「防衛装備移転三原則」の運用方針めぐり議論開始(4月26日)
防衛装備品の海外への移転を巡る動き。自民党、公明党は、防衛装備移転三原則の運用指針などの見直しを議論する実務者の協議を始めた。
国会内で開かれた初会合。自民党・小野寺元防衛相は「防衛装備移転の論点について、具体的な方向性を出せるように議論させてもらえれば」、公明党・佐藤国対委員長ひゃ「戦後のわが国の平和国家としての歩みを堅持しつつ、わが国にのって望ましい安全保障環境をどう創出していくことができるか」と述べた。...
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防衛装備品の海外への移転を巡る動き。自民党、公明党は、防衛装備移転三原則の運用指針などの見直しを議論する実務者の協議を始めた。
国会内で開かれた初会合。自民党・小野寺元防衛相は「防衛装備移転の論点について、具体的な方向性を出せるように議論させてもらえれば」、公明党・佐藤国対委員長ひゃ「戦後のわが国の平和国家としての歩みを堅持しつつ、わが国にのって望ましい安全保障環境をどう創出していくことができるか」と述べた。
会合では、ウクライナへの支援として殺傷能力のある装備品の輸出を認めるかどうかや、殺傷能力のない装備品の移転の対象を救難や輸送など、三原則の5つの類型から拡大するかどうかなどを協議することになった。
自民、公明両党は、5月の大型連休明けから有識者のヒアリングを行い、議論を本格化させることにしている。
今後注目されるのが、次期戦闘機の完成品や部品を開発国以外の第三国に輸出できるようにするかどうか。パートナーである英国、イタリアは、第三国への輸出を重視。
日本の防衛装備移転三原則の運用指針では、国際共同開発生産品に関する海外移転は認められている。英国、イタリアへの移転はこれに該当するが、それ以外の第三国への移転は明確に規定されていない。こうした点をどうするのかが、今後の自民党、公明党の協議でも焦点の1つとなる見通し。
防衛装備庁・射場隆昌事業監理官は、与党の議論を踏まえて検討するとしたうえで「たくさん売れれば売れるほど単価も下がる。日本の防衛産業基盤は強化される。共同開発した飛行機を使っている国がでれば、その国との連携は今まで考えられなかったくらい強固になるのではないか。国際安全保障環境の安全を生み出すうえでも非常に重要なツールになるのでは」と述べた。
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「防衛装備移転三原則」今月下旬にも見直し協議へ(4月19日)
政府が去年12月に決定した国家安全保障戦略では、防衛装備品の海外移転は、軍事侵略などを受けている国への重要な支援になるとして、移転のルールを厳格に定めた防衛装備移転三原則の運用指針などを見直す方針を示した。これを受けて、自民、公明両党は、統一地方選挙後の今月下旬にも、防衛装備移転三原則の運用指針などを見直す協議を始める。
武器などの海外移転は、専門家らから積極的に進めるべきだという声がある一方、紛争を助長するおそれがあり、慎重にすべきという指摘もある。...
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政府が去年12月に決定した国家安全保障戦略では、防衛装備品の海外移転は、軍事侵略などを受けている国への重要な支援になるとして、移転のルールを厳格に定めた防衛装備移転三原則の運用指針などを見直す方針を示した。これを受けて、自民、公明両党は、統一地方選挙後の今月下旬にも、防衛装備移転三原則の運用指針などを見直す協議を始める。
武器などの海外移転は、専門家らから積極的に進めるべきだという声がある一方、紛争を助長するおそれがあり、慎重にすべきという指摘もある。
こうした中で、ウクライナなどへの支援として、これまで認められてこなかった殺傷能力のある装備品の輸出を、初めて認めるかどうかが焦点となる見通し。
自民党内には、ゼレンスキー大統領もオンラインで参加する来月のG7広島サミットまでに一定の結論を出すべきだという意見がある。一方で、公明党内には慎重な意見も根強く、ある幹部は、丁寧に議論を進めると話していて、今後、両党が結論を出すタイミングも焦点となる。
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防衛力強化“増税方針”論戦へ(4月7日)
防衛費増額に向けて、防衛力強化資金を創設するための法案の国会審議が始まった。
政府与党は今の国会で法案を確実に成立させたい考えだが、野党側は増税が前提になっているとして、激しい論戦が展開される見通し。
この法案は防衛費増額の財源確保へ、歳出改革、国有財産売却など、税金以外の収入を活用し、防衛力強化資金を創設などが柱。岸田総理は、防衛費増額に必要な費用の4分の1を増税で賄う方針を示した。
米国・原子力空母も参加・韓国国防省が発表“日米韓の共同訓練きょうから実施”(4月3日)
韓国国防省によると、訓練は韓国南部のチェジュ島沖の公海上できょうとあす実施され、米海軍の原子力空母ニミッツのほか海上自衛隊と韓国海軍の艦艇が参加する。
去年9月以来となる日米韓による海中の潜水艦に対応する訓練が行われ、韓国国防省は北のSLBM潜水艦発射弾道ミサイルなどの脅威に対する日米韓の能力を向上させる機会となるとしている。
また韓国国防省は3か国による安全保障協力を正常化させる一環だとして2016年以来となる日米韓による救難訓練も今回の訓練で再開されるとしている。...
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韓国国防省によると、訓練は韓国南部のチェジュ島沖の公海上できょうとあす実施され、米海軍の原子力空母ニミッツのほか海上自衛隊と韓国海軍の艦艇が参加する。
去年9月以来となる日米韓による海中の潜水艦に対応する訓練が行われ、韓国国防省は北のSLBM潜水艦発射弾道ミサイルなどの脅威に対する日米韓の能力を向上させる機会となるとしている。
また韓国国防省は3か国による安全保障協力を正常化させる一環だとして2016年以来となる日米韓による救難訓練も今回の訓練で再開されるとしている。
米韓両軍は原子力空母を投入した海上での共同訓練を先月27日に実施して報道機関に公開したばかりで、日本を含めた訓練の実施で3か国による安全保障協力を強化する立場を強調している。
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宇宙空間に広がる軍拡競争(3月13日)
2023年3月9日、ロシアは極超音速ミサイル「キンジャール」6発を発射し、首都・キーウのインフラ施設などを攻撃し、ウクライナ側は1発も迎撃することができなかった。
極超音速ミサイルは音速の5倍以上で、且つ飛び方が不規則であり、軌道が読めないため、例えば日米が持っている防衛システム(MD)でさえ、迎撃することは難しい。
MDは宇宙空間を移動する敵のミサイルをイージス艦「SM3」から狙い、撃ち損じた場合には地上に配備された「PAC3」から誘導ミサイルを発射するという2段構えの迎撃システムで、日本では2004年から運用が開始されたが、このシステムでは現在の極超音速ミサイルを撃ち落とすことはできない。...
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2023年3月9日、ロシアは極超音速ミサイル「キンジャール」6発を発射し、首都・キーウのインフラ施設などを攻撃し、ウクライナ側は1発も迎撃することができなかった。
極超音速ミサイルは音速の5倍以上で、且つ飛び方が不規則であり、軌道が読めないため、例えば日米が持っている防衛システム(MD)でさえ、迎撃することは難しい。
MDは宇宙空間を移動する敵のミサイルをイージス艦「SM3」から狙い、撃ち損じた場合には地上に配備された「PAC3」から誘導ミサイルを発射するという2段構えの迎撃システムで、日本では2004年から運用が開始されたが、このシステムでは現在の極超音速ミサイルを撃ち落とすことはできない。
恐ろしいことに極超音速ミサイルには、核の搭載が可能であり、既にプーチン大統領は核爆弾の搭載を示唆している。
あまり知られてはいないことであるが、極超音速ミサイルを世界に先駆けて提唱(2008年)したのはオバマ政権下の米国であった。皮肉なことにその開発を押し進め、実現したのは中国・ロシア・北朝鮮で現在、この3か国が先駆的なポジションにおり、いずれも極超音速ミサイルの発射実験を成功させている。
米国は、極超音速ミサイルに対抗するため、低軌道に数百基の衛星を打ちあげてミサイルを監視する網の目を作り上げ、極超音速ミサイルを迎撃する「衛星コンステレーションシステム」を考えており、2024年度以降に約150基の衛星を配備する予定である。
これに対抗するため中国・ロシアは衛星を破壊するキラー衛星の開発を進めている。今後、民主主義国家と専制国家の争いの場は宇宙空間が主戦場となりそうだ。
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