【Globali】
世界が見る戦後70年談話の行方(2015/04/21)
安倍首相の訪米が迫っている。29日に行われる安倍首相の上院下院合同演説での演説で、歴史問題についての発言があるかどうかに注目が集まっている。これは終戦記念日に発表が予定されている、「戦後70年談話」(安倍談話)の序曲になるであろうとの見方があることからきている。こうした中、安倍首相は20日に出演したテレビ番組の中で安倍談話について言及、「同じ文言を言うのであれば新しい談話を出す意味がない」として、村山談話などの個別の文言の踏襲にはこだわらない姿勢を示した。さらには靖国神社に真榊を奉納し、今後、中国、韓国からの反発が予想される。各国は戦後70年談話の行方について、以下のように報じた。
4月20日付
『ニューヨークタイムズ』(米国)は、「安倍首相と日本の歴史」との見出しで、「安倍首相と右翼勢力は歴史の修正を試みており、そのことが地域の緊張を引き起こしている」とした上で、「安倍首相の米国訪問が成功するかどうかは、中国と韓国での侵略行為と残虐行為、従軍慰安婦問題などの戦争の歴史を直視できるかどうかにかかっている」と報じた。また安倍談話について、「安倍首相は”談話は戦争に対して反省の意を表わすものであり、過去の侵略行為に対する謝罪を踏襲するものだ”としているが、安倍首相には謝罪問題を真剣にとらえていないとみられる節があり、曖昧な修飾語で歴史問題を薄めるのではないかとみられている」と指摘した。...
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4月20日付
『ニューヨークタイムズ』(米国)は、「安倍首相と日本の歴史」との見出しで、「安倍首相と右翼勢力は歴史の修正を試みており、そのことが地域の緊張を引き起こしている」とした上で、「安倍首相の米国訪問が成功するかどうかは、中国と韓国での侵略行為と残虐行為、従軍慰安婦問題などの戦争の歴史を直視できるかどうかにかかっている」と報じた。また安倍談話について、「安倍首相は”談話は戦争に対して反省の意を表わすものであり、過去の侵略行為に対する謝罪を踏襲するものだ”としているが、安倍首相には謝罪問題を真剣にとらえていないとみられる節があり、曖昧な修飾語で歴史問題を薄めるのではないかとみられている」と指摘した。
4月21日付
『ガーディアン』(英国)は、「安倍談話、戦時中の侵略行為についての謝罪は繰り返さない可能性」との見出しで、「安倍首相が終戦記念日に出す予定の談話において、以前から踏襲されている公式謝罪を繰り返さない可能性を示唆した」と伝え、「一説によると、安倍談話には明確な戦争への謝罪が含まれておらず、アジアでの日本の侵略行為への言及が、省略されるのではないかといわれている」とした上で、「ここ最近、日本と中国の間には外交的雪解けの兆しがあったものの、安倍首相の(テレビでの)発言で、彼が日本の戦時中のアジアでの残虐行為を、軽視しようとしているとの疑惑が再び頭をもたげる可能性がある」と指摘した。
4月21日付
『ストレートタイムズ』(シンガポール)は、「日本の安倍晋三首相が、論争の的になっている靖国神社に真榊を奉納、さらに(安倍談話では)第二次世界大戦下の侵略行為についての謝罪は繰り返さないと発言し、中国と韓国からの怒りを買っている」と報じ、「焦点となっているのは”戦後70周年談話”だが、周辺国の怒りを呼ぶものになる可能性が高い」と伝えた。
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