アフガニスタンからの撤退・茂木外相“陸路も想定・近隣大使館に支援体制構築指示”(9月5日)
アフガニスタンからの国外退避を巡り、茂木外相はNHK「日曜討論」で、「今後は空路だけでなく陸路での退避も想定される」として、「近隣国の日本大使館に支援体制を構築するよう指示した」と明らかにした。
茂木外相は「一定の影響力を持っている中国やロシアを含めてタリバンに働きかけていくことが重要だ」と指摘し、中国やロシアも含む関係国が参加して今月8日に開く閣僚級会合でタリバンへの対応を巡って協議する考えを示した。...
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アフガニスタンからの国外退避を巡り、茂木外相はNHK「日曜討論」で、「今後は空路だけでなく陸路での退避も想定される」として、「近隣国の日本大使館に支援体制を構築するよう指示した」と明らかにした。
茂木外相は「一定の影響力を持っている中国やロシアを含めてタリバンに働きかけていくことが重要だ」と指摘し、中国やロシアも含む関係国が参加して今月8日に開く閣僚級会合でタリバンへの対応を巡って協議する考えを示した。
さらに現地での情報収集やタリバンとの交渉を行うため、中東地域を担当する上村政府代表を今週にもカタールの首都・ドーハに派遣する考えを明らかにした。
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アフガニスタンの今後(9月4日)
パシュトー語で「学生」を意味するタリバンは、ほぼ大部分がパシュトゥーン族であり、イスラム教スンニ派の強硬路線を唱えている。
この意味でシーア派の隣国・イランとは対立する可能性が高く、イランイラク戦争のようなことが起こらないとも限らない。
もう一方の隣国・パキスタンであるが、パキスタンは、サウジアラビアやアラブ首長国連邦とともに2000年にタリバンが実権を握ったアフガニスタンを承認したことからもわかるようにタリバンとは仲がよい。...
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パシュトー語で「学生」を意味するタリバンは、ほぼ大部分がパシュトゥーン族であり、イスラム教スンニ派の強硬路線を唱えている。
この意味でシーア派の隣国・イランとは対立する可能性が高く、イランイラク戦争のようなことが起こらないとも限らない。
もう一方の隣国・パキスタンであるが、パキスタンは、サウジアラビアやアラブ首長国連邦とともに2000年にタリバンが実権を握ったアフガニスタンを承認したことからもわかるようにタリバンとは仲がよい。
そもそもパシュトゥーン族が住むパシュトゥーン地域というのはアフガンとパキスタンの両国にまたがっているため、パキスタンとタリバンは親戚関係といっても過言ではない。
今やアフガンとパキスタンは同じような考えの国になったということで、パキスタンの隣国インドにとっては安全保障と地域戦略にとってはきわめて厳しい状況になったともいえる。
パキスタンはインドと同じく核保有国でもあるが、パキスタンとは陸繋がりであり思想信条を同じくするアフガンもパキスタンの核の傘に入ったという見方もある。
米軍という瓶の蓋がとれたこの地域一帯は、カシミール地方や新疆ウイグルなど、一触即発の可能性を秘めてきな臭いエリアであり、小競り合いが起きない方がむしろ不思議である。日本大使館等が残してきたアフガニスタン人職員ら500人の今後の救助を忘れてはならない。
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EUタリバン新政権との関わり・テロや人権尊重で判断へ(9月4日)
EU議長国を務めるスロベニアで開かれた外相会議でアフガニスタンの情勢が協議されEUの外相に当たるボレル上級代表は会議の後の記者会見で「アフガニスタンの人々を支援するため新政権と関わらなければならない。これは承認ではなく実務を行うための関与だ」と話した。
その上で新政権とどうかかわっていくかについてはアフガニスタンをテロ活動の拠点にしないこと、人権や法の支配などを尊重することなど5つの基準を基に判断する方針を確認したと明らかにした。...
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EU議長国を務めるスロベニアで開かれた外相会議でアフガニスタンの情勢が協議されEUの外相に当たるボレル上級代表は会議の後の記者会見で「アフガニスタンの人々を支援するため新政権と関わらなければならない。これは承認ではなく実務を行うための関与だ」と話した。
その上で新政権とどうかかわっていくかについてはアフガニスタンをテロ活動の拠点にしないこと、人権や法の支配などを尊重することなど5つの基準を基に判断する方針を確認したと明らかにした。
またEU・ボレル上級代表は治安情勢が許せば首都カブールにチームを派遣しタリバン側との接触を行うことも合意した。
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米国・バイデン大統領・米国軍撤退「成功した」(9月1日)
米国・バイデン大統領はアフガニスタンからの米国軍完全撤退を受け演説し、アフガニスタンに駐留していた米国軍の撤退は「成功した」と自画自賛した。
バイデン大統領は「10年以上前にアフガニスタンでやろうとしたことを成功させた。この戦争を終わらせる時が来た」と述べた上え、アフガニスタンに残されている国民の退避に「期限はない」と述べ、出国を希望する人の退避に全力を尽くす考えを示した。
アフガニスタンを実効支配しているタリバンについて「彼らの言葉や行動をうのみにしない。...
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米国・バイデン大統領はアフガニスタンからの米国軍完全撤退を受け演説し、アフガニスタンに駐留していた米国軍の撤退は「成功した」と自画自賛した。
バイデン大統領は「10年以上前にアフガニスタンでやろうとしたことを成功させた。この戦争を終わらせる時が来た」と述べた上え、アフガニスタンに残されている国民の退避に「期限はない」と述べ、出国を希望する人の退避に全力を尽くす考えを示した。
アフガニスタンを実効支配しているタリバンについて「彼らの言葉や行動をうのみにしない。約束を実行させるための手段がある」などとしている。
強気な言葉を並べたバイデン大統領だが、国内の世論調査では支持率を落としている。
米国・ホワイトハウスで開かれたテロで死亡した米国兵を悼む集会でも一連の大砲への不満の声が聞かれた。
中国との覇権争いに集中するため、アフガニスタン問題への関与を減らしたいバイデン大統領だが、軍の撤退を巡る混乱が政権に大きな打撃を与えたことは間違いなさそう。
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タリバン・空港一部を管理下に・トルコに協力求める(8月30日)
武装勢力タリバンはカブールの空港内の一部をすでに管理下に置いたことを明らかにした。
タリバンの報道担当者・ムジャヒドは、きのう取材に対し「米国は空港のいくつかのエリアから退き、タリバンが管理している。空港から外国部隊の完全撤退は楽観している。近く空港全体がタリバンの管轄下となるだろう」と発言した。
しかし、タリバン側には空港の管理、運営を担うことができる人材が不足しているとみられている。...
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武装勢力タリバンはカブールの空港内の一部をすでに管理下に置いたことを明らかにした。
タリバンの報道担当者・ムジャヒドは、きのう取材に対し「米国は空港のいくつかのエリアから退き、タリバンが管理している。空港から外国部隊の完全撤退は楽観している。近く空港全体がタリバンの管轄下となるだろう」と発言した。
しかし、タリバン側には空港の管理、運営を担うことができる人材が不足しているとみられている。こうした中、タリバンはNATO(北大西洋条約機構)の一員として、これまで空港の軍用部分の運営に携わってきたトルコに対し民間分野で協力を求めている。
NATO加盟国で唯一、イスラム教徒が大多数を占めるトルコ。だが、欧米各国とは一線を画す立ち位置を活かし、タリバンとの関係構築を進めたい思惑がある。空港が来月以降も使用できるかどうかは国連機関などによる支援物資の輸送にも影響が出るため、米国軍の撤退期限が迫る中、協議がまとまるのかが注目されている。
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