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悔しさを胸に隠したあの夏から半年…歓喜の涙(1月24日)
五輪効果で前年を上回る観客を集めた全日本卓球選手権。男子シングルスは水谷隼が4連覇を達成。史上最多となる9度目の優勝を果たした。一方の女子シングルス決勝戦は日本選手権3連覇中の石川佳純vs日本人初のW杯優勝者・平野美宇という昨年と同じ顔合わせだった。
「絶対に勝ちたいと思っていた」リベンジに臨む平野の言葉の裏には、昨年のリオ五輪で補欠メンバーに回った悔しさが滲む。2014年に同学年の伊藤美誠とのペアで、ワールドツアーを制覇。...
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五輪効果で前年を上回る観客を集めた全日本卓球選手権。男子シングルスは水谷隼が4連覇を達成。史上最多となる9度目の優勝を果たした。一方の女子シングルス決勝戦は日本選手権3連覇中の石川佳純vs日本人初のW杯優勝者・平野美宇という昨年と同じ顔合わせだった。
「絶対に勝ちたいと思っていた」リベンジに臨む平野の言葉の裏には、昨年のリオ五輪で補欠メンバーに回った悔しさが滲む。2014年に同学年の伊藤美誠とのペアで、ワールドツアーを制覇。“みうみま”は一躍「時の人」となったが、リオの団体戦でも活躍した伊藤とは明暗が分かれてしまった。歓喜に沸く代表メンバーの隣で、「内心では試合に出られないのがすごく悔しかった」と帰国後に心情を吐露した平野。今大会でも「好感度とかは気にせずに、自分の思ったことを言っていこう」と腹を括った。マスコミの前で、「決勝まで行けば優勝できると思う」と、これまで見せなかった強気なコメントも発した。それはまるで自らを鼓舞するように。
石川佳純は自身5度目の頂点を手にすれば歴代3位となる。平野の挑発的ともいえる言葉にも動ぜず「挑戦を受けるというより、まだ私も挑戦していきたい」と冷静に意気込みを語った。
試合は序盤から果敢に攻めてきた平野がリード。第5ゲームでは初の栄冠まであと3ポイントに迫る。だが、石川もこのままでは終わらない。ここから怒涛の7連続ポイントで逆転し、このゲームをもぎ取った。平野は「優勝したいという気持ちがこみ上げてきてしまった」と反省し、再び落ち着きを取り戻すと、再びスマッシュが決まり出していく。最後は4-2で石川を破り、史上最年少(16歳9か月)での初優勝を決めた。両拳を突き上げた若き新女王の目には、秘めていた思いから解き放たれた涙が溢れ出ていた。
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ジャンプ界ニューヒロイン誕生・翔べ伊藤有希(1月23日)
今年に入って大寒波に見舞われた日本列島。そのさなかスキージャンプ女子ワールドカップの4連戦が行われ、連日熱い戦いが繰り広げられた。14日から札幌で行われた第7戦と第8戦で、最も注目を浴びていたのは、今季6大会中5度優勝と絶好調の高梨沙羅。だが、高梨に待ったをかけたのは、2歳年上のもう一人の日の丸ジャンパー・伊藤有希(ゆうき)だった。
伊藤は1994年生まれの22歳。出身地の北海道下川町は、あの“レジェンド“葛西紀明や、ソチ五輪団体銅メダルメンバー・伊東大輝らを生んだジャンプのメッカ。...
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今年に入って大寒波に見舞われた日本列島。そのさなかスキージャンプ女子ワールドカップの4連戦が行われ、連日熱い戦いが繰り広げられた。14日から札幌で行われた第7戦と第8戦で、最も注目を浴びていたのは、今季6大会中5度優勝と絶好調の高梨沙羅。だが、高梨に待ったをかけたのは、2歳年上のもう一人の日の丸ジャンパー・伊藤有希(ゆうき)だった。
伊藤は1994年生まれの22歳。出身地の北海道下川町は、あの“レジェンド“葛西紀明や、ソチ五輪団体銅メダルメンバー・伊東大輝らを生んだジャンプのメッカ。高梨の出身地・上川町よりも50kmほど北に位置するこの小さな町には、ナイター照明付のジャンプ台が4基も設置されており、下川町の子供たちは就学前からジャンプ競技に親しんでいる。彼女も幼いころから、ここで練習を重ねた一人だった。
14日、国内初戦となる札幌大会で96メートルの大ジャンプを記録し、悲願のW杯初優勝を飾った伊藤は、続く蔵王大会(第9戦)でも逆転優勝。「この蔵王は私にとって幸運のジャンプ台」と語る伊藤。翌21日、今季日本最終戦となる第10戦は雪辱に燃える高梨との一騎打ちに。悪天候のなか、伊藤は100m、94.5mの227.0点をマークする。猛追する高梨から僅か0.8点差で逃げ切り、見事に自身初のW杯連勝で3勝目。高梨も2位に入り1・2フィニッシュで日本4連戦を締めくくった。
一方、あと1勝に迫っていた通算50勝を地元で果たせなかった高梨。「ベストなジャンプを見てもらえず残念」と悔やんだが、W杯はまだ折り返しを過ぎたところ。今後も伊藤との激しいデッドヒートを見せてくれるに違いない。2月にフィンランドで開催される世界選手権に向け、日本女子の強力な二枚看板の飛翔が楽しみだ。
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頂点を極めた史上最強女王・今後の動向は?…(1月21日)
「2020年東京オリンピックも来ます。そこで自分が何をしているかは、まだ自分自身もわかりませんが、日本スポーツ界の発展のために貢献できればと思っています」19日、読売新聞社が主催する第66回日本スポーツ賞の表彰式が、東京都内で行われた。一年で最も活躍したスポーツ選手、チームに贈られるこの栄えある賞は、昭和26年(1951)に制定された国内でも最も歴史のある表彰の一つ。2016年のグランプリに選ばれたのはレスリングの伊調馨だった。...
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「2020年東京オリンピックも来ます。そこで自分が何をしているかは、まだ自分自身もわかりませんが、日本スポーツ界の発展のために貢献できればと思っています」19日、読売新聞社が主催する第66回日本スポーツ賞の表彰式が、東京都内で行われた。一年で最も活躍したスポーツ選手、チームに贈られるこの栄えある賞は、昭和26年(1951)に制定された国内でも最も歴史のある表彰の一つ。2016年のグランプリに選ばれたのはレスリングの伊調馨だった。昨年に続く二年連続の栄冠で、これは競泳の北島康介以来2人目の快挙である。
伊調はご存知の通りリオ五輪58kg級で金メダルを獲得。五輪の個人種目史上初の4連覇を達成した女子選手となった。昨年は自身4度目となる紫綬褒章をはじめ、国民栄誉賞の受賞も果たして多忙なオフを過ごしている。気になる今後の動向だが、今のところまだ明言はしていない。冒頭に引用した言葉は今回の授賞式でのもの。競技に対して誰よりストイックな史上最強女王。東京五輪について「出るにはしっかり準備をしなければいけない。まだ覚悟ができていないかなと思う」と慎重な構えである。
現在32歳の彼女は、2020東京五輪の本大会の時には36歳になる。日本レスリング界を代表する立場、また一人の女性アスリートとして考えるところは多いだろう。極力彼女の判断を尊重し、そっと見守ってあげたいところだ。
ちなみに一昨年引退した浜口京子は37歳での決断だった。女子レスリングが五輪種目になる前の90年代、世界で無敵を誇った山本美憂(42)は、引退後に現役復帰。カナダ国籍でのリオ五輪出場に挑戦したが果たせず、その後総合格闘技に転向している。伊調のファイターとしての闘争本能はどんな答えを出すのだろうか。
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重圧と不安・最大の難敵に打ち克て!稀勢の里(1月20日)
大相撲初場所十二日目。単独トップを走る稀勢の里は、平幕の勢を寄り切りで破り1敗をキープ。2敗で追うのは横綱・白鵬ほか3名という状況だ。残り三日時点で稀勢の里が優勝戦線の先頭に立つのは、平成24年五月場所以来5年ぶりのこと。この時は終盤で連敗を重ねてしまい、ベテランの旭天鵬が幕内最年長優勝を決めた。
昨年の稀勢の里は春場所で13勝をあげ、優勝次点となったことから、続く5月場所以降3場所連続で“綱取り“に挑んだ。...
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大相撲初場所十二日目。単独トップを走る稀勢の里は、平幕の勢を寄り切りで破り1敗をキープ。2敗で追うのは横綱・白鵬ほか3名という状況だ。残り三日時点で稀勢の里が優勝戦線の先頭に立つのは、平成24年五月場所以来5年ぶりのこと。この時は終盤で連敗を重ねてしまい、ベテランの旭天鵬が幕内最年長優勝を決めた。
昨年の稀勢の里は春場所で13勝をあげ、優勝次点となったことから、続く5月場所以降3場所連続で“綱取り“に挑んだ。結果的には昨年も念願の優勝は果たせなかったが、この年69勝をあげ、初の年間最多勝に輝いている。優勝なしでの年間最多勝は史上初という、稀勢の里ならではの珍?記録も誕生した。幾度も優勝の機会をあと少しのところで逃し続けたことで、「プレッシャーに弱い」というレッテルを貼られてしまった稀勢の里。「(綱取りは)意識はしていない」と語るが、大一番での人の変わったような相撲はこの人の特徴である。初場所でも先場所土をつけられた正代や、絶好調の御嶽海らを圧倒し、万全の相撲を見せていたが、単独首位に躍り出た九日目に、大関陥落の危機にある不調の琴奨菊になすすべなく寄り切られてしまう。その後再び連勝したが、初黒星を喫するまでの堂々とした取り口は影を潜め、一気に攻めきれない相撲が続いている。腰も高く伸びてしまい、脇も空いて隙が目立つように感じる。千秋楽の白鵬との大一番までに何とか軌道修正していかないと本割で自力優勝を決めるのは厳しいだろう。大きな期待を、最高の場面で裏切られ続けてきたファン。しかし、それでも稀勢の里を応援せざるを得ない。そんな魔性のような魅力を持った力士・稀勢の里に今度こそ栄冠は輝くのだろうか?その時を全国のファンは胸が苦しくなるような思いで待ちわびている。
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エアK出陣!・2017年グランドスラム開幕(1月19日)
真夏のオーストラリア・メルボルンで現在、テニス4大大会の初戦・全豪オープンの熱戦が闘われている。錦織圭は11日まで行われていた2017年の初戦となるブリスベン国際大会に続く連戦。ブリスベンでは惜しくも優勝は逃したものの準優勝を収め、上々のスタートを飾ることに成功した。しかし、悲願のグランドスラム初制覇に向けては二つの不安要素がある。
一つはブリスベンの決勝で痛めた左臀部の状態。リハビリを行いながら全豪開幕に備えてきたが、一週間の猶予で過酷なトーナメントに挑むことになった。...
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真夏のオーストラリア・メルボルンで現在、テニス4大大会の初戦・全豪オープンの熱戦が闘われている。錦織圭は11日まで行われていた2017年の初戦となるブリスベン国際大会に続く連戦。ブリスベンでは惜しくも優勝は逃したものの準優勝を収め、上々のスタートを飾ることに成功した。しかし、悲願のグランドスラム初制覇に向けては二つの不安要素がある。
一つはブリスベンの決勝で痛めた左臀部の状態。リハビリを行いながら全豪開幕に備えてきたが、一週間の猶予で過酷なトーナメントに挑むことになった。本人は「徐々に良くなっている」と語るがコンディション調整が万全なのか心配である。もう一つは試合の組み合わせ。最新の錦織の世界ランキングは5位。組み合わせ抽選において、4位までと5位との間には非常に大きな差がある。トップランカー4名は別のブロックに入りそれぞれ準決勝まで当たることはないが、5位の選手はくじ運次第で世界ランク1位と早い段階でぶつかる可能性があるからだ。そして今回錦織が入ったのは最も厳しい“死のグループ”。強豪ひしめくブロックで、順当ならば4回戦ではフェデラー、準々決勝では早くもランキング1位のマレーが待ち受けるであろう。
錦織の1回戦の相手は難敵ロシアのクズネツォフ。ゲームはいきなり第1セットを落とす苦しい展開に。辛くも3-2で勝利したものの、初戦から3時間34分というタフな試合となった。この日の錦織はファーストサーブがなかなか決まらず、チャンスの際もボールをネットにかけて天を仰ぐシーンが見受けられた。だが、18日の2回戦ではフランスのシャルディーを完封。ストレート勝ちで3回戦へ駒を進めた。大会前「他の4大大会よりも重圧を感じる」と語った全豪オープン。過酷な戦いはこれからが佳境だ。
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