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「待った!」の声続出…立ち合い正常化問題(5月14日)
時間一杯になった国技館の土俵上。両者が激しくぶつかり合い、鮮やかな攻防が始まる…と、思いきや土俵下から「待った」の声。相撲が中断され、仕切り直しとなる取組が続出。熱戦を期待していた館内のファンからは何とも言えないざわめきが…。いま大相撲夏場所では、ちょっとした異変が起きている。場所前に新体制となった審判部から「立ち合いの正常化」について、力士会に直接“物言い”がついたためだ。
自分十分の形にもっていきたいため、立ち合いで必要以上に駆け引きを行う力士が増えているのは以前から問題視されてきた。...
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時間一杯になった国技館の土俵上。両者が激しくぶつかり合い、鮮やかな攻防が始まる…と、思いきや土俵下から「待った」の声。相撲が中断され、仕切り直しとなる取組が続出。熱戦を期待していた館内のファンからは何とも言えないざわめきが…。いま大相撲夏場所では、ちょっとした異変が起きている。場所前に新体制となった審判部から「立ち合いの正常化」について、力士会に直接“物言い”がついたためだ。
自分十分の形にもっていきたいため、立ち合いで必要以上に駆け引きを行う力士が増えているのは以前から問題視されてきた。なかなか蹲踞に入らない、手を一向に付かない、わざとタイミングをずらす等々…特に学生相撲出身者に多いと言われたこの手の「じらし戦法」。そもそも立合いとは自分勝手に立つのではなく、相手の呼吸に合わせて行うものとされている。審判部が厳しく「両手を付く」よう徹底させるのは、勝負を預かる審判部としては真っ当な姿勢と言えよう。友綱親方(元・魁輝)、二所ノ関親方(元・若嶋津)、藤島親方(元・武双山)ら3名の幹部が旗振り役となって、大相撲をあるべき姿に戻そうという熱意は十分理解できるものである。
だが、その一方で度々勝負が中断され、何度もやり直しをさせられた挙句、結局は呆気ない決着になっている相撲も多いように感じられる。敗れた力士たちも帰りの花道で憮然とした表情で、納得のいかないといった態度を露わにする姿も目に付く。何より、館内の緊張感が削がれている感は、残念ながら否めない。立ち合いは完璧になったとして、肝心の相撲内容が不完全燃焼になってはいないだろうか?観客にとって、それが果たして喜ばしいものなのかは疑問だ。真の「土俵の充実」とは何か。くれぐれも角を矯めて牛を殺すことだけは避けて欲しいと思う。
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どうなる?赤き血のイレブン・企業再編の影響(5月13日)
浦和レッドダイヤモンズ、通称・浦和レッズといえば誰もが知るJリーグを代表する名門チーム。熱心なサポーターに支えられ、観客動員数はリーグ内でも断トツだ。1試合平均35,000人を超える観客数は、NPBのジャイアンツやタイガースに次ぐ規模。国内のプロスポーツを見渡しても最大級の人気球団である。そのレッズに大きな問題が起きようとしている。
12日、燃費データ改ざん問題で揺れる三菱自動車工業に対し、協力関係にある日産自動車が2000億円を超える巨額の出資によって事実上の傘下に収める方向であることが明らかになった。...
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浦和レッドダイヤモンズ、通称・浦和レッズといえば誰もが知るJリーグを代表する名門チーム。熱心なサポーターに支えられ、観客動員数はリーグ内でも断トツだ。1試合平均35,000人を超える観客数は、NPBのジャイアンツやタイガースに次ぐ規模。国内のプロスポーツを見渡しても最大級の人気球団である。そのレッズに大きな問題が起きようとしている。
12日、燃費データ改ざん問題で揺れる三菱自動車工業に対し、協力関係にある日産自動車が2000億円を超える巨額の出資によって事実上の傘下に収める方向であることが明らかになった。このことはJリーグ、ひいては日本のスポーツ界において大きな問題を孕んでいるのである。浦和レッズの前身は三菱重工業サッカー部。レッズの赤いイメージカラーは、三菱マーク(スリーダイヤ)が由来であることは余りに有名だろう。一方の日産自動車は、横浜Fマリノスの前身であり、現在もメインスポンサー。つまり、日産が三菱の筆頭株主になってしまうと、株式保有比率が高い企業による複数クラブへの経営関与を禁止するJリーグ規約に抵触する可能性が出てくるのだ。まだ、先行きは未確定だが最悪の場合、三菱がレッズのメインスポンサーを外れる事態も起こるかもしれない。
これと同じような問題がかつてプロ野球でも発生したことがある。01年11月、横浜ベイスターズにより、マルハからニッポン放送への筆頭株主の変更が発表された。だが、ニッポン放送のフジサンケイグループはヤクルトスワローズの株を多数保有していたため、NPB協約違反という事で白紙撤回されたのだった。スポーツとスポンサー企業との関係は切り離せないもの。今回の大手自動車メーカーによる業界再編の動きはスポーツ界にまで波紋が広がっている。
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逆風を乗り越え…バドミントン、リオへの誓い(5月12日)
違法カジノ問題で激震が走った日本バドミントン界。9日、リオデジャネイロ五輪代表の発表会見が都内で行われた。リオ五輪出場枠を決める世界ランキングで、シングルス・ダブルス合わせて合計6枠を獲得している日本。男子4人、女子5人がリオ五輪代表に決まった。なかでも女子ダブルス・世界ランク1位の高橋礼華、松友美佐紀組には金メダルの期待が高い。さらに女子シングルス・世界5位の奥原希望は3月に行われた全英オープンで、日本人39年ぶりとなる優勝を果たしたばかりだ。...
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違法カジノ問題で激震が走った日本バドミントン界。9日、リオデジャネイロ五輪代表の発表会見が都内で行われた。リオ五輪出場枠を決める世界ランキングで、シングルス・ダブルス合わせて合計6枠を獲得している日本。男子4人、女子5人がリオ五輪代表に決まった。なかでも女子ダブルス・世界ランク1位の高橋礼華、松友美佐紀組には金メダルの期待が高い。さらに女子シングルス・世界5位の奥原希望は3月に行われた全英オープンで、日本人39年ぶりとなる優勝を果たしたばかりだ。
まだ21歳の前途有望な奥原。だが、ここまでの競技人生は決して順風満帆なものばかりではなかった。13年と14年に両膝を損傷。そこから手術とリハビリを経て復活し、リオへの切符をつかんだ。記者会見場では「2度目にケガをした時のことを思うと、こみ上げてきた」と感極まって涙を浮かべていた。「自分らしい最高のプレーをして最高の舞台で頂点に立てるよう頑張りたい」とメダル獲得への決意は固い。
昨年12月、年間王者を決めるスーパーシリーズファイナルズに日本人で初めて優勝し、一躍脚光を浴びた奥原。その時に男子シングルスを制し、アベック優勝を決めた桃田賢人は、闇カジノへの関与で世界ランキングから抹消。もう代表メンバーにはいない。否応なく女子へのメダル獲得の期待が強まってしまうが、重圧を跳ね返し、のびのびとリオで飛躍してほしい。
10日に行われた日韓代表による団体交流戦では、高橋、松友組がストレート勝ち。奥原も90分の激闘を制して、3-2で韓国を下した。逆風を乗り越え、リオへ向かうバドミントン日本代表。シングルスのもう一人の代表、熊本を拠点とする実業団チーム所属の山口茜も含め、必ずや日本へ笑顔を届けてくれることだろう。
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「最多勝の大横綱」と「最年長の相撲巧者」(5月11日)
大相撲夏場所が始まり、国技館では連日の熱戦が続いている。先場所優勝の横綱・白鵬は初日から危なげない相撲で連勝。2日目には幕内での勝利数880勝を達成し、歴代最多の魁皇の記録を抜いた。さらに通算勝利数は974勝に達しており、次なる目標は1000勝、そして歴代最多の1047勝であろう。本人も「名古屋場所で1000勝を達成するためにも、今場所が大切」と強い決意を語っていた。先場所は千秋楽の一番で、あっけない変化での優勝決定となり、物議を醸した大横綱。...
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大相撲夏場所が始まり、国技館では連日の熱戦が続いている。先場所優勝の横綱・白鵬は初日から危なげない相撲で連勝。2日目には幕内での勝利数880勝を達成し、歴代最多の魁皇の記録を抜いた。さらに通算勝利数は974勝に達しており、次なる目標は1000勝、そして歴代最多の1047勝であろう。本人も「名古屋場所で1000勝を達成するためにも、今場所が大切」と強い決意を語っていた。先場所は千秋楽の一番で、あっけない変化での優勝決定となり、物議を醸した大横綱。数々の大記録を塗り替え、好敵手も不在のなかモチベーションの維持が不安視されていたが、最後に残された金字塔が再び闘志を奮い立たせているようだ。
一方では心配な知らせも。幕内で最年長力士の安美錦(37)が、2日目の取組で、アキレス腱断裂の重傷を負い、休場となってしまった。得意の「いなし」で、栃ノ心を翻弄したが、回り込んだ瞬間、足首から「ボンという音がした」という。相手を押し出した直後に崩れ落ち、苦悶の表情を浮かべ土俵を何度も叩いた。安美錦が倒れるより先に明らかに栃ノ心が土俵を割っていたが、軍配は栃ノ心に。結局物言いはつかず、ラジオ解説の北の富士勝昭氏も「審判部は安美錦に謝罪すべき」と苦言を呈したが黒星となってしまった。安美錦は幕内在位、通算出場数ともに歴代5位。通算784勝と幕内663勝は、現役では白鵬に次ぐ2位の記録だ。年齢が年齢だけに今回の負傷でこのまま引退となってしまうのでは?と危惧する声も上がった。だが、37歳の最年長力士は公式ブロクで「まだ自分の中で納得できるものがないので絶対に引退はしません。支えてくれる家族と一緒にもう1度土俵に帰ってきます。」と宣言してくれた。再び相撲巧者ぶりを披露してくれる日を待ちたい。
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偉大な元チャンプからW世界王者へのエール(5月10日)
「内山選手が負けて、非常に日本ボクシング界が暗くなっている。2人で暗いムードを吹っ飛ばしてほしい」W世界戦の調印式後の会見で、大橋ボクシングジム・大橋秀行会長は、ジム所属の2人の日本人王者に発破をかけた。
8日、ボクシングのW世界戦が有明コロシアムで行われた。WBO世界Sフライ級王者の井上尚弥は、同級一位の相手との指名試合。ここまで世界戦5試合連続KO勝利の井上に対し、挑戦者のダビド・カルモナはガードを固め、チャンスを作らせない。...
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「内山選手が負けて、非常に日本ボクシング界が暗くなっている。2人で暗いムードを吹っ飛ばしてほしい」W世界戦の調印式後の会見で、大橋ボクシングジム・大橋秀行会長は、ジム所属の2人の日本人王者に発破をかけた。
8日、ボクシングのW世界戦が有明コロシアムで行われた。WBO世界Sフライ級王者の井上尚弥は、同級一位の相手との指名試合。ここまで世界戦5試合連続KO勝利の井上に対し、挑戦者のダビド・カルモナはガードを固め、チャンスを作らせない。王者となって初めて最終12ラウンドを迎えた井上は猛然とラッシュ。残り33秒でダウンを奪い、何とか立ち上がったカルモナをTKO寸前まで追い込む。判定となったものの、終始圧倒したチャンピオンが2度目の防衛を果たした。世界最速で2階級を制覇した23歳の井上。これでプロデビューから負けなしの10連勝だ。いま最もノッている日本人王者だろう。一方、IBF世界Lフライ級タイトルマッチは八重樫東が壮烈な打ち合いを展開し、2-1のスプリットデシジョンとなった際どい闘いをものにした。八重樫は内山高志の拓殖大学の後輩。27日に12回目の防衛に失敗し、王座から陥落した内山の試合にショックを受けたが、内山本人から「俺は大丈夫だから。試合頑張れよ!」との激励のメールをもらい、見事防衛を果たした。八重樫は「今あるのは先輩のおかげ。スイッチが入った」と感謝を口にした。井上も右拳の負傷時に、同様の故障に苦しんできた内山からアドバイスを受け、それが後押しになったという。内山はN・ウォータースらビッグネームとのラスベガス決戦の夢は果たせなかった。是非とも井上には3階級制覇王者、ローマン・ゴンサレスとのゴールデンカード実現まで、無敗街道を驀進してもらいたい。
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