ジョージアと国境を接するダゲスタン共和国では、9月25日日曜日、デモ隊が高速道路を封鎖した。さらに7000㎞以上離れたモンゴルの北のブリアット共和国では部分的動員令を執行する徴兵官から予備役兵の逃亡を援助させるため、ブリアット解放財団と呼ばれるグループが組織された。
プーチン大統領の30万人の兵隊を余分にウクライナに送り込む部分的動員令に対する反対運動はシベリアの北東部、ヤクーツク北極地方にも及んでいる。...
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ジョージアと国境を接するダゲスタン共和国では、9月25日日曜日、デモ隊が高速道路を封鎖した。さらに7000㎞以上離れたモンゴルの北のブリアット共和国では部分的動員令を執行する徴兵官から予備役兵の逃亡を援助させるため、ブリアット解放財団と呼ばれるグループが組織された。
プーチン大統領の30万人の兵隊を余分にウクライナに送り込む部分的動員令に対する反対運動はシベリアの北東部、ヤクーツク北極地方にも及んでいる。 ロシア国内で4月から発行禁止となっている『モスクワタイムズ紙』によると、デモは地方の首都、ヤクーツクでも行われ、そこでは伝統的な踊りを行いながら「戦争反対」や「大量虐殺には反対」と叫んだと伝えた。 これらのスローガンは、ロシア政府が少数民族や最も貧困な地方の住民に的を絞って徴兵していると見做し彼らの不安状態を物語っている。
ブリアット解放財団のガルマザポバ会長は『ロイター通信』の質問に答えて、ブリアット共和国では部分的動員令はありえず、全員動員令が施行されていると述べた。
一方、2014年にロシアに併合されたクリミアでは、今回最初に徴兵令を受けたのは、少数民族のトルコ系タタール人であった。すなわち、クリミアでの80%の動員令はタタール人に配布されたが、彼らはクリミアでは20%の人口構成しか占めていないという。
従って、ロシアがウクライナ戦争で戦場に送り込むタタール人などの予備役兵は訓練、装備とも不充分で装備であると同時に、古くからのロシアの帝国主義者の伝統に従っている。すなわち、予備役兵は、宗主国ロシアのために死ぬことを動機付けされる危険性がある。この戦争によって、ウクライナ人に加えてロシアでの少数民族に大きな悲劇が起こっている。早期の戦争終結を望みたい。
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『フランス24』によると、NATOのストルテンベルグ事務総長は、この紛争は「消耗戦」になっていると指摘している。そしてロシア軍は、長引く戦争によって前線の人員の充足にますます苦心しているという。ロシア軍は、ウクライナ戦線への新兵勧誘のため、シベリアを含めた全国での積極的な採用キャンペーンをすすめているという。人気ロックバンドのコンサート会場近くに臨時の採用事務所が設置された例もあると、ドイツの日刊紙「Süddeutsche Zeitung」は報じている。また、ロシアのプーチン大統領は5月25日、これまで40歳未満のロシア人しか入隊できなかった軍隊に、18歳から65歳までのすべてのロシア人が入隊できるようにする法律を承認した。
仏週刊誌『レクスプレス』によると、5月21日にシベリアのノボシビルスクで開催されたハーフマラソンでは、ゴール近くに「移動式採用事務所」として機能するトラックが駐車していた。また、プーチン大統領は、元兵士の軍復帰を促すために、3ヶ月の短期契約や現地賃金の4倍もの給与を出すことも躊躇していないという。
キングス・カレッジ・ロンドンのロシア軍専門家ロッド・ソーントン氏は、唯一、徴兵対象の若者だけは、違法となるため前線には送ることができないと説明している。モスクワタイムズ紙は、12人の将校が6月7日に、600人以上の若い徴兵をウクライナでの戦闘に送り込んだとして起訴されたと報じている。
ロシアの軍事問題の専門家であり、米国の地政学的研究センターである「ニューラインズ・インスティテュート」の外部コンサルタントを務めるジェフ・ホーン氏は、ウクライナ紛争以前、米国に次いで世界第2位と評されたロシア軍だが、「書類上では多数の歩兵師団が登録されている一方で、実際にそれを構成する旅団のほとんどが、冷戦終結後、人員不足に陥っている」と説明している。この慢性的な兵士不足は、「2つの世界大戦で甚大な被害を受け、スターリンによる粛清を受け、ソ連時代の強制的な工業化」を反映した数世代における人口変動が原因だという。
バーミンガム大学で旧ソ連の安全保障問題を専門とするニコロ・ファソラ氏は、こうした人口変動のゆえに「ロシアは、一般の兵士よりも大砲や装甲に重きを置くようになった」と説明している。今回の戦争が100日間を超えた長期戦になっていることで、兵士不足が深刻化している。ホーン氏は、攻撃側が勝つためには、3対1の割合で戦力が有利でなければならないという武力紛争における黄金律とは程遠い状態にあり、「今のところ、2対1、場所によっては1対1のところ」もあると推測している。
しかし、これは必ずしもウクライナに有利に働くわけでもないという。ソーントン氏は、最も可能性の高いシナリオは、「ロシア軍が防御態勢に入り、維持することを決定すること」だと述べている。その場合、ドンバスは終わりの見えない一種の紛争地帯となる。「ウクライナ側は、西側諸国からより強力な武器を受け取らない限り、ロシア人を排除する攻撃手段を持っていない」という。
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