今月米テキサス州エルパソで起きた銃乱射事件の前に、容疑者が投稿したとみられる犯行声明が見つかったインターネット掲示板について、運営サイトがサービスを停止した。掲示板は他のサイトに移動するなど、過激思想や憎悪犯罪への懸念が広がっている。
8月6日付英国
『ガーディアン』は「8チャン:発砲事件との関連が表面化した極右サイトが再度停止へ」との見出しで以下のように報道している。
白人至上主義者による憎悪犯罪の容疑者がメッセージを投稿していたことを受け、インターネット会社クラウドフレアが、極右掲示板「8chan」を閉鎖、その数時間後には別のプロバイダーサイトに移転していたという。
5日朝、自由を尊重する被差別プロバイダーと称する「Epik.com」でのサービスを開始。...
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8月6日付英国
『ガーディアン』は「8チャン:発砲事件との関連が表面化した極右サイトが再度停止へ」との見出しで以下のように報道している。
白人至上主義者による憎悪犯罪の容疑者がメッセージを投稿していたことを受け、インターネット会社クラウドフレアが、極右掲示板「8chan」を閉鎖、その数時間後には別のプロバイダーサイトに移転していたという。
5日朝、自由を尊重する被差別プロバイダーと称する「Epik.com」でのサービスを開始。
今年EpikはBitMitigate(2017年クラウドフレアからDaily Stormer(ネオナチ主義サイト)が移転)を買収している。シアトルを本拠地としデジタル統治とthe Swiss Bank of Domainsを謳う Epikは、昨年10月ピッツバークで発生したイスラム寺院銃撃事件の犯人が使っていた言論の自由を謳うSNSサイトGab.com(事件を受けGoDaddyが停止した)も抱えている。
8chanはしっかり対処しサービスの復帰に努めるとしている。Facebookの元安全部長は、8chanはすぐに乗り換えに成功したが、すぐに主流ネットワークから淘汰されるという。閉鎖前に抱え込もうするサイトに常に注目が集まる。長期的には、誰も受け入れないコンテンツを受け入れ大金を課す多くのサイトがロシアにある。8chanはまだ影響力も小さいという。
今回のような危険サイト閉鎖を求める社会からの圧力から、ネット投稿がヘイトスピーチや人権侵害を増長させる危険があるとの認識が徐々に高まっていることがうかがえる。1年前、クラウドフレアの活動はあまり認知されてはいなかったが、今は違う。矢面に上がるほど、その圧力は高まるだろう。
一方で、言論の自由提唱者からは、このような投稿排除が、別のサイトの検閲に繋がるとの懸念を示す。サイトを排除できても、ヘイトスピーチ自体は存在し続けるだろう。ネット業者は、ネットからアクセス停止する対象を慎重に選別しなければならない。
また、表面上で制限しても闇に追いやるだけで、8chanのフォロワーからは、アクセスに特別なブラウザーが必要な闇サイトへの移動がささやかれていたという。闇サイトへ移行すると、普通の人からのアクセスは減るが、危険な言動の拡散の危険は増すのである。
同日付『AP通信』は「銃乱射事件後、ネットプロバイダーが8チャンを停止」との見出しで以下のように報道している。
大量銃殺事件の犯人が関係したネット掲示板8chanに対し、2社より停止措置が取られた。8chan は匿名ヘイトスピーチと憎悪犯罪へ関係したことで知られており、日曜テキサス州エルパソで22人が死亡した銃乱射事件の容疑者も人種差別「マニフェスト」を投稿していたと見られている。
セキュリティ会社クラウドフレアが憎悪の巣窟となっていた暴力過激派による掲示板の停止を発表したが、8chanはすぐに新たなネット上のサイト、スイス銀行ドメインを主張するEpik.comに移動したという。
イギリス本社のプロバイダーVoxilityが、 投稿していた容疑者との過去2,3件の銃乱射事件との関連が認められたことで、Epikとその傘下のBitMitigateとの契約を解除した。どこかの時点で誰かが違法性と言論の自由との線引きをする必要があり、これが今日の同社の決断に至ったとしている。
大手サイトが、ヘイトスピーチ、暴力や嫌がらせ誘発の抑制に動く中で、過激発言は、より小さな、若者が良く見る掲示板ウェブサイトに移行しており、クラウドフレアやBitMitigateのサービスは8chanのような過激発言のはけ口として、サイトに敵対するハクティビストを遠ざける目的で必要。
掲示板を排除しようというのではなく、主流メディアに上がらないよう、マニフェストの拡散と影響を抑えようとしている。ヘイトスピーチや犯罪鼓舞を規制する法整備が整っていないため、各地方当局やネットプロバイダーが、このフォーラムを取り締まらなくてはならなくなった。
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事実上死刑を廃止(10年以上死刑判決を行っていない)していたモロッコでは、観光客を狙ったイスラム国信者による凶悪テロ事件を受け、1993年以来初めて死刑判決が行われたという。
7月19日付
『Yahooニュース』(AP通信引用)は「モロッコ:北欧の女性殺害で3人を死刑判決」との見出しで以下のように報道している。
モロッコの裁判所は北欧からアトラス山に旅行に来ていた2人の女性(28歳のノルウェー人女性とデンマーク人の24歳の女性が刺殺された)を残忍に殺害したテロ犯の男性3人に死刑判決を下した。現場から逃げた4人目の容疑者は終身刑となった。審議は数時間に及び、法廷は19人の容疑者へ5年から30年を言い渡した。...
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7月19日付
『Yahooニュース』(AP通信引用)は「モロッコ:北欧の女性殺害で3人を死刑判決」との見出しで以下のように報道している。
モロッコの裁判所は北欧からアトラス山に旅行に来ていた2人の女性(28歳のノルウェー人女性とデンマーク人の24歳の女性が刺殺された)を残忍に殺害したテロ犯の男性3人に死刑判決を下した。現場から逃げた4人目の容疑者は終身刑となった。審議は数時間に及び、法廷は19人の容疑者へ5年から30年を言い渡した。殺害の様子は動画に撮影されネット上に投稿されていた。
イスラム国への忠誠を示していた23人の男たちは判決前、寛大な措置を求めていたという。大工や行商人の主犯格の男は、アッラーの神に許しを求めていた。6月の最終弁論では、検事は主犯格3人を鬼畜人間だと表現し、死刑判決を求めた。遺族の弁護士は判決に100%満足しているとしている。
モロッコは死刑判決が殆どない国で、前回は1993年カサブランカの警察本部長が、数百人への強姦や虐待を行い死刑を言い渡されていた。
7月18日付英国『ガーディアン』は「モロッコで観光客の頭部を切断したジハーディストに死刑判決」との見出しで以下のように報道している。
昨年12月モロッコで起きた殺害事件で、3人の男に死刑判決が言い渡された。2人の被害者はデンマーク出身のルイーザ・ベスタージャー・イェスペルセンさんとノルウェー出身のマーレン・ウエランドさん。イスラム国を崇拝する信者グループによる犯行だった。
モロッコでは1993年以降死刑執行が行われていないが、検察側は11週の公判で死刑を求刑していた。先週の法廷では「最も妥当なのはこれら鬼畜らの死刑です」とするイェスペルセンさんの母親の手紙が読み上げられた。寝袋のまま切りつけられた女性達の遺体は2人が訪れた観光地インミルで散歩をしていたフランス人により発見された。殺害の一部始終が撮影された動画がネットに投稿され、イスラム国支援者や極右、白人国粋主義者ネットワークで拡散されていたという。
この事件により観光収入が10%、年間数百万人が観光に訪れ、テロ攻撃も多くないモロッコでは衝撃が走った。
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