香港動乱(10月5日)
(香港当局・覆面禁止法の制定と緊急状況規則条例の発動)
香港デモが長期化の兆しを見せている中、キャリーラム香港行政長官は「覆面をしていることが過激な抗議活動につながっている」として「覆面禁止法」を制定した。さらにこの法律を議会に諮ることなく即時公布できるようにするため、52年ぶりに「緊急状況規則条例」の発動を発表した。「緊急状況規則条例」はおよそ民主主義的でない条例のため緊急事態であるということが大前提となるが、果たして今回のデモが緊急事態であるのかどうかは議論の分かれるところである。...
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(香港当局・覆面禁止法の制定と緊急状況規則条例の発動)
香港デモが長期化の兆しを見せている中、キャリーラム香港行政長官は「覆面をしていることが過激な抗議活動につながっている」として「覆面禁止法」を制定した。さらにこの法律を議会に諮ることなく即時公布できるようにするため、52年ぶりに「緊急状況規則条例」の発動を発表した。「緊急状況規則条例」はおよそ民主主義的でない条例のため緊急事態であるということが大前提となるが、果たして今回のデモが緊急事態であるのかどうかは議論の分かれるところである。1967年、英国統治下の香港でこの条例が発動された時は爆弾テロで一般人を含む多くの犠牲者が出ており、現在の香港デモと比べると明らかに緊急事態性は高かった。この手続きを当局が乱発すれば理屈の上ではどんな法律もできてしまうことになるだけに「政府が立法手続きを踏まないことを香港(中国)は世界に示した」との批判も出ている。
(中国の監視テクノロジーを恐れる香港デモ参加者)
香港デモで目につくのはガスマスクや黒いマスクで顔を隠す参加者が多いことである。催涙ガスを防ぐためや別の理由づけが表向きにはされているが、根底にあるのは香港行政府のバックに控えているAI監視大国中国への警戒と恐れがある。AI技術により一旦マークされればAIによる容赦ない監視と追跡にさらされる。つい最近も中国の顔認識AI企業がウィグル族自治区の250万人を顔認識AIテクノロジーを使って監視していたことが明らかになったが、中国のAI顔認証システムは世界1と言われている。YITI、メグビー、センスタイム、クラウドウォークといった深センをベースとしたユニコーン企業がしのぎを削り、日々監視テクノロジーを進化させている。今回の「覆面禁止法」はスマートフォン顔認識AIアプリや街頭監視カメラ及び住民監視データベースを援用し、疑わしい人物を24時間追跡監視し、いつでもどこでも摘発することを可能にするきっかけとなったといえるのかもしれない。その先には香港のウィグル化が待ち受けている。
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覆面禁止法あすから施行・市民らはマスク姿で反対デモ(10月4日)
香港・林鄭月娥行政長官は議会の承認を得ずに行政長官の権限で様々な規則を設ける事が出来る「緊急状況規則条例」を発動し、デモ参加者のマスクなどの着用を禁じる覆面禁止法をあすから施行することを発表した。
マスクの着用を禁止することにより、デモ隊の過激な行為を抑制する狙い。市民らは香港の民主社会はなくなったなどと反発。抗議活動が激化する可能性がある。
香港・昨夜も抗議活動・警察官の拳銃発砲に(10月3日)
中国の建国70年にあわせた抗議活動に参加した18歳の男子高校生が警察官に拳銃で撃たれ一時重体となった。警察は“自衛のためだった”と釈明。市民の間では警察の責任を追求する声が高まり昨夜も各地で抗議集会が開かれた。
この撃たれた生徒の高校がある新界地区の集会では参加者が折り鶴を追って生徒の回復を祈ると共に“子供を撃つな”とのプラカードを掲げ、抗議した。
先月29日、抗議活動を取材していたインドネシア人女性記者は、警察が発射したゴム弾を右目に受け大けがをした。...
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中国の建国70年にあわせた抗議活動に参加した18歳の男子高校生が警察官に拳銃で撃たれ一時重体となった。警察は“自衛のためだった”と釈明。市民の間では警察の責任を追求する声が高まり昨夜も各地で抗議集会が開かれた。
この撃たれた生徒の高校がある新界地区の集会では参加者が折り鶴を追って生徒の回復を祈ると共に“子供を撃つな”とのプラカードを掲げ、抗議した。
先月29日、抗議活動を取材していたインドネシア人女性記者は、警察が発射したゴム弾を右目に受け大けがをした。
記者の弁護士は「右目を失明するとみられる」と容態を明らかにした。警察の発砲でけが人が出たことで警察や政府への反発が一段と強まる。
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18歳生徒に香港警察が・中国建国70年の日に(10月2日)
激しく衝突する警察とデモ隊。負傷した警察官が銃口をデモ隊に向けた。香港ではきのう中国の建国70年に合わせて、各地で多くの人たちが警察の許可がないまま中国や香港の政府に抗議する大規模なデモ行進などを強行し、火炎瓶などを投げたりする一部のデモ隊に対し、警察が催涙弾などで強制排除に乗り出して、各地で衝突が相次いだ。
そして、警察官がデモ隊に発砲した。
18歳の男子生徒が左胸のあたりを撃たれ病院に運ばれた。...
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激しく衝突する警察とデモ隊。負傷した警察官が銃口をデモ隊に向けた。香港ではきのう中国の建国70年に合わせて、各地で多くの人たちが警察の許可がないまま中国や香港の政府に抗議する大規模なデモ行進などを強行し、火炎瓶などを投げたりする一部のデモ隊に対し、警察が催涙弾などで強制排除に乗り出して、各地で衝突が相次いだ。
そして、警察官がデモ隊に発砲した。
18歳の男子生徒が左胸のあたりを撃たれ病院に運ばれた。SNS上の映像ではこの生徒とみられる人物が警察官から至近距離で撃たれ、後ろ向きに倒れる様子が映っている。
これを受けて警察トップが会見し、警察官が4か所で合わせて6発発砲したことを明らかにした。香港政府によると、きのうは74人がけがをし、このうち男性2人が重体だということだが、打たれた生徒は手術を受けて容体が安定したとのことだ。
一連の抗議活動で警察の発砲でけが人が出たのは初めてで政府への反発が高まるのは避けられない情勢である。
一方、昨日、建国70年を祝うパレードなどが盛大に行われた北京。習近平国家主席は演説で香港の一国二制度の方針を堅持し、香港の長期的な繁栄と安定を保つと強調したが、香港の抗議活動は収束を見通せないまま深刻化している。
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中国建国70年を前に香港で抗議活発化(9月30日)
香港ではあす10月1日の中国の建国70年に向けて抗議が活発化してるのに対し、警察が参加者を次々と拘束するなど抑え込みを強めている。
きのう政府への抗議活動は一部の参加者が大通りで火炎瓶を投げたり、中国の銀行のATM(現金自動預払機)に落書きするなどした。
これに対し、警察は催涙弾や放水で強制排除した。
参加者を次々と拘束するなど抑え込みを強めていて、昨夜までに25人が病院に運ばれた。...
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香港ではあす10月1日の中国の建国70年に向けて抗議が活発化してるのに対し、警察が参加者を次々と拘束するなど抑え込みを強めている。
きのう政府への抗議活動は一部の参加者が大通りで火炎瓶を投げたり、中国の銀行のATM(現金自動預払機)に落書きするなどした。
これに対し、警察は催涙弾や放水で強制排除した。
参加者を次々と拘束するなど抑え込みを強めていて、昨夜までに25人が病院に運ばれた。
また、現地メディアによると、私服警官とみられる数人がデモ隊に取り囲まれ、空に向け1発威嚇射撃を行った。
香港では、きょうもストライキや授業のボイコットを呼びかける集会などが予定されているほか中国が建国70年を迎えるあすは民主派の団体が大規模なデモ行進を計画している。
警察が反対していることから再び衝突が起きることも懸念されている。
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