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米国批判も3回目の会談に意欲“米国の勇気ある決断を待つ”(4月14日)
北朝鮮・金正恩朝鮮労働党党委員長が最高人民会議で演説し米国が非核化で一方的な要求をしていると批判した一方で、「トランプ大統領との個人的な関係はすばらしい」と強調した。
「正しい姿勢で私たちと共有できる方法を見つけるという条件ならばもう1度首脳会談を行う用意がある」と述べ、米朝首脳会談に意欲を示した。
そして「ことしの末までは忍耐心を持って、米国の勇気ある決断を待つ」と述べた。ただ米国は完全な非核化まで制裁解除しない立場を変えておらず3回目の首脳会談開催に向けた調整は難航が予想される。...
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北朝鮮・金正恩朝鮮労働党党委員長が最高人民会議で演説し米国が非核化で一方的な要求をしていると批判した一方で、「トランプ大統領との個人的な関係はすばらしい」と強調した。
「正しい姿勢で私たちと共有できる方法を見つけるという条件ならばもう1度首脳会談を行う用意がある」と述べ、米朝首脳会談に意欲を示した。
そして「ことしの末までは忍耐心を持って、米国の勇気ある決断を待つ」と述べた。ただ米国は完全な非核化まで制裁解除しない立場を変えておらず3回目の首脳会談開催に向けた調整は難航が予想される。
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トランプ大統領、ツイッターで金正恩に呼応(4月14日)
12日の最高人民会議で、金正恩委員長は条件付きながら3回目の米朝首脳会談を行ってもよいと述べ、トランプ大統領との個人的な関係は良いのだと述べていたが、13日トランプ大統領は、個人的な関係が良いということには本当だ(I agree)、「極めて良い(excellent)と言ったほうが正確かもしれない」と金正恩委員長の言葉に呼応するツィートをした。
さらに「もし3度目の米朝首脳会談を行ったならば、我々はお互いを良く理解しているからきっとうまくいくだろう」と述べ、さらに2度目の米朝首脳会談を前にしきりに言っていたことの繰り返しであるが、「金正恩委員長の指導の下、北朝鮮は巨大な経済的成長を成功させる潜在力がある。...
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12日の最高人民会議で、金正恩委員長は条件付きながら3回目の米朝首脳会談を行ってもよいと述べ、トランプ大統領との個人的な関係は良いのだと述べていたが、13日トランプ大統領は、個人的な関係が良いということには本当だ(I agree)、「極めて良い(excellent)と言ったほうが正確かもしれない」と金正恩委員長の言葉に呼応するツィートをした。
さらに「もし3度目の米朝首脳会談を行ったならば、我々はお互いを良く理解しているからきっとうまくいくだろう」と述べ、さらに2度目の米朝首脳会談を前にしきりに言っていたことの繰り返しであるが、「金正恩委員長の指導の下、北朝鮮は巨大な経済的成長を成功させる潜在力がある。核兵器を廃棄し、制裁が解除されるその日が来ることを期待している。そうなれば北朝鮮は世界で最も成功した国家の一つになるだろう」ともつぶやいている。
金正恩委員長が「年内は忍耐心を持って待つ」と述べたのは2020年になれば米国で大統領選挙の前哨戦が本格化することから、外交日程を割ける本年中に決着をつけたいという思いがあるのだろう。一方トランプ大統領としては、2度目の米朝首脳会談で「完全な非核化」を主張して席をたってしまった以上、3度目の会談で段階的非核化と段階的制裁解除というスモール・ディールを、選挙戦を前に行うことはできない。11日に行われた米韓首脳会談でも、開城工業団地や金剛山観光の再開を希望した文在寅大統領に、北朝鮮の完全な非核化が行われない限り再開は認められないと言っていた。
まさかトランプ大統領は「褒め殺し」によって金正恩委員長が心変わりをすると思っているわけではないだろうが、北朝鮮問題でしかレガシーを残せそうにない、という思いがあるのかもしれない。
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金正恩、権力基盤固める(4月13日)
条件付きなから、3回目の朝米首脳会談も
北朝鮮の最高人民会議が11日に続き、12日も開催された。最高人民会議が2日間行われるのは2000年代になって初めてのことである。
今回の最高人民会議では、指導層の若返りが図られ、金正恩委員長の権力が強化された。指導層の若返りとは、最高人民会議常任委員会委員長が91歳の金永南から60代の崔竜海へ、内閣総理が80代の朴奉珠から60代の金才竜に、外務省第一次官が80歳近い金桂冠から50代の崔善姫に交代したことである。...
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条件付きなから、3回目の朝米首脳会談も
北朝鮮の最高人民会議が11日に続き、12日も開催された。最高人民会議が2日間行われるのは2000年代になって初めてのことである。
今回の最高人民会議では、指導層の若返りが図られ、金正恩委員長の権力が強化された。指導層の若返りとは、最高人民会議常任委員会委員長が91歳の金永南から60代の崔竜海へ、内閣総理が80代の朴奉珠から60代の金才竜に、外務省第一次官が80歳近い金桂冠から50代の崔善姫に交代したことである。常任委員会委員長や総理の交代など、上層部の人事異動を行えたのは、金正恩委員長の権力が大きくなったからだろう。
これとともにこれまで対外的には最高人民会議常任委員会委員長が元首になっていたが、憲法改正によって最高人民会議常任委員会の権力と地位が国務委員会に移ったのではないかと、中国の「環球時報」は見ている(電子版、2019年4月13日)。これによって金正恩国務委員長が内外ともに元首の座についたのではないかというのである。もっとも朝鮮中央通信は、憲法を改正したということのみを伝えていて、内容については明らかになっていない。
なお第二次朝米首脳会談の決裂に対するなんらかの責任を取らされるのではないかと思われていた金英哲労働党中央委副委員長や李容浩外相、崔善姫外務次官は国務委員に当選している。
金正恩委員長は10日の労働党の会議でも自力更生を強調していたが、経済に力を注ごうとしているのは、金才竜を総理にしたことからも明らかである。韓国の「毎日経済」によると、同氏は中朝辺境地帯である慈江道の山間地帯の責任者を長く勤めていた人物である。慈江道は1990年代の「苦難の行軍」の時代に自力更生で経済困難を脱した「江界精神」の発祥地であり、その地域の指導者をしていた金才竜を総理とすることは、経済制裁の下でも自力更生で経済発展を図り、経済制裁を突破しようという意思の表れであるとみている。
韓国の新聞「アジア経済」によると、金才竜ばかりでなく、各地方で経済建設の指揮を執った経済界の人物が昇級している。例えば元山葛麻観光区と馬息嶺スキー場の建設で金正恩委員長から称賛された朴正男や、朝鮮第二委員会委員長の趙春竜は、政治局候補委員に当選した。
一方11日に米国で行われた米韓首脳会談の席上で、トランプ大統領は3回目の米朝首脳会談に前向きの発言をしていたが、金正恩委員長も条件つきながら3回目の朝米首脳会談に前向きの発言をした。
12日の最高人民会議の演説のなかで述べたもので、米国がハノイ会談のときのような一方的に要求をつきつける態度をあらためるならばもう一回朝米首脳会談を行おう、忍耐心をもって年末まで待つとした。譲歩をするのは米国側だとしながらも、金正恩委員長はトランプ大統領との関係は良好であることも付け加えている。
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北朝鮮・キムジョンウン委員長・米国批判も3回目の会談に意欲(4月13日)
北朝鮮・キムジョンウン朝鮮労働党委員長は最高人民会議で演説し、米国を批判した一方、トランプ大統領との個人的な関係は素晴らしいと強調し3回目の米朝首脳会談に意欲を示した。
米国の研究グループ・38ノースは最新の衛星写真から北朝鮮が弾道ミサイルを搭載できる新型潜水艦の建造を継続している可能性があるとの分析結果を明らかにした。
トランプ大統領に冷遇された文大統領(4月13日)
(トランプ大統領に冷遇された文大統領)
ワシントンで米韓首脳会談が行われた。文大統領が「3回目の米朝首脳会談を開く展望を世界に与えることが重要だ」と述べたのに対し、トランプ大統領は「北朝鮮との3回目の会談は急ぐつもりはなく、急ぐと適切なディールにならない」「今は(制裁を緩和する)正しいタイミングではない」と南北関係主導で米朝首脳会談の再構築を急ぎ、北朝鮮への制裁緩和を要求する文大統領をけん制した。...
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(トランプ大統領に冷遇された文大統領)
ワシントンで米韓首脳会談が行われた。文大統領が「3回目の米朝首脳会談を開く展望を世界に与えることが重要だ」と述べたのに対し、トランプ大統領は「北朝鮮との3回目の会談は急ぐつもりはなく、急ぐと適切なディールにならない」「今は(制裁を緩和する)正しいタイミングではない」と南北関係主導で米朝首脳会談の再構築を急ぎ、北朝鮮への制裁緩和を要求する文大統領をけん制した。トランプ大統領が改めて非核化を実現するまでは経済制裁を維持する基本ルールを鮮明に示した格好である。米韓首脳会談は記者質問の時間を除くと実質2分間という異常に短い会談で、事実上、南北主導での北朝鮮融和路線は破綻したといえそうだ。米韓の外交安保ラインが機能不全状態と言われている中で、文大統領に求められていることは北朝鮮の主張を代弁することをやめ、米韓同盟を維持し北朝鮮に軍事挑発の余地を与えないようにすることに尽きる。
(北朝鮮最高人民会議・自力更生していく)
一方、北朝鮮では最高人民会議が開催された。人事では、高齢の幹部などを退任させ、外交内政の重要ポストを一部入れ替えるなどの動きが目立った。水面下で米国との交渉の前面に立っていたチェソンヒ氏が第一外務次官になり、国務委員会委員にも抜擢されるなど、大出世した。このほか崔竜海氏が金永南氏にかわって、最高人民会議常任委員会委員長になり、さらに国務委員会第一副委員長にも選ばれた。金正恩朝鮮労働党委員長は国務委員長に再選され、経済建設に集中する「新たな戦略路線」を提唱し、「自力更生していく」と強調した。北朝鮮人民に耐貧を呼び掛け、引き締めをはかる目的があるものと推察されるが、制裁によって食料、石油、資源も足りない北朝鮮がなぜ敢えて「自力更生」を強調したのか、専門家は北朝鮮が米国に対して制裁は効いていないということをみせてけん制しているとの見方を示している。米国に対しての強がりは軍事面にも及び、米国CSISによると軍事パレードを準備しているかのような様子が衛星画像から確認できるという。集まっている車両は軍事パレードに出るような軍事車両のタイプではないため、大規模な軍事パレードにはならないとみられるが、しばらくは水面下での米朝の神経戦が続きそうである。
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