安倍首相が米・イラン間仲介の労を取っている最中、日本企業が運行するタンカーが何者かに攻撃され、米・イラン間での罵り合いになってしまっている。そして今度は、イラン軍が米軍ドローンを撃墜し、それに至った原因・経緯につき、米・イランそれぞれの言い分の食い違いが生じていて、両国間の新たな火種になりつつある。
6月20日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「米軍、イラン軍が米軍ドローンに“言われもない攻撃”を仕掛けたと非難」
イラン国営メディア『IRNA』は6月20日、イスラム革命防衛隊(IRG、注後記)が同日早朝、米軍のドローンを撃墜したと報じた。
イラン側は、米軍ドローンがイラン領空を侵犯したため撃ち落としたと主張している。
しかし、米中央軍(中東及び中央アジアを管轄)は、撃墜されたのは無人偵察機RQ-4グローバルホークで、ホルムズ海峡で頻発しているタンカー攻撃事件を受けて、同海峡の公海上空を監視飛行させていたのに、“言われもない攻撃”を受けたと発表した。...
全部読む
6月20日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「米軍、イラン軍が米軍ドローンに“言われもない攻撃”を仕掛けたと非難」
イラン国営メディア『IRNA』は6月20日、イスラム革命防衛隊(IRG、注後記)が同日早朝、米軍のドローンを撃墜したと報じた。
イラン側は、米軍ドローンがイラン領空を侵犯したため撃ち落としたと主張している。
しかし、米中央軍(中東及び中央アジアを管轄)は、撃墜されたのは無人偵察機RQ-4グローバルホークで、ホルムズ海峡で頻発しているタンカー攻撃事件を受けて、同海峡の公海上空を監視飛行させていたのに、“言われもない攻撃”を受けたと発表した。
一方、米同盟国のサウジアラビアが6月20日、イエメンで活動しているイラン支持のシーア派武装組織フーシが前夜、同国の海水淡水化プラントにロケット弾を撃ち込んだと非難した。
6月中旬に発生した、日本企業運行のタンカーへの攻撃をめぐる米・イラン間の非難の応酬に続き、米軍ドローンの撃墜、更には、サウジアラビアでの非軍事施設への攻撃等、米・イラン間の緊張を益々高まらせる事態が頻発しており、一触即発の恐れが増している。
同日付英国『ロイター通信』:「米軍、イラン軍によって米軍ドローンが“言われもない攻撃”を受けたと発表」
米中央軍報道官のビル・アーバン海軍大尉は6月20日、米軍ドローンがイラン領空を飛行していたとのイラン側主張は虚偽であると表明した。
そして同報道官は、同ドローンがホルムズ海峡公海上空を飛行中に、イラン軍によって“言われもない攻撃”を受けて墜落したと強調した。
(注)IRG:1978年1月のイラン・イスラム革命後、旧帝政への忠誠心が未だ残っていると革命政権側から疑念を抱かれた正規軍であるイラン・イスラム共和国軍への平衡力として、アーヤトッラー・ホメイニー師の命令により、1979年5月に創設された。正規軍とは別に独自の陸海空軍、情報部、特殊部隊(ゴドス軍)、弾道ミサイル部隊等を有し、戦時には最大百万人単位で大量動員できる民兵部隊も管轄。更に、多数の系列企業を持っている(建設・不動産や石油事業を営む複合企業ハタム・アルアンビアなど)。
閉じる