沖縄・尖閣諸島沖・中国海警局の船4隻・一時領海侵入(10月17日)
第11管区海上保安本部によると、きょう沖縄県の尖閣諸島の魚釣島の沖合で中国海警局の船4隻が午前10時すぎからおよそ1時間半にわたって日本の領海に侵入した。
政府は首相官邸の情報連絡室を官邸対策室に切り替え、情報収集と警戒監視にあたった。
外務省・金杉アジア大洋州局長は東京の中国大使館の郭燕公使に「尖閣諸島は日本固有の領土で、ただちに退去するよう求める」と電話で抗議し、北京の大使館ルートを通じても同様の抗議を行った。...
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第11管区海上保安本部によると、きょう沖縄県の尖閣諸島の魚釣島の沖合で中国海警局の船4隻が午前10時すぎからおよそ1時間半にわたって日本の領海に侵入した。
政府は首相官邸の情報連絡室を官邸対策室に切り替え、情報収集と警戒監視にあたった。
外務省・金杉アジア大洋州局長は東京の中国大使館の郭燕公使に「尖閣諸島は日本固有の領土で、ただちに退去するよう求める」と電話で抗議し、北京の大使館ルートを通じても同様の抗議を行った。
4隻は正午現在、領海のすぐ外側にある接続水域を航行していて、海上保安本部が再び領海に入らないよう警告と監視を続けている。
尖閣諸島沖で中国海警局の船が領海を侵入したのは先月7日以来で、ことしはあわせて18日となる。
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中国の対米貿易黒字拡大(10月13日)
9月の中国の対米貿易黒字は341億ドルで、8月に続き2か月連続で史上最高を更新した。9月24日から米国が中国からの輸入2000億ドル相当分に対し、追加関税を課したことから、その前の駆け込み輸出が増大したことによるとみられ、10月以降の数字は決して楽観できないのであるが、13日付「環球時報」は米国メディアの論調を引用する形で、「中国の対米黒字史上最高額を記録、トランプの貿易戦略『まさに失敗』」という記事を掲載した。...
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9月の中国の対米貿易黒字は341億ドルで、8月に続き2か月連続で史上最高を更新した。9月24日から米国が中国からの輸入2000億ドル相当分に対し、追加関税を課したことから、その前の駆け込み輸出が増大したことによるとみられ、10月以降の数字は決して楽観できないのであるが、13日付「環球時報」は米国メディアの論調を引用する形で、「中国の対米黒字史上最高額を記録、トランプの貿易戦略『まさに失敗』」という記事を掲載した。
記事ではトランプ大統領の貿易戦争は米国企業が受益者になるはずであったが、実際には逆の現象が起きている。例えば米国のフォード社は、追加関税によって9月には10億ドルもの損失を被った。また米国民は関税によって高い中国製品を買うはめになった。中国も追加関税を課したことから、米国製品は中国市場でさらに販売しづらくなっている。ただし来月以降は、米国の貿易赤字は縮小していくだろう、と記事は伝えている。
またブルッキングス研究所の研究者の「トランプ大統領は選挙期間に貿易赤字の縮小を成功の基準として掲げていたが、彼の戦略はまさに失敗した」との言葉も紹介している。
ただし貿易戦争では米中両国ともに影響を受けていて、中国経済に対する影響は決して楽観できるものではない。IMFは9日に発表した「世界経済展望」では2018年の世界経済の成長率は3.7%で、4月に発表された数字より0.2ポイント低くなっている。世界経済の成長率の減速はトランプ大統領に原因があるとされている、と同記事は締めくくっている。
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自衛隊機の緊急発進・中国機への対応増加(10月13日)
領空侵犯のおそれがある国籍不明機に対する航空自衛隊機のスクランブル(緊急発進)は先月までの半年間で中国機への対応が昨年度に比べておよそ20%増えていることが分かった。
防衛省は中国の海洋進出を強める動きが続いているとして警戒と監視を続けている。
米中首脳会談・来月行う方向で調整(10月12日)
米国有力紙・ウォールストリートジャーナル電子版は11日、来月のG20首脳会議にあわせトランプ大統領と習近平国家主席が会談を行う方向で調整していると伝えた。
財務省・ムニューシン財務長官とホワイトハウス国家経済会議・クドロー委員長の2人は数か月前から中国との交渉を模索してきたという。
ペンス講演に反論(10月11日)
10月10日の「人民日報」では、4日に米国のペンス副大統領が行った対中非難の講演に対する反論の署名記事を掲載している。対中非難が多岐にわたっていたことから反論も多岐にわたるが、そのなかで貿易問題については以下のように反論している。
米国は中国から経済侵略を受けているというが、国連の統計によると、米国の対中輸出は2001年の191.8億ドルから2017年には1298.9億ドルと577%も増加しており、米国の対世界輸出の増加率の112%よりもはるかに高くなっている。...
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10月10日の「人民日報」では、4日に米国のペンス副大統領が行った対中非難の講演に対する反論の署名記事を掲載している。対中非難が多岐にわたっていたことから反論も多岐にわたるが、そのなかで貿易問題については以下のように反論している。
米国は中国から経済侵略を受けているというが、国連の統計によると、米国の対中輸出は2001年の191.8億ドルから2017年には1298.9億ドルと577%も増加しており、米国の対世界輸出の増加率の112%よりもはるかに高くなっている。しかもこれは米国が中国にハイテク製品の輸出を制限しているもとでの数字である。もし米国がフォード級の航空母艦を中国に輸出したならば、1隻150億ドルとして、4隻で600億ドルになる。米国が中国に対する輸出制限を緩和していれば、米国の対中入超問題は現在の状態にはなっていないはずである。米国のカーネギー財団は2017年4月に、もし米国がブラジル並みに制限を緩和すれば、入超額は24%削減され、フランス並みにすれば35%で削減されるだろうとの報告書を提出している。これからわかることは「中国が輸入しない」のではなく「米国が輸出しない」ことが問題なのである。
さらにサービス貿易に目を転じれば、米国側の統計で、米国の対中サービス輸出は2007年から17年の間に131.4億ドルから576.3億ドルと3.4倍に増加、同期間の対世界の1.8倍の増加を大きく超えており、対中サービス貿易の出超額は30倍の402億ドルになっている。
またこの何十年間米国は加工・組み立て産業についてはグローバル展開しており、中国はその最大の生産基地となっている。製品のバリュー・チェーンのなかでグローバル企業は巨大で、中国企業は小さく、中国はただ加工費を稼ぎ、安い労働力として使われてきただけであった。
2013年以来中国の世界経済への寄与度は30%前後であり、世界1位で、2017年には34.6%に達し、米国の約2倍であった。中国は世界に大きな市場を提供しており、2001年から17年の中国の貨物輸入は年平均13.5%増加しており、これは世界平均の2倍であり、同期間のサービス貿易の輸入も年平均16.7%であり、世界の平均の2.7倍に達している。中国の貨物およびサービス輸入の同期間の全世界に占める割合は8.4%から10.1%と1.7ポイント増加したが、米国は0.5ポイント減少しているのである。
具体的な数字、それもなるべく公平に見える数字を用いながら、交渉の道が閉ざされ、解決の道が見いだせない中国のもどかしさを感じる文章となっている。
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