米国・シャナハン国防長官代行・中国「地域の最大の脅威」(6月1日)
米国のシャナハン国防長官代行はシンガポールで開かれているアジア安全保障会議でインド太平洋地域での戦略について演説した。
この中でシャナハン国防長官代行は「この地域の最大の長期的な脅威は規範に基づく国際秩序を損なおうとするものからもたらされる。」として、名指しは避けながらも中国の南シナ海での軍事拠点化の動きや東南アジアの国々への強制的な影響力の拡大を厳しく非難した。
その上で「他国の主権を侵害し不信を生む中国の行為は終わらなければならない。...
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米国のシャナハン国防長官代行はシンガポールで開かれているアジア安全保障会議でインド太平洋地域での戦略について演説した。
この中でシャナハン国防長官代行は「この地域の最大の長期的な脅威は規範に基づく国際秩序を損なおうとするものからもたらされる。」として、名指しは避けながらも中国の南シナ海での軍事拠点化の動きや東南アジアの国々への強制的な影響力の拡大を厳しく非難した。
その上で「他国の主権を侵害し不信を生む中国の行為は終わらなければならない。それまでわれわれは自由で開かれた秩序のために取り組む」と述べた。
そして安全保障面での日本やアジア各国との連携を強化するとして、この地域への米国の関与を強め中国に対抗していく姿勢を鮮明にした。
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本格化する覇権争い(6月1日)
(中国が米国に対する報復関税措置を発動)
米中貿易戦争が激しさを加速させている。6月1日、中国はLNGなど600億ドル(6兆6000億円)分の米国製品への追加関税を最大25%に引き上げるという、米国の制裁関税に対する報復措置を発動させた。中国は米国以外からの代替調達が困難な品目に適用除外制度を新設するなど持久戦をすでに念頭に置いており、米中貿易戦争は我慢比べの様相を呈している。さらに中国商務省は中国企業に不当な損害を与えた外国企業をリスト化すると発表した。...
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(中国が米国に対する報復関税措置を発動)
米中貿易戦争が激しさを加速させている。6月1日、中国はLNGなど600億ドル(6兆6000億円)分の米国製品への追加関税を最大25%に引き上げるという、米国の制裁関税に対する報復措置を発動させた。中国は米国以外からの代替調達が困難な品目に適用除外制度を新設するなど持久戦をすでに念頭に置いており、米中貿易戦争は我慢比べの様相を呈している。さらに中国商務省は中国企業に不当な損害を与えた外国企業をリスト化すると発表した。このリストに指定されると中国企業との取引が制限されるため、すでに中国企業との取引きのある米国企業のみならず日本企業にもその影響が及ぶ可能性が出てきている。米中の貿易戦争は世界の貿易構造にも大きな影響を与え始めており、機械や電機機器は中国からではなくベトナムや台湾、メキシコ経由で米国に輸入されるという流れに大きく変わってきている。中国からの生産移管ラッシュが続く中、原産地をごまかす迂回輸出も増えているという。トランプ大統領は当初、米中貿易戦争の逆風を内需の強さでカバーできると考えていたが、今、この主張が揺らぎ始めている。5月23日に発表された米国製造業景況感指数は50.6と約10年ぶりの低水準となり、好不況の境目とされる50に近づいていることからもそれは明らかである。2020年大統領選ラリーも近づいてきている上、ふたたびロシア疑惑が頭をもたげつつある中で、トランプ大統領の一挙手一投足に注目が集まっている。特に大阪のG20会議中に行われているとされている米中首脳会談に焦点が当たっている。
(シャングリラダイアローグ開幕・安全保障でも火花を散らす米中)
米中貿易戦争が加熱する中、シンガポールでアジア安保会議(シャングリラダイアローグ)が開幕した。この中で米国のシャナハン国防長官代行と中国のウエイフォンホー国防相による約30分間の米中国防相会談が行われた。会談でシャナハン代行は「中国が南シナ海で進めている軍事拠点化は度を超している」との懸念を伝えたものと見られている。さらに中国国防省報道官によると米海軍が台湾海峡の航行回数を活発化させていることに対し「中国軍の決心と能力を見くびるべきではない」と米軍のこのエリアへの艦艇派遣について断固反対の姿勢を示したという。中国は「武力行使も辞さず」という強い意思で2049年までに台湾を併合する構想であり、南シナ海への玄関として台湾への圧力を継続的に強化してくるものとみられ、今後10年の大きなリスクとなっていく可能性があり、米中の覇権争いは貿易、ハイテク、安全保障が一体となった熾烈なものとなっていくとみてよい。
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米国イージス艦・台湾海峡通過・トランプ政権“安全保障面でも中国へ圧力”(5月23日)
米国海軍第7艦隊は、イージス駆逐艦「プレブル」と補給艦の合わせて2隻が昨日から今日にかけて台湾海峡を通過したことを明らかにした。
第7艦隊は「米国海軍は国際法で認められたどこであれ、航行や飛行を続けていく」とコメントしている。
米国海軍の艦艇が台湾海峡を通過するのは5か月連続になる。
プレブルは今月19日に南シナ海で中国が主権を主張する海域を航行する航行の自由作戦を行ったばかりで、トランプ政権は台湾海峡や南シナ海に艦艇を派遣するペースを加速させている。...
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米国海軍第7艦隊は、イージス駆逐艦「プレブル」と補給艦の合わせて2隻が昨日から今日にかけて台湾海峡を通過したことを明らかにした。
第7艦隊は「米国海軍は国際法で認められたどこであれ、航行や飛行を続けていく」とコメントしている。
米国海軍の艦艇が台湾海峡を通過するのは5か月連続になる。
プレブルは今月19日に南シナ海で中国が主権を主張する海域を航行する航行の自由作戦を行ったばかりで、トランプ政権は台湾海峡や南シナ海に艦艇を派遣するペースを加速させている。
米中貿易摩擦が激しさを増すなかトランプ政権は米国企業に対し、中国通信機器大手のファーウェイと政府の許可なく取引することを禁ずる措置をとるなど中国への圧力を強めていて、安全保障面でも中国への圧力を強めるねらいがあるものとみられる。
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米中貿易交渉“中国側は大きく後退した”(5月23日)
米国と中国の貿易摩擦は長期化の懸念が強まっている。米国のムニューシン財務長官は、中国との貿易交渉について、「残念ながら中国側は大きく後退している」と述べた。
米国は今月10日、中国からの2000億ドル分の輸入品に上乗せする関税を大幅に引き上げた。
中国も報復措置として、米国からの600億ドル分の輸入品に上乗せする関税を引き上げるとして、米中双方で追加関税の応酬が激しくなっている。
中国・王毅外相・ファーウェイ念頭に・米国国務長官に抗議(5月19日)
中国・王毅外相は昨夜、米国・ポンペイオ国務長官と電話で会談し、王外相は「米国が政治的手段を含めたさまざまな方法で中国の利益を損ない、中国企業の経営に圧力を加えていることに断固として反対する」と述べた。
米国は中国の通信機器大手・ファーウェイと関連企業を米国の企業が政府の許可なく取り引きすることを禁じるリストに加えるなど締めつけを強めていて、王外相の発言はこれを念頭にしたものである。
王外相は米中の貿易問題を巡る交渉について「貿易問題は交渉を通じて解決すべきだ。...
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中国・王毅外相は昨夜、米国・ポンペイオ国務長官と電話で会談し、王外相は「米国が政治的手段を含めたさまざまな方法で中国の利益を損ない、中国企業の経営に圧力を加えていることに断固として反対する」と述べた。
米国は中国の通信機器大手・ファーウェイと関連企業を米国の企業が政府の許可なく取り引きすることを禁じるリストに加えるなど締めつけを強めていて、王外相の発言はこれを念頭にしたものである。
王外相は米中の貿易問題を巡る交渉について「貿易問題は交渉を通じて解決すべきだ。交渉は対等でなければならず、中国は国際関係の基本的ルールを守ってきた」と述べ、関税の引き上げやファーウェイへの締めつけの強化といった手段を通じて貿易交渉で圧力を強める米国の対応に強く抗議した。
イラン情勢についても意見を交わし、王外相は他国の企業にイラン産原油を全面的に禁輸する制裁を科すことに反対の立場を示した。
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