国際人権救護機構、アムネスティ・インターナショナル(ロンドン)の最新の報告書によると、アフリカ中部のコンゴ民主共和国のコバルト採掘で児童による労働が確認された。コンゴのコバルト生産は世界の半数以上のシェアを占める。コバルトはリチウムイオン電池の主な材料であり、このコバルトの最終顧客には、大手電子機器メーカー、アップル、サムソン、ソニー、マイクロソフトの他、自動車メーカーのダイムラーとフォルクスワーゲンも含まれている。これらの企業は児童労働を擁護しないとしながらも鉱物の産出状況を調べずにコバルトを購入している点が問題だとされる。各紙が以下のように報道している。
1月19日付英
『BBC』は、次のように報じた。
「・コンゴ民主共和国のコバルト生産で子ども達が危険な状況で働かされており、各顧客企業は児童労働を一切擁護しないと主張。
・アムネスティによると、コンゴは世界のコバルトの半分以上のシェア、鉱山での労働は長期間の健康被害、死亡事故の危険がある。
・2014年から2015年にかけて、当国南部の鉱山では少なくとも80人が死亡しており、又、児童労働が行われている旨の複数の証言がある。...
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1月19日付英
『BBC』は、次のように報じた。
「・コンゴ民主共和国のコバルト生産で子ども達が危険な状況で働かされており、各顧客企業は児童労働を一切擁護しないと主張。
・アムネスティによると、コンゴは世界のコバルトの半分以上のシェア、鉱山での労働は長期間の健康被害、死亡事故の危険がある。
・2014年から2015年にかけて、当国南部の鉱山では少なくとも80人が死亡しており、又、児童労働が行われている旨の複数の証言がある。
・14歳のある孤児は12歳から働いており、朝から翌朝までトンネル内で24時間過ごす。養母は通学させる予定だが養父が(労働させる目的で)それに反対していると述べたとしている。」
同日付米
『MacRumors』(マッキントッシュとアップルの情報サイト)は、「アップルのバッテリー下請けはコバルト生産で児童労働との最新報告」との見出しで、以下のように伝えた。
「・アムネスティの最新報告書によると、児童労働を行っているコンゴの鉱山で生産されているコバルトの顧客は、アップル、サムソン、ソニー、マイクロソフトの他、自動車メーカーのダイムラーとフォルクスワーゲンである。
・国連児童基金(UNICEF)によると、児童らは重い貨物を運ぶなどして鉱山で12時間過ごし、一日に1~2ドルを稼ぐ。2014年は約4万人の児童がコンゴの主にコバルト鉱山での労働に従事していた。
・アップルは2013年にも児童労働の実態が確認された中国の下請け会社との取引を解消している。
・当報告書によると、コンゴの仲介業者がコバルトを購入、中国の鉱工業・浙江華友コバルト株式会社に販売、同社でコバルトが加工された後、3か所のバッテリー製造業者に販売され、最終的に今回明らかにされた大企業に販売されていた。
・アムネスティはこのようなコバルトを購入していた16の企業に確認し、認否や事実確認中など様々な回答を得ている。」
同日付英
『ガーディアン』は、「若干7歳の子ども達がスマホに使用されるコバルトを採掘とアムネスティが報告」との見出しで、以下のように伝えた。
「・アフリカのNGOアフリウォッチとの共同調査でアムネスティは90人に聞き取り調査をしたところ、防護服を与えられず健康被害がみられたり、中には監督者に鞭打ちされたり無許可の警備員に罰金を科せられていた子どもがいる事が判明した。
・報告書によると、中国の鉱工業、浙江華友コバルト株式会社で加工されるコバルトの4割はコンゴ産である。」
1月18日米
『FOX8』は、「あなたの携帯は児童労働で動いている?」との見出しで、以下のように伝えた。
「・アップル社は労働と環境リスクに関して、コバルトを含む数十種類の原材料を調査中であると文書で述べている。
・マイクロソフト社は、当社のコバルトがコンゴの(多数の鉱山のある)カタンガ産か未確定としており、サムソン社も供給元を調査中とした。
・多くの企業が児童労働を一切擁護しないと主張するも、コバルト生産のサプライチェーンの詳細には触れていない点で、アムネスティは政府や民間業社に更なる努力が必要だとした。」
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