【Globali】
世界が見るアジアインフラ投資銀行の衝撃(2015/03/18)
中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に英国に続き、ドイツ、フランス、イタリアも加入するとみられると英国のフィナンシャルタイムズが報じ、アジア開発銀行を主導する米国や日本に衝撃が走っている。米国、日本、カナダ以外のG7メンバー国すべてがAIIBに参加する形になり、米国が主導してきたブレトンウッズ体制、ドル一極体制の崩壊にもつながりかねない動きだ。AIIBにはすでにアジアや中東など26か国が参加を表明しているが、創設メンバーの参加期限は3月末であり、オーストラリア、韓国、ルクセンブルグなども参加を検討しているという。各国メディアは、アジアインフラ投資銀行の衝撃について以下のように報じた。
3月17日付
『ニューヨークタイムズ』(米国)は、「新たなプレーヤーが、国際システムで米国のリーダーシップに挑戦しようとしている」との米国ジェイコブルー財務長官のコメントと、「他の国際機関が守っている厳しい国際基準を、参加する国々がAIIBに守らせることが肝要だ」との米国国務省のサキ報道官の発言を掲載した。
3月17日付
『ガーディアン』(英国)は、AIIBにドイツ、フランス、イタリアも加入することを伝えた上で、「すでに参加表明した英国に引き続き、オーストラリアなども参加を検討しており、参加を表明した米国の同盟国と米国との間の溝が深まっている」と報じた。...
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3月17日付
『ニューヨークタイムズ』(米国)は、「新たなプレーヤーが、国際システムで米国のリーダーシップに挑戦しようとしている」との米国ジェイコブルー財務長官のコメントと、「他の国際機関が守っている厳しい国際基準を、参加する国々がAIIBに守らせることが肝要だ」との米国国務省のサキ報道官の発言を掲載した。
3月17日付
『ガーディアン』(英国)は、AIIBにドイツ、フランス、イタリアも加入することを伝えた上で、「すでに参加表明した英国に引き続き、オーストラリアなども参加を検討しており、参加を表明した米国の同盟国と米国との間の溝が深まっている」と報じた。
3月17日付
『フィナンシャルタイムズイタリア版』(英国)は、「イタリアが米国を裏切り、中国主導のAIIBに参加」との見出しで、「これまで米国は欧米主要国がAIIBに参加しないようあらゆる試みを行ってきたが、それは失敗した。EU諸国の決定は、オバマ政権にとって大きな敗北を意味している」と報じた。
3月17日付
『バンコクポスト』(タイ)は「中国主導の新銀行は、労働者の人権や環境基準といった問題について、配慮に欠けた緩い融資基準になる恐れがある」との米国の主張を報じた上で、「AIIBには安定した資金調達のモデルが存在しないにも関わらず、中国は自国の影響力を拡大するという国益のためだけに、AIIBに高いプライオリティを与えている」とのブルッキングス研究所のユンサン研究員の分析を掲載した。
3月17日付
『MK』(韓国)は「AIIBをめぐって、国家間の神経戦が熾烈になっている。 このような神経戦はAIIBが、単なる国際金融機関ではないという事実を意味している」とした上で、「米国と中国のアジア戦略と金融覇権が激突する最前線にAIIBは位置している」と報じた。また、米国がAIIBに否定的な理由については、「単なる国際銀行ではなく、むしろ中国の世界戦略を支えるツールとなる可能性が大きいと判断している」ためだと分析した。
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