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ラグビーの風物詩が変わる・日本選手権と世界(1月30日)
29日、ラグビー日本選手権決勝戦が行われ、連覇を狙うパナソニックワイルドナイツとトップリーグ優勝のサントリーサンゴリアスが激突した。試合はサントリーが小野晃征の全得点を叩き出す活躍により15-10で勝利。4年ぶり7回目の優勝でリーグとの二冠を達成した。
かつてラグビー日本選手権は1月15日に行われるのが恒例で、社会人王者と大学王者の一騎打ちの構図だったという印象が強い方も多いのではないだろうか。...
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29日、ラグビー日本選手権決勝戦が行われ、連覇を狙うパナソニックワイルドナイツとトップリーグ優勝のサントリーサンゴリアスが激突した。試合はサントリーが小野晃征の全得点を叩き出す活躍により15-10で勝利。4年ぶり7回目の優勝でリーグとの二冠を達成した。
かつてラグビー日本選手権は1月15日に行われるのが恒例で、社会人王者と大学王者の一騎打ちの構図だったという印象が強い方も多いのではないだろうか。“夢の対決”の実現はファンの人気を呼び、しばしば大学生チームが社会人を打ち破る快挙もあった。しかし、90年代以降は社会人と大学の実力差が顕著になり、1997年でワンマッチ形式は終了。学生と社会人の複数チームによるトーナメントに変更されたのだった。結局それ以降の20年間は全て社会人チームの優勝で、大学チームは決勝にも進めていない。今年も大学選手権史上最多の8連覇を果たした帝京大学が準決勝でサントリーと戦い、健闘したものの54-29で敗れている。
そして、ついに日本ラグビー協会は今月18日、来年度以降の日本選手権での大学枠を撤廃することを決定。「学生vs社会人」の日本一の称号をめぐる対決は消滅することになった。この判断には賛否が分かれているが、日本代表選手らは南半球で行われている「スーパーラグビー」に参戦するため、過密スケジュール緩和の必要があるからだと言われている。伝統の戦いが消滅するのは残念だが、世界の強豪と戦うことで日本ラグビーの地位をより高めていってもらえればと思う。今年の決勝戦前には、昨年11月にワールドラグビーの殿堂入りを果たした元日本代表・大畑大介の記念式典も執り行われた。これは日本人2人目の名誉だ。彼に続く世界で評価されるラガーマンの誕生を期待したい。
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“センバツ”出場校決定・注目選手をチェック(1月28日)
3月19日開幕の第89回選抜高等学校野球大会“春のセンバツ”。27日、選考委員会が開かれ出場する32校が決定した。21世紀枠は3校。岩手・不来方高校と岐阜・多治見高校はともに初出場。高知・中村高校は40年ぶり2回目の出場となる。3校とも秋の県大会で決勝進出を果たしているが、中村高校は昨夏甲子園ベスト4の明徳義塾を破り優勝した。40年前の初出場時には、部員わずか12人のチームでセンバツ準優勝。「二十四の瞳」として日本中を熱狂させた。...
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3月19日開幕の第89回選抜高等学校野球大会“春のセンバツ”。27日、選考委員会が開かれ出場する32校が決定した。21世紀枠は3校。岩手・不来方高校と岐阜・多治見高校はともに初出場。高知・中村高校は40年ぶり2回目の出場となる。3校とも秋の県大会で決勝進出を果たしているが、中村高校は昨夏甲子園ベスト4の明徳義塾を破り優勝した。40年前の初出場時には、部員わずか12人のチームでセンバツ準優勝。「二十四の瞳」として日本中を熱狂させた。今回も16人で甲子園に挑む。高知県は昨年に続き明徳義塾との2校出場。野球人気の高い地元は大いに盛り上がっていることだろう。
今大会の注目は何と言っても高校ラストイヤーとなる清宮幸太郎を擁する早稲田実業だ。1年生の夏の大会で大旋風を巻き起こした清宮は、主将として人間的にも大きく成長中。甲子園は「自分の持っている以上の力を出させてくれる場所」だと語る。清宮も絶賛する1年スラッガー野村大樹の打撃からも目が離せない。
その早稲田実業を秋の神宮大会決勝で破って優勝を果たした大阪の履正社高校。西の長距離砲・安田尚憲は「清宮君に負けないよう練習していって、同じレベルで戦えるよう頑張りたい」と決意を誓った。早稲田実業らと並び、今大会最多の21回目の出場となるのは熊本の熊本工業。プロも注目する高速右腕・山口翔は今大会で最も完成度の高い投手の一人だ。清宮、安田らとの対決が楽しみである。今年のセンバツは関東・東京から昨夏の甲子園優勝校・作新学院ほか6校が出場。近畿・大阪からも履正社のほか、大阪桐蔭、報徳学園など7校が選ばれ、いずれ劣らぬ強豪校揃いの顔ぶれとなった。紫紺の優勝旗をめぐる熱き戦い。今年は一体どんなドラマを見せてくれるのだろうか。
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深刻化するドーピング問題・余波は日本にも…(1月27日)
「私たちの記録も、応援してもらったあの瞬間が事実。あの時実はこうだったと言われても困る」(朝原宣治)。日本が陸上トラック種目史上初めて表彰台に立った北京五輪から8年余り。その獲得したメダルの色が「銅」から「銀」に変わる公算が強くなってきた。国際オリンピック委員会は、北京五輪陸上男子400mリレーで金メダルを獲得したジャマイカチームのネスタ・カーターについて、ドーピング再検査で禁止薬物に陽性反応を示して失格となったため、金メダルを剥奪すると発表した。...
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「私たちの記録も、応援してもらったあの瞬間が事実。あの時実はこうだったと言われても困る」(朝原宣治)。日本が陸上トラック種目史上初めて表彰台に立った北京五輪から8年余り。その獲得したメダルの色が「銅」から「銀」に変わる公算が強くなってきた。国際オリンピック委員会は、北京五輪陸上男子400mリレーで金メダルを獲得したジャマイカチームのネスタ・カーターについて、ドーピング再検査で禁止薬物に陽性反応を示して失格となったため、金メダルを剥奪すると発表した。今回の処分が正式に決定すると、世界最速男ウサイン・ボルトが、北京からの三大会で獲得した9つの金メダルのうち1つが失われることとなる。
日本にとっては昨年のリオ五輪における4×100mリレーの快挙が、「史上初」ではなく2度目の記録になってしまう。北京の日本代表監督・高野進は「8年経ってからというのは気持ちをどうやって収めていいのか?もう純粋な気持ちは無くなっている」と、複雑な心中を語る。
今回違反が発覚したカーターは世界陸上でも数々の金メダルに輝いた、ジャマイカを代表するスプリンター。北京でのゴール後、歴史的快挙達成の歓喜に沸く日本選手陣は、歩み寄って祝福してきたカーターとトラック上で握手を交わした。この感動的な光景も一つのドーピングが色褪せさせてしまう。栄光を汚されるのは自国チームのみならず、ライバルの他国選手たちも同様だ。アンカーを務めた朝原宣治は「2020年東京五輪では不正を一切無くしてクリーンな大会にして欲しい」と苦言を呈す。今月18日には、東大ほか国内4大学が連携して「アンチ・ドーピング」研究を推進するための連携組織が設立された。巧妙化するドーピングに対し、厳正かつ即応的な技術の確立が求められる。
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8年ぶりの世界王者へ…“八人の侍“追加招集(1月26日)
「年を明けてから日に日に緊張感が高まっていますし、メンバーをどう使うかというところで頭が一杯です」野球日本代表・侍ジャパンを率いる小久保裕紀監督が、3月に開幕する第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)の追加メンバー8名を発表した。その内ピッチャーはタイガースの若きエース藤浪晋太郎、イーグルス抑えの切り札・松井裕樹、パ・リーグ防御率№1・マリーンズの石川歩など6選手だ。これで投手は13選手すべてが選出された。...
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「年を明けてから日に日に緊張感が高まっていますし、メンバーをどう使うかというところで頭が一杯です」野球日本代表・侍ジャパンを率いる小久保裕紀監督が、3月に開幕する第4回ワールドベースボールクラシック(WBC)の追加メンバー8名を発表した。その内ピッチャーはタイガースの若きエース藤浪晋太郎、イーグルス抑えの切り札・松井裕樹、パ・リーグ防御率№1・マリーンズの石川歩など6選手だ。これで投手は13選手すべてが選出された。
監督が頭を悩ますのはやはり投手起用だろう。一昨年のプレミアム12・準決勝では、韓国打線を完璧に封じていた大谷翔平を7回で降板させた後、後続がつかまり大逆転負けを喫した。球数制限のあるWBCならではの継投には難しい判断が迫られる場面も出るに違いない。今回の投手陣には「思った編成が出来た」と指揮官も胸を張る。セ・パ最多勝のカープ野村祐輔(16勝)とホークス・和田毅(15勝)の両名が入らなかったのは残念ではあるが、NPBの各チームを代表する多彩なエースが顔を揃えた陣容は頼もしい。この日の会見では二刀流・大谷翔平の投手中心での起用も明らかになった。
但し残念ながら日本人メジャーリーガーの剛腕投手たちは既に不参加を表明している。MLBからの選出は野手の青木宣親(アストロズ)のみ。噂されたイチローのサプライズ選出もなかった。監督自身も「長打はそれほど期待できない。最少失点で切り抜けないと勝てない」と分析する通り、世界に誇る守りの野球で世界一奪還を目指す侍ジャパン。如何なるベンチワークが展開されるのか注目される。
【お詫びと訂正】1月25日の記事で誤りがありました。お詫びの上訂正いたします。
(誤)第73代横綱(正)第72代横綱
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信じ続けた師匠の教え・稀勢の里、遂に横綱へ(1月25日)
今からちょうど一年前。大関・琴奨菊が日本出身力士十年ぶりの優勝を飾った初場所千秋楽。華やかな表彰式を尻目に稀勢の里は「言いたいことは山程あるが、胸にしまって頑張る。自分のやってきたことに間違いはないと信じてやり続けるしかない」と揺るがぬ決意を語っていた。
あれから一年。期待され続けてきたこの大関がその手に賜杯を収める日が来た。横綱・白鵬との千秋楽結びの一番にも勝利し、14勝1敗で堂々の幕内最高優勝。...
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今からちょうど一年前。大関・琴奨菊が日本出身力士十年ぶりの優勝を飾った初場所千秋楽。華やかな表彰式を尻目に稀勢の里は「言いたいことは山程あるが、胸にしまって頑張る。自分のやってきたことに間違いはないと信じてやり続けるしかない」と揺るがぬ決意を語っていた。
あれから一年。期待され続けてきたこの大関がその手に賜杯を収める日が来た。横綱・白鵬との千秋楽結びの一番にも勝利し、14勝1敗で堂々の幕内最高優勝。大関在位31場所目での初優勝は、昭和以降で最も遅い記録だった。翌日開催された横綱審議員会では、全会一致で稀勢の里を横綱に推挙することを決定。九州場所の優勝次点、初場所で横綱を破っての優勝ということで「二場所連続優勝に準ずる成績」という内規にも合致する。何より昨年の年間最多勝をはじめ、大関昇進後の成績は非常に安定しており、このタイミングの昇進はまず妥当と言えよう。過去には横綱昇進に非常に厳しい条件が付けられたこともある。あの貴乃花でさえ全勝優勝を達成しながら、昇進を見送られた例もあった。実は稀勢の里は大関昇進の際にも、厳密には昇進ラインの33勝には届いてはいなかった。だが、昇進後は大関陣のなかで傑出した好成績を残してきたのだ。“地位が人を創る”という言葉通り、今回も綱の重みが「心・技・体」を成長させてくれるのではないだろうか。
故・鳴門親方(横綱・隆の里)の厳しい指導で鍛えられてきた稀勢の里。他の部屋への出稽古を禁じた方針などには批判もあったが、愚直なまでに教えを守り続けてきた。それは“おしん横綱”の異名を誇る師匠譲りの忍耐と辛抱の相撲だった。師匠から「類い稀な勢いで駆け上がれ」との思いを受けた四股名の通り、この第72代横綱は“稀代”の名横綱になる予感がする。
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