米中貿易紛争解決のための両国首脳会談は、3月1日の期限を延長しても、未だ早期進展は望めそうもない。そこで、習近平(シー・チンピン)国家主席としては、別の最重要課題のひとつである“一帯一路経済圏構想(OBOR)”への参加国を少しでも多く勧誘しようと、欧州3ヵ国を歴訪することになった。
3月18日付米
『AP通信』:「習国家主席、3月21日より欧州3ヵ国を歴訪」
中国外交部(省に相当)は3月18日、習近平国家主席が3月21~26日の間、欧州3ヵ国、イタリア・フランス・モナコを歴訪すると発表した。
訪問目的のひとつは、習指導部が重要政策に位置付けているOBOR構想への参加国を募るためとみられる。
同構想は、陸上及び海上を結ぶ新たなシルクロード開拓を目標に掲げ、南太平洋~アジア~欧州及びアフリカにおける60ヵ国余りの国々に、港湾・鉄道その他のインフラを建設しようとする壮大なプロジェクトである。...
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3月18日付米
『AP通信』:「習国家主席、3月21日より欧州3ヵ国を歴訪」
中国外交部(省に相当)は3月18日、習近平国家主席が3月21~26日の間、欧州3ヵ国、イタリア・フランス・モナコを歴訪すると発表した。
訪問目的のひとつは、習指導部が重要政策に位置付けているOBOR構想への参加国を募るためとみられる。
同構想は、陸上及び海上を結ぶ新たなシルクロード開拓を目標に掲げ、南太平洋~アジア~欧州及びアフリカにおける60ヵ国余りの国々に、港湾・鉄道その他のインフラを建設しようとする壮大なプロジェクトである。
ただ、同構想提唱から4年余りが経ったところで、同構想参加国からは、過重な対中国債務を抱えるだけで、地元企業等にとって事業関与も雇用拡大も恩恵に与っていないとの不満の声が高まってきている。
この打開のための同国家主席の欧州訪問とみられる。
ただ、イタリアの内閣閣僚が当初、中国の推すOBOR構想への参加に言及していたが、グリエルモ・ピッチ国務相(外交担当)は今月初め、参加署名はすべきではないとツイートしている。
同日付中国『チャイナ・デイリィ』(『新華社通信』配信):「習国家主席、3月21~26日の間、イタリア・モナコ・フランスを訪問」
中国外交部の陸慷(リウ・カン)報道官は3月18日、習国家主席が3月21~26日の間、イタリア・モナコ・フランスを公式訪問することになったと発表した。
イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領、モナコのアルベールⅡ世大公、フランスのエマニュエル・マクロン大統領それぞれからの招待に応じるものであると付言した。
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