦以来、はじめて日本が海外で同盟国のために戦うことを可能にするものだ」と報じている。
一方、2月13日付
『中国網』(中国)は
『ボイスオブアメリカ』(米国)のウェブサイトを引用しながら、「安倍首相は1月に行われた演説の中で、東シナ海の防空識別圏の問題などで中国を批判していたものの、2月12日の施政方針演説ではAPECで習主席と会談したことについて触れ、”日中首脳会談が両国関係の改善に大きな一歩を踏み出した”とし、”両国関係の安定は、地域の平和と安定のために欠かせない”として、安定した中日の友好関係の全体的な発展に焦点を当てた」と、安倍首相が中国に対する強硬的なトーンをやや和らげたと報じている。
2月13日付
『ニューシース』(韓国)は、「設立45周年を迎えた日本記者クラブが、中国・鄧小平国家主席(当時)の尖閣諸島(釣魚島)の領有権紛争について、中国の立場を明らかにした音声ファイルを公開した」と報じ、「その中には鄧小平氏の来日時に、”尖閣問題は現状維持にする必要があり、その解決は後世に先送りすべきだ。より知恵のある後世の人が解決策を必ず見つけるだろう”との発言が含まれている」と報じた。今のタイミングで日本記者クラブが、この音声ファイルを公開した背景として「一部では、中国との関係緩和を念頭に置いた措置ではないかという見方もある」と報じた。
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