オリンピックが閉幕し来週パラリンピック開幕を控えているブラジルでは、昨年より労働党左派ジルマ・ルセフ大統領が国家会計の操作で弾劾裁判にかけられていたが、今月上院で行われた弾劾裁判の採決で規定の3分の2以上の賛成多数(81議員中、有罪61票、無罪20票)で有罪判決が下され大統領を罷免されることとなった。2年後の任期完了までは、現在暫定政権を引き継いでいる中道右派のテメル副大統領が新大統領となる。ルセフ氏は国家会計の状況を良好に見せて国営銀行等に肩代わりさせたとされていた。テメル新大統領は税制や社会保障の改革を進める意向だが、経済の回復は期待されるものの政府内対立でブラジル改革には懐疑的見方もある。左翼政党が政権を握るベネズエラなどの周辺国ではルセフ氏罷免を受けて、ブラジルから大使を召還するなどブラジル政府を批判している。
8月31日付ブラジル
『ザ・リオタイムズ』は「アナリストはルセフ弾劾によるブラジル改革に疑問」との見出しで以下のように報道している。
・テメルが国を変革し政治経済が好転するというアナリストもいるが、それに疑問を呈する者もいる。
・カヴァルカンティ上院議員は議会廊下で課題は左派の改革である、テメル政権は経済への信頼を取り戻せるという。
・モレイラフランコ元リオ知事は弾劾でテメル大統領は改革すべき懸案を改革できる、取り急ぎ年次歳出を回復する政策を打ち出せるだろうという。...
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8月31日付ブラジル
『ザ・リオタイムズ』は「アナリストはルセフ弾劾によるブラジル改革に疑問」との見出しで以下のように報道している。
・テメルが国を変革し政治経済が好転するというアナリストもいるが、それに疑問を呈する者もいる。
・カヴァルカンティ上院議員は議会廊下で課題は左派の改革である、テメル政権は経済への信頼を取り戻せるという。
・モレイラフランコ元リオ知事は弾劾でテメル大統領は改革すべき懸案を改革できる、取り急ぎ年次歳出を回復する政策を打ち出せるだろうという。
・しかし、弾劾と新政権はブラジルの大きな政治経済問題への抜本的解決策とはならない。弾劾が済めば中休みとはなるが、政府は又もとの対立構造に戻るだろう。
同日付英
『ザ・ガーディアン』は「ジルマ・ルセフがブラジル上院で弾劾」との見出しで以下のように報道している。
・ルセフ氏は13年の労働党政権に幕、腐敗にまみれた上院で厳しい弾劾の末失職する結果となった。2年4か月の残任期間は中道右派のテメル氏が新大統領となる。
・ルセフ氏は2010年初当選、選挙で負け知らずのルセフ氏は弾劾採決後支持者の前でこれを議会のクーデターだとし、弾劾への反発と弾劾で露呈した保守的政策への挑戦を誓った。「退けたと思っているだろうがそれは間違え。皆で戦おう」、「さようならではなく、また会いましょうというべき」だと枯れた声で涙目で感情的に述べた。
・今年5月の暫定政権発足時、テメル氏は男性、白人のみを入閣させ大きく批判を浴びた。就任演説では、ブラジルを再び軌道に乗せ新時代を築くと演説。ブラジルは団結し低迷する経済を回復し外国資本に政治の安定を保障するとした。G20サミットでの中国訪問では安定回復をアピールしたいとした。
同日付英
『IBT』は「歴史的なルセフ弾劾によりミシェル・テメルがブラジル大統領に就任」との見出しで次のように報道している。
・2010年のルセフ大統領就任後、急速に経済が衰退し支持率が低下、2014年に2期目就任。
・隣国ベネズエラでは、ルセフ氏罷免を受けて、ブラジル大使を本国に召還させ国交断絶するという上院の決定に左派政権が猛反発している。
8月31日付キューバ
『Prensa Latina』は「キューバ:ジルマルセフ罷免にブラジル市民が激怒」との見出しで以下のように報道している。
・水曜キューバ政府はハバナで公表された声明で、不正や犯罪の証拠もないのにブラジルのルセフ大統領罷免することにブラジル市民は怒りっているとし、2014年のブラジル市民が選んだ新大統領への「議会のクーデター」であるとした。
・キューバは労働党のルセフ氏とルーラ・ダ・シルバ元大統領への信頼を語る。両者政権下の経済社会政策によりブラジルは急速に発展した。又両者は3500万人の貧困を減らし、4000万人の収入を上げた。また、教育や衛生環境の向上に貢献した。当政権下では、平和、発展、貧困対策の環境や組織に関する重要な議論に参加し、ブラジルはアフリカなどの途上国への協力、ロシア、インド、中国、南アなどのBRICS加盟国にも協力的。キューバはブラジル市民がこのようなリーダーを擁護し新自由主義政策に反対するよう願う。
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