プーチン政権は、ウクライナ軍事侵攻に反対する全ての活動家らを徹底的に取り締まる恐怖政治を敷いている。そうした中、軍事侵攻当日にウクライナ支援団体に51ドル(約8千円)を寄付したロシア生まれの米国人女性が、ロシア当局に逮捕され、密室裁判にかけられていることが判明した。
6月21日付
『ジ・インディペンデント』紙は、ロシア系米国人のバレリーナが、ウクライナ支援団体に51ドル寄付したことを以て逮捕された挙句、密室裁判にかけられていると報じた。
ロシア系米国人のバレリーナがこの程、“反逆罪”容疑で逮捕された挙句、密室裁判にかけられていることが分かった。
クセニア・カレリーナ氏(33歳)で、彼女はロシア生れながら2021年に米国市民権を取得していた(すなわち、ロシアと米国の二重国籍保有)。...
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6月21日付
『ジ・インディペンデント』紙は、ロシア系米国人のバレリーナが、ウクライナ支援団体に51ドル寄付したことを以て逮捕された挙句、密室裁判にかけられていると報じた。
ロシア系米国人のバレリーナがこの程、“反逆罪”容疑で逮捕された挙句、密室裁判にかけられていることが分かった。
クセニア・カレリーナ氏(33歳)で、彼女はロシア生れながら2021年に米国市民権を取得していた(すなわち、ロシアと米国の二重国籍保有)。
彼女は2022年2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻をした当日に、ウクライナを支援する非営利法人「ラゾム・フォー・ウクライナ(RFU、注後記)」に51.8ドルを寄付していた。
ところが今年1月28日、ロシア在住の家族に会うために帰国したところ、ロシア連邦保安庁(FSS、1995年設立、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継組織)に逮捕されてしまった。
FSSは当時、彼女の逮捕理由を、“ウクライナ軍の戦術医療品、装備、破壊手段、弾薬の手配のための資金確保に積極的な役割を演じていたため”との声明を発表していた。
『ロイター通信』報道によると、彼女の密室裁判はロシア中部のエカテリンブルグで6月20日に開廷していて、最悪懲役12年の有罪判決が下る恐れがあるという。
ただ、同裁判所のウェブサイト上では、当該裁判が8月7日まで順延されたと記載されているが、理由等詳細は明らかにされていない。
彼女の恋人が米『CNNニュース』、『ロスアンゼルス・タイムズ』紙に語ったところによれば、“彼女は、ウクライナ戦争に何ら直接関わったことはない”という。
更に、旅行先のトルコ・イスタンブールから帰国する際、自分は米国に直帰したが、彼女はロシアの家族に会いに行くというので、“ロシアに帰るのは危険と感じていたが、彼女が何の心配もないと言ったので、そのまま行かせてしまった”とした上で、“今は(彼女を行かせてしまった)自分の頭を殴ってやりたい”と後悔しているという。
なお、彼女が寄付をしたNPO法人「RFU」は、彼女の逮捕の一報後すぐさま、“米政府が、ウラジーミル・プーチン大統領(71歳、2000年就任)に対して、彼女含めて不当に拘束されている人たちを即刻解放するよう強く働きかけ、また、謂れなきウクライナへの侵攻の責任を負わせるべく、引き続き全力を尽くして欲しい”との声明を発表している。
(注)RFU:2014年のロシアによるクリミア半島併合を非難して、ウクライナ同胞を支援するためにニューヨークで立ち上げられたNPO法人。ラゾムはウクライナ語で「共に」の意。
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