習近平(シー・チンピン)国家主席は就任以来、経済発展政策と同じかそれ以上の重点を置いて、反腐敗運動を推進してきた。中央・地方の幹部の腐敗摘発に、中央規律検査委員会を中心として当ってきた。同委員会の王岐山(ワン・チンシャン)委員長は、習主席の片腕として、2017年秋以降の習第2期政権にとっても必要な人物とみられている。その王委員長の腐敗疑惑を告発したのが、不動産王の郭文貴(クォ・ウェンクィ)氏であるが、習指導部は王委員長を守り、逆に郭氏を告発する動きに出た。同氏は当局に拘束される前に米国に逃れていたが、中国政府の米政府に対する“犯罪者引き渡し要求”が強まったことから、この程同氏は米政府に政治亡命を申請することになった。
9月7日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「中国政府のお尋ね者の重要人物が米政府に政治亡命申請」
中国の不動産王の郭文貴氏の代理人トーマス・ラグランド弁護士は9月7日、中国政府からの追及を逃れるため、米政府に政治亡命を申請したことを明らかにした。
中国政府高官は『AP通信』に対して今年8月、郭氏が賄賂・誘拐・詐欺・資金浄化・強姦等19の罪状容疑で告発されていると告げたが、郭氏はこれを全面的に否定している。...
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9月7日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「中国政府のお尋ね者の重要人物が米政府に政治亡命申請」
中国の不動産王の郭文貴氏の代理人トーマス・ラグランド弁護士は9月7日、中国政府からの追及を逃れるため、米政府に政治亡命を申請したことを明らかにした。
中国政府高官は『AP通信』に対して今年8月、郭氏が賄賂・誘拐・詐欺・資金浄化・強姦等19の罪状容疑で告発されていると告げたが、郭氏はこれを全面的に否定している。
郭氏はかつて、習指導部が推進する反腐敗運動に主体的に取り組んできた王岐山中央規律検査委員会委員長の腐敗疑惑を告発した。ラグランド弁護士によると、郭氏に対する告発はこれが背景にあるため、郭氏が中国に送還されると、当局によって郭氏が拘束され、一方的に裁かれる恐れがあるという。そこで、郭氏が米国に止まれるようトランプ政権に要請したとする。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『ロイター通信』配信):「中国を逃れた重要人物の郭氏が米政府に政治亡命を申請」
ラグランド弁護士によると、郭氏は観光ビザで米国に入国しているが、今年中に期限が切れてしまうため、中国に送還されないよう、9月6日に米政府に政治亡命を申請したとする。
郭氏は、習指導部からの圧力を恐れて2014年に中国を逃れた。そして今年になり、ツイッターやYouTubeで王委員長の腐敗疑惑を告発する等の反抗に出ていることから、もし中国に送還されると命の危険に曝される恐れがあるという。
なお、同弁護士によると、郭氏の亡命申請の審査には2、3年かかると思われることから、その間は米連邦法及び国際法に基づき、郭氏の安全が保証されるとする。
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