中国経済がこれまでの輸出・インフラ投資が牽引する経済から、個人消費が牽引する経済に大転換を図れるか否かが大きな課題となっているが、そこで解決しなければならない問題が過剰生産設備の削減である。中国政府は2月29日製鉄業と石炭業で合計180万人の労働者を削減する計画であると発表したが、過剰生産設備削減の具体的な数字が初めて明らかとなった。
内訳は炭鉱労働者が130万人、製鉄労働者が50万人とされているが、これは両業界で働く労働者総数1,200万人の15％に当たる。中国政府は2年間で1,000億元（約1兆7千億円）の資金をこれら労働者削減に要する費用に充当する予定である。180万人の人員整理は時間的な目標は定めておらず時間を掛けてゆっくり行うと説明されている。

中国の製鉄業界は現在年間11億トン以上の年間生産能力を抱えているが、中国国内需要は約7億トンと言われており4億トン以上の過剰設備があることになる。因みに日本の製鉄業界の生産量は年間1億トン強なので、中国の過剰設備が如何に大きいかがわかる。 過剰生産設備の削減は、習近平主席が言うところの経済の「新常態」を達成するために必要不可欠なものであるが、やり方次第では中国共産党に対する労働者の支持を失う可能性もある難しい課題であり、今後の行方が大いに注目される。

3月１日付英文版『上海日報』は、「中国、過剰設備削減のため製鉄・炭鉱労働者180万人レイオフへ」と報じた。レイオフ労働者の人数は政府の設備削減目標に照らして妥当な数字であるという中国社会科学アカデミー研究員のコメントを伝えている。中国GDPに占めるサービス産業の比率は2015年に初めて50％を超えており、今後はサービス産業が製造業で失業した労働者を吸収するだろうとしている。

2月29日付香港の『サウスチャイナモーニングポスト』は、「中国、過剰生産設備抑制で製鉄・炭鉱労働者180万人削減へ」という見出しで29日中国の尹蔚民・人事社会保障相が労働者削減の発表を行ったと報じた。...

3月１日付英文版『上海日報』は、「中国、過剰設備削減のため製鉄・炭鉱労働者180万人レイオフへ」と報じた。レイオフ労働者の人数は政府の設備削減目標に照らして妥当な数字であるという中国社会科学アカデミー研究員のコメントを伝えている。中国GDPに占めるサービス産業の比率は2015年に初めて50％を超えており、今後はサービス産業が製造業で失業した労働者を吸収するだろうとしている。

2月29日付香港の『サウスチャイナモーニングポスト』は、「中国、過剰生産設備抑制で製鉄・炭鉱労働者180万人削減へ」という見出しで29日中国の尹蔚民・人事社会保障相が労働者削減の発表を行ったと報じた。中国厦門大学研究者は、これだけの大量の人員整理は、企業に資金がなく、政府の対策費も十分とはいえないので非常に難しいだろう。削減される労働者は十分な補償金を与えられるか、代替の職を与えられる必要があり、どちらも無ければ社会問題化する可能性もあるとコメントしている。

2月20日中国の株式市場を管理する証券監督管理委員会（証監委）の肖鋼主席が、株式市場混乱の責任を問われ更迭された。肖前主席は2013年3月に就任して以来、当時主に不動産市場に向かいバブルを形成していた投資資金を株式市場に向かわせることを最大の課題として取り組んで来た。結果として投資資金を株式市場に向かわせることに成功し、上海総合指数は昨年6月のピーク時にはほぼ二倍のレベル迄上昇させることが出来たがその後は暴落、今年の1月には市場の急激な動きを防止するために導入したサーキットブレーカー（株価の大幅な変動の際一時的に取引を停止する措置）が反って市場の混乱を助長したため、数日後には施行を停止するという失態を演じた。
このミスが致命的だったのは、この結果世界の投資家に中国政府のマーケットコントロール能力についての疑念が生じたため、世界の株式市場が大混乱に陥った。即ち中国政府のメンツが潰された形になってしまった。実は1月にサーキットブレーカーを停止した頃から肖前主席解任のうわさが流れロイター通信が報じていたが、当時証監委はこれを否定していた。しかし最終的に中国政府としては、今週末の上海G20と3月の全国人民代表大会を前に市場の信認を少しでも取り戻すためには更迭という選択肢しかなかったのであろう。
後任には政府系の四大商業銀行の一つである中国農業銀行のトップ劉士余氏が任命された。
劉氏は元々は肖前主席と同じ中央銀行である中国人民銀行出身の金融テクノクラートである。ただ、いくら優秀なテクノクラートであっても今の中国で市場経済の象徴ともいえる株式市場をコントロールする能力を期待するのは無理であって、誰がやっても難しいポストというのがメディアの見方である。

2月19日付『ニューヨークタイムズ』は、「市場混乱の中、中国証券監督トップ肖鋼氏更迭」という見出しで、中国の証券監督トップ肖鋼氏が中国株式市場混乱を増幅したという厳しい批判の矢面に立ち更迭されたと土曜日新華社が発表したと報じた。記事ではこのポストは後任にとっても難しいポストであり、政府上層部から常に監視と批判を受け自由に動ける余地が少ないポストである。誰がやっても難しく誰も後任になりたくないポストだという中国の銀行関係者のコメントを伝えている。...

2月19日付『ニューヨークタイムズ』は、「市場混乱の中、中国証券監督トップ肖鋼氏更迭」という見出しで、中国の証券監督トップ肖鋼氏が中国株式市場混乱を増幅したという厳しい批判の矢面に立ち更迭されたと土曜日新華社が発表したと報じた。記事ではこのポストは後任にとっても難しいポストであり、政府上層部から常に監視と批判を受け自由に動ける余地が少ないポストである。誰がやっても難しく誰も後任になりたくないポストだという中国の銀行関係者のコメントを伝えている。

2月20日付香港の『サウスチャイナモーニングポスト』は、「数か月に亘る市場混乱後、銀行頭取中国証券監督トップへ」という見出しで、肖主席が更迭され後任に中国農業銀行頭取の劉士余氏が任命されたと報じた。後任についてインターネットのチャットルームに記載された中国の個人投資家のコメントによれば、劉という姓は牛と発音が似ており牛はブルマーケット（株価上昇）に通じるというもから、男子サッカー中国代表チームの監督と同じで誰がなっても変わらないというもの迄あると報じている。

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