中国・北京で初めて大気汚染”赤色警報”発令(2015/12/10)
北京市当局は7日、深刻な大気汚染が続くと予想されるときに発令する警報のうち、最高レベルの「赤色警報」を発令した。北京市で赤色警報の発令は初めてであり、8日から10日までの3日間、小中学校の学級閉鎖や工場操業停止、交通規制の強化などの緊急対策措置が実施される。中国の大気汚染は改善されているとの報道もあるが、依然として深刻なレベルであり、中国政府はCO2排出量の削減に取り組むとともに、最新の技術による大気汚染予報・規制発令システムを導入するなどの対策を講じている。
12月8日付
『CBSニュース』は、中国の北京で初めて最高レベルの大気汚染警報が発令されたと報じた。北京で発生するスモッグはおなじみの光景であるが、今回北京市当局は“赤色警報”を発令し、学級閉鎖や工場での操業中止、半数の自動車の運転停止を命じた。
今年の北京の大気汚染は昨年より改善されているが、先週、中国首脳はパリで開催中の気候変動会議に出席し、その席で大気汚染警報を出さないことに対し各国から批判されていた。...
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12月8日付
『CBSニュース』は、中国の北京で初めて最高レベルの大気汚染警報が発令されたと報じた。北京で発生するスモッグはおなじみの光景であるが、今回北京市当局は“赤色警報”を発令し、学級閉鎖や工場での操業中止、半数の自動車の運転停止を命じた。
今年の北京の大気汚染は昨年より改善されているが、先週、中国首脳はパリで開催中の気候変動会議に出席し、その席で大気汚染警報を出さないことに対し各国から批判されていた。学校や工場は10日まで閉鎖される予定であると報じている。
12月9日付
『FOXニュース』は、赤色警報発令2日目も北京の空は濃いスモッグに覆われていると報じている。
偶数番号の自動車は運転禁止、学校、建設現場などは閉鎖されたままであり、通りは普段より人影が少なく、多くは顔に防塵用のマスクをしている。運転制限に反発するものが多く、昨日は3690台が違反した。また、数多くの学校が閉鎖命令を無視して授業をおこなっている。9日水曜日の北京中心部の大気汚染レベルは、大気質指標で250~300であり、規制による効果が表れている。大気汚染警報は、大気質指標が3日連続で300を超えるという予想に基づき発令された。
この指標はPM2.5と呼ばれる大気中の有害な微粒子の量と相関しており、市内では現在200~250μg/1立方mの値で、世界保健機構(WHO)が定めた安全基準の8~10倍に相当する。このため、2年前から運用を開始した警報システムに基づき、北京市初の赤色警報とその対策として諸規制が発令された。中国は、12月初旬にPM2.5の値がWHO安全基準の40倍に達した時に、非常警報を出さなかったことに各国から批判されていた。
世界最大のCO2排出国である中国は、今後5年間で石炭燃料発電所からの有害ガス排出を半分に減らすよう計画しており、合計排出量も2030年頃を境に減少していくと発表している。
12月9日付
『YAHOOニュース』は、「AP」電として、北京市当局は、スモッグ発生を予報するために最新の技術を導入していると報じる。このシステムを開発したIBMリサーチ・チャイナのMeng Zhang主任気象予報士によると、この予報システムは、大気中の汚染物質が留まる天候パターンだけでなく、CO2の排出状況、自動車の排気ガスの流れなどを計算に入れる。また、大気監視システム、気象衛星画像、ソーシャルメディアで開示される情報などのリアルタイムデータを取り込んで使用する。そして、大気汚染物質の流れや分散に与える気象の影響、大気中での汚染粒子が起こす化学反応などをモデル化し、予測する。その結果、72時間の高精度な大気汚染予報と10日間の概況予報をおこなうのである。北京のスモッグ注意報は、大気汚染レベルを4段階に分け、北京市全体に対してそれに応じた規制を発動する。
このシステムは更に精度を高めることができ、最適に効果を得るためにはどの工場を操業停止にすべきかなど、当局がピンポイントで規制を実施することが可能になる。北京と2022年冬季オリンピックを共催する河北省の張家口などの都市でも、このシステムが今後導入される予定であると報じている。
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コロンビア沖の海底で財宝を積んだサンホセ号発見(2015/12/07)
コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領は、5日、カリブ海で約300年前に巨額の金貨や財宝を積んだまま沈没したスペイン海軍のガレオン船、サンホセ号が発見されたと発表した。同大統領は、「人類史上、最も価値ある発見」であると述べている。サンホセ号は世界中で注目を集めている沈没船の一つであり、過去数十年にわたりその沈没場所の探索がおこなわれてきた。
コロンビア政府と米国のサルベージ会社の間には、サンホセ号発見の権利を巡る訴訟が起きているほか、スペイン政府も所有権を主張している。莫大な財宝を積んだサンホセ号の引揚げとその帰属について、海外メディアが注目している。
12月5日付
『FOXニュース』によると、コロンビアのサントス大統領は、300年以上前に莫大な財宝を積んだまま南米沖で沈没したスペインのガレオン船サンホセ号を発見したと発表した。サンホセ号は、カルタヘナ市の南にあるバル半島沖のどこかに沈没したとされていたが、同大統領は同市でおこなった記者会見で、沈没した正確な場所やどのようにして発見したかについては、国家機密であると述べている。サンホセ号は1708年6月8日、英国戦艦の攻撃から逃れる途中で600人の乗組員と共に海中に沈んだ。...
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12月5日付
『FOXニュース』によると、コロンビアのサントス大統領は、300年以上前に莫大な財宝を積んだまま南米沖で沈没したスペインのガレオン船サンホセ号を発見したと発表した。サンホセ号は、カルタヘナ市の南にあるバル半島沖のどこかに沈没したとされていたが、同大統領は同市でおこなった記者会見で、沈没した正確な場所やどのようにして発見したかについては、国家機密であると述べている。サンホセ号は1708年6月8日、英国戦艦の攻撃から逃れる途中で600人の乗組員と共に海中に沈んだ。この船にはスペインの植民地で得た約1千百万個の金貨と宝石が積まれており、回収されれば数十億ドルの価値があるとされる。サントス大統領が歴史的発見と呼ぶ沈没船の引揚げには、あと数年かかる見込みである。
12月5日付
『ボイス・オブ・アメリカ』は、海底に眠るサンホセ号の財宝の所有権が誰にあるかを巡って米国、コロンビア、スペインの3国が裁判で争っていると報じている。
それによると、1982年に、シーサーチ・アメリカという米国のサルベージ会社が、サンホセ号の沈没場所を発見したと発表した。その2年後、コロンビア政府が難破船の発見者はその50%の権利を持つという確立した海洋法の原則を無視し、同社に5%の“発見料”を支払うと決定したことから訴訟となった。2011年、米国連邦裁判所はシーサーチ・アメリカ社の申立てを棄却した。しかし、最高裁判所は、裁判は沈没船が引き揚げられた後でおこなうとの裁定を下した。サントス大統領は発表の中で裁判については言及していないが、コロンビア政府は、最新の海面下探査技術を用いて従来言われたのとは違う場所で沈没船を発見したと述べている。
シーサーチ社のコロンビア代表であるダニーロ・デービス氏は、沈没した財宝が最終的に回収されることについて楽観的な見方を示している。同氏はその一方で、沈没場所はシーサーチ社が30年前に当局に提出した場所と違うとの主張に対しては怒りを露わに、「コロンビア政府が見付けたかもしれないが、1882年に我々が言ったことが再確認されたに過ぎない」と語った。
11月5日付
『YAHOOニュース』は、サンホセ号の発見について、300年のミステリーがついに解明されたと報じている。コロンビア人と外国人研究者チームは、1985年にタイタニック号を発見したベテランの参加を得て、307年前のカリブ海の風や海流の動きを研究し、スペインやコロンビアの文献を徹底的に調査した。その結果、サントス大統領は、専門家が11月27日にこれまで探索しなかった場所でサンホセ号を発見したと発表した。これまでの海底探索で少なくとも5隻の難破船が発見されているが、大砲に特徴のあるイルカの刻印があることが決め手となりサンホセ号であることが確認されたとしている。
難破船の大きさや形は紛れもなくサンホセ号と一致しているとコロンビア歴史人類学研究所長は語る。コロンビアのカリブ海沿岸には1000隻もの難波船が沈んでいると思われるが、そのうち6~10隻が財宝を積んだ大型船であると専門家は話している。
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