今週発表されたロイター・イプソス世論調査によると、過半数が先週ミネソタ州で起きた白人警官による黒人暴行死事件への全国的抗議デモに共感すると答えている。コロナで経済が停滞したところにデモが起きたことで、国内では危機意識が高まっている。また、今回の事件とデモ対応の結果によっては、黒人層を中心にトランプ大統領への支持が揺らぐ可能性がある。
6月3日付
『ロイター通信』は「ほとんどの国民が抗議デモに共感、トランプの対応を不支持:ロイター・イプソス世論調査」との見出しで以下のように報道している。
火曜発表されたロイター・イプソス世論調査によると、大多数の国民が武器を持たない黒人男性が警官により死亡したことを発端とする全国的デモに共感すると答えている。また過半数が、トランプ大統領のデモへの対応を不支持としている。
月、火曜に行われた調査では、成人男性の64%がデモ隊に共感すると回答、一方27%がそうではない、9%が分からないと回答。...
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6月3日付
『ロイター通信』は「ほとんどの国民が抗議デモに共感、トランプの対応を不支持:ロイター・イプソス世論調査」との見出しで以下のように報道している。
火曜発表されたロイター・イプソス世論調査によると、大多数の国民が武器を持たない黒人男性が警官により死亡したことを発端とする全国的デモに共感すると答えている。また過半数が、トランプ大統領のデモへの対応を不支持としている。
月、火曜に行われた調査では、成人男性の64%がデモ隊に共感すると回答、一方27%がそうではない、9%が分からないと回答。
トランプ大統領のデモへの対応を不支持としたのは、55%以上(そのうち40%は全く支持しないと回答)、一方僅か3分の1以下が支持すると回答し、トランプの全体支持率39%よりも低い結果となった。
別の調査では、バイデン元副大統領のリードが10ポイントと、4月にバイデンが党の暫定公認候補となって以来最大の差となった。
調査は、デモに対し暴動鎮圧に軍を動員すると脅し強硬姿勢を取ったトランプ大統領の政治的リスクを強く表している。コロナで経済が停滞したところにデモが起きたことで、国内での危機意識の高まりがみられ、デモが継続することで、世論も不安定になる可能性がある。
日中の多くのデモは平和的なのに対し、夜には警察とデモ隊が衝突するなど激しさも垣間見られる。
共和党員、民主党員ともに、多くが平和的デモを支持するが、建物の破壊はデモの主旨に背くものとし、4分の1以下が、暴力が適切な対応だと回答している。
農村部や郊外もデモと無関係ではなく、やや過半数と多くの人がデモ隊に共感を示している。警察の対応では世論は二分。43%が警察の対応を評価したのに対し、47%が反対。民主党員の過半数が反対で、共和党の過半数は評価するとの結果となった。
6月2日付米国『U.S. News & World Report』は「国民のほぼ半数がトランプのデモ対応を不支持」との見出しで以下のように報道している。
火曜発表のロイター・イプソス調査によると、49%がミネアポリスで起きたデモへの大統領の対応を不支持とし、32%が支持すると回答している。バイデンの対応を支持したのは僅か33%のみ。一方42%はバイデンの対応が見えないとし、25%は不支持と回答。
月曜発表された「Morning Consult」 による別の調査では、登録有権者の45%がトランプの成果を評価しないとし、32%は評価する、約11%はデモに対しそこそこの対応だと回答した。
両機関の調査は、月曜夜、数千人の軍動員するとして、デモへの対応が強化される前に行われた結果である。
また、黒人はより大統領に厳しい見方を示している。「Morning Consult」によると、約69%がトランプの対応を不評とし、評価するとしたのはわずか14%だった。また、この黒人死亡事件やデモの大統領選挙への影響に関しては、45%が今回のデモの影響でバイデンに投票するつもりだとし、31%がトランプに投票するつもりだと回答している。(18%は影響されないと回答。)全体では、黒人の70%が今回の事件とデモの結果によりバイデンに投票するだろうと回答。トランプに投票する人はわずか6%となった。
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3月30日の
『Reuters』はトランプ米大統領の1兆ドルインフラ投資計画の現在の状況について以下の通り報じている。チャオ米運輸長官はトランプ米政権が2017年後半に1兆ドル規模のインフラ計画を発表すると述べた。連邦政府の資金をいくら拠出するのか等のプロジェクト資金の詳細は明らかにしていない。このインフラ計画には輸送インフラ以外にもエネルギー、水、ブロードバンド、退役軍人の病院などの戦略的で目標を絞った計画も含まれ、今後10年間で1兆ドルの投資計画を迅速に実行する。政府は単に資金を調達するのではなく、官民協力に対しインセンティブを提供する計画だ。このチャオ米運輸長官のコメントは、トランプ米政権がこれまで発表した米国の道路、橋、空港、電力系統、水道システムを近代化する計画の中で最も詳細な説明だ。
投資家は今年中にこのインフラ計画が議会の承認を得ることに懐疑的になっており、米大統領選挙後に上昇し3月1日に過去最高値を記録したダウ・ジョーンズ運輸株平均株価は、3月は4.3%下落している。一部の投資家はトランプ米大統領の経済成長促進政策がすぐに実施されるのか疑問視している。
トランプ米政権は3月上旬、2018年度の運輸省の裁量予算を13%削減し162億ドルを提案した。この中で、地方空港への商用航空サービスを支援するプログラムやアムトラックの長距離列車運営への補助金を終了して年間1億7500万ドルの予算を削減し、またオバマ政権時代の高速鉄都市内鉄道や高速道路建設、バス乗り継ぎシステムなど、さまざまな交通プロジェクトに資金を提供する助成予算を廃止し、4億9900万ドルを削減している。
一方、3月30日の
『U.S. News & World Report』はこの件に関し以下の通り報じている。医療保険改革に失敗後、税制改革の提案と同時にインフラ投資計画も発表するという噂が浮上するなど、トランプ米政権の税制改革やインフラ投資計画のタイミングが注目を集めていた。ムニューチン米財務長官は8月の議会の夏休み前に税制改革を発表しようと希望していたが、今回のチャオ米運輸長官のコメントでインフラ投資計画の具体的な発表予定が明らかになった。
また資金計画についてトランプ米大統領は当初、税額控除によって大きな民間投資を呼びかけていたが、アナリストは計画の実行可能性に懐疑的だった。大統領は2月の米議会の合同会議の演説でインフラ投資計画に資金を供給するために公的資金と民間資本の両方を、と呼びかけていた。チャオ米運輸長官は過去に、トランプ米政権が民間資金と公的資金の両方を検討する必要があるとし、2月の全米知事協会の演説でインフラ整備のための資金確保は 大きな問題だと述べている。
また3月30日の
『TIME』は、3月上旬に16の連邦機関のトップが、ホワイトハウスでトランプ米大統領の1兆ドル規模のインフラ投資計画の会議を行ったことを報じている。トランプ米大統領が議会への最初の演説で述べた国家再建の新しい計画を立てるのが目標だ。米国家経済会議の委員長でありゴールドマン・サックスの元社長であったゲイリー・コーンが率いるこの会議では橋、鉄道、下水道を活性化させる6つの戦略を策定し、新しいインフラ計画が募集され、既存の計画の迅速な実行が図られ、新しい資金調達の流れが検討された。トランプ米政権の高官はこの10年間のインフラ計画を2年間で実行すれば、それだけで数兆ドルの経済活動が生まれるだろうと述べている。
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