銃犯罪が頻発する米国で、またしても銃乱射事件が大学キャンパスで発生し、3人が犠牲、2人が重軽傷を負った。バイデン政権は今年6月、5月に立て続けに発生した銃乱射事件を契機に、21歳未満の銃の購入者に対する審査の厳格化等を盛り込んだ銃規制強化法を成立させた。しかし、今回の犯人は22歳の大学生で、同法の抑止力が全くはたらいていないことが明らかになっている。
11月14日付
『ロイター通信』は、「バージニア大アメフト選手3人が銃乱射事件の犠牲に」と題して、11月13日夜にバージニア大のアメリカンフットボール部の選手3人が、同大の元チームメイトによる銃乱射事件の犠牲になったと報じている。
バージニア大(1819年設立の州立大学)内で著名なアメリカンフットボール部の3選手が11月13日午後10時半過ぎ、銃乱射事件に巻き込まれて犠牲になった。
同大のチームの選手らの乗ったバスに、同大の学生で元チームメイトだった犯人が乱入して発砲したもので、犯人は11月14日に逮捕されている。...
全部読む
11月14日付
『ロイター通信』は、「バージニア大アメフト選手3人が銃乱射事件の犠牲に」と題して、11月13日夜にバージニア大のアメリカンフットボール部の選手3人が、同大の元チームメイトによる銃乱射事件の犠牲になったと報じている。
バージニア大(1819年設立の州立大学)内で著名なアメリカンフットボール部の3選手が11月13日午後10時半過ぎ、銃乱射事件に巻き込まれて犠牲になった。
同大のチームの選手らの乗ったバスに、同大の学生で元チームメイトだった犯人が乱入して発砲したもので、犯人は11月14日に逮捕されている。
同大警察の発表によると、犯人はクリストファー・ダーネル・ジョーンズ(22歳)で2018年に同部に選手登録されていたという。
ティム・ロンゴ同大警察署長(2019年就任)によると、同大学生課から今年9月、ジョーンズ容疑者が銃を保有して何かしでかす恐れがあるとの情報が同大脅威評価チームに申告があったという。
そこで、周辺の聞き込み等捜査を実施したが、同容疑者のルームメイトは同容疑者が銃を所有しているのを見たことがないと証言したり、その他(同容疑者が銃を保有している等の)目撃者も出て来なかったことから、捜査は打ち切られていた。
しかし、同署長は、今回の事件を起こすに当たって同容疑者が拳銃を保持していたと明かした。
ジェームズ・ライアン学長(56歳、2018年就任)は、犯人が逮捕されるまでの間、キャンパスを翌日の昼までの12時間封鎖しただけでなく、SNS上で、“このようなメッセージはどの大学幹部も発信したくないだろうが、誠に悲惨なことに当バージニア大で銃撃事件が発生し、犠牲者を出してしまった”と吐露している。
今回の発砲事件は、米大や高校で発生した最も直近の事件であり、これによってまた、米憲法修正第2条で定められた条文(人民が武器を保有し、また携帯する権利は侵されない)の是正の可否の議論が高まる可能性がある(編注;革新系の民主党は銃規制強化を主張し、保守系の共和党は反対の立場)。
なお、米国史上最悪となる大学キャンパス内での銃乱射事件は、同大のキャンパスがあるシャーロッツビルの150マイル(241キロメートル)南西にあるバージニア工科大(1872年設立の州立大学)で2007年に発生していて、犯人を含む33人が死亡し、23人が負傷している。
11月15日付『CNNニュース』は、「銃撃で学生選手など5人死傷、容疑者の学生逮捕」と詳報している。
今回の事件は、同大アメフト部の選手らが首都ワシントンへ試合観戦に出掛け、バスで11月13日夜半に戻った際に発生した。
犠牲になった3人の選手のうち2人はバス内で、また1人も搬送先の病院で死亡した。
同大は事件発生後から約12時間封鎖され、500人余りがキャンパス内の建物や図書館・教室などに身を潜めて、危険が去るのを待った。
『CNN』の調査によると、今年になって米国の学校や大学キャンパス内で発生した銃撃事件は少なくとも68件に上っている。
また、米国内で発生した銃撃事件で、4人以上が犠牲になった事件は600件近くになる。
閉じる