米ボーイング(1934年設立)は、第4世代の新鋭小型機737Max(ナローボディ、170~220席、2016年初飛行)の二度にわたる死亡墜落事故(注後記)を受けて、安全運航が証明されるまで中国含めて多くの国から同型機の納品を差し止められた。更に、米中関係緊張もあって、中国側からは同社の他旅客機の受け入れも拒否された。そうした中、中国当局が同社737Maxの安全基準をクリアしたことから、まず同社製中型機が4年振りに中国向けに納品された。
12月22日付
『ロイター通信』、
『ブルームバーグ』オンラインニュース等は、米ボーイングが中国当局の安全基準に関わるお墨付きを得て、4年振りに同社製旅客機を中国向けに納品したと報じている。
中国民用航空局(CAAC、1949年設立、民間航空行政を管轄)は2019年、米ボーイング製737Maxの二度にわたる死亡墜落事故を受けて、同旅客機の中国受け入れを差し止めた。
更に、折からの米中関係緊張もあって、同社製他機も同様の扱いを受け、中国向け納品が全て停止された。...
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12月22日付
『ロイター通信』、
『ブルームバーグ』オンラインニュース等は、米ボーイングが中国当局の安全基準に関わるお墨付きを得て、4年振りに同社製旅客機を中国向けに納品したと報じている。
中国民用航空局(CAAC、1949年設立、民間航空行政を管轄)は2019年、米ボーイング製737Maxの二度にわたる死亡墜落事故を受けて、同旅客機の中国受け入れを差し止めた。
更に、折からの米中関係緊張もあって、同社製他機も同様の扱いを受け、中国向け納品が全て停止された。
しかし、米業界紙『ジ・エア・カレント』の12月20日付報道によると、CAACが今月初め、737Maxの安全基準が達成されたことを確認し、同型機の納品を認可したという。
『ロイター通信』は12月8日、CAAC副局長が米ボーイング幹部に対して、中国航空業界向けの同社製旅客機の商談再開を歓迎すると伝えたと報じている。
この結果を受けて、米ボーイングは12月21日、手始めに中型機787Dreamliner(ワイドボディ、250~300席、2009年初飛行)1機を中国中堅民間航空会社の吉祥航空(ジーシャンハンコン、2005年設立、上海本拠)向けに納品した。
中国向けの4年振りの納品となる同機は、ワシントン州エベレットの同社工場から12月20日午前10時頃に離陸し、12月22日午後4時過ぎに上海空港に着陸した。
米金融機関ジェフリーズ(1962年設立)の航空業界アナリストによれば、同社は目下787Dreamliner 60機の在庫を抱えていて、そのうち12機が中国向けの契約だとする。
従って同社としては、787Dreamlinerに続いて737Maxの納品再開を大いに期待している。
何故なら、中国が2042年までの世界の旅客機需要の20%を占めるとされているからである。
なお、ジョー・バイデン大統領(81歳、2021年就任)は先月中旬、習近平国家主席(70歳、2012年就任)とほぼ1年振りに対面での会談を行い、両国間歩み寄りの気運を高めた。
これを契機に、米中両軍トップが12月21日、同じく1年振りに直接対話を実施している。
かかる背景もあって、米ボーイングとしては、中国向けビジネス展開に追い風となるものと期待している。
(注)737Maxの死亡墜落事故:2018年10月、インドネシアのライオンエア610便が離陸直後に墜落し、乗員乗客全189人が死亡。続いて2019年3月、エチオピア航空302便が同じく離陸後しばらくして墜落し、157人全員が死亡。
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