「サイエンス」に掲載された“落とした財布の返却率”に関する調査によると、お金が入っている財布の方が持ち主へ返される確率が高く、金額が多い方がその割合も高くなる傾向がみられたという。
6月21日付
『Yahoo』(AFP通信引用) は「世界共通、入っているお金が多いほど財布が戻ってくる」との見出しで以下のように報道している。
財布を拾った人が財布を返すかどうかに財布の中身は影響するのか?古典経済論では、誘惑が大きいと正直さが薄らぐというが、20日雑誌「サイエンス」に掲載、40か国355都市で行われた経済と心理学を総合した新たな調査では、利他主義や自分が泥棒だと思うのを避ける気持ちが、お金による利得を上回るという。...
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6月21日付
『Yahoo』(AFP通信引用) は「世界共通、入っているお金が多いほど財布が戻ってくる」との見出しで以下のように報道している。
財布を拾った人が財布を返すかどうかに財布の中身は影響するのか?古典経済論では、誘惑が大きいと正直さが薄らぐというが、20日雑誌「サイエンス」に掲載、40か国355都市で行われた経済と心理学を総合した新たな調査では、利他主義や自分が泥棒だと思うのを避ける気持ちが、お金による利得を上回るという。
ミシガン大学、チューリッヒ大学、ユタ大学が行ったこの調査では、国によって違いがみられ、正直に返却する割合では、スイスとノルウェーがトップ、ペルー、モロッコ、中国が最下位となった。国により市民の正直さに違いがあったものの、共通しているのは、お金が入っていない財布より、お金が入っている財布の方が戻ってくる率が高かったことである。世界平均で40%だが、お金があるケースだと51%だった。これは拾った人の、他者の生活を心配し、泥棒と見られるのを避けたい気持ちによるものだという。
約300人のエコノミストにこの結果を予測できたか聞いたところ予測できたのは29%だった。専門家でも金銭的インセンティブを重要視し、心理的な効果は予見できなったという。
調査内容は調査支援員が1.7万個の同じ財布を銀行、映画館、郵便局、ホテル、裁判所などでカウンターに置き、係員などに「財布を拾ったが、急いでいるためもう行かなくては」などと言って立ち去る。各財布には地元住人が落としたと思わせるような買い物リスト、鍵、現地語で名前や連絡先が書かれた偽の名刺数枚が入れられた。お金が入っていないものと、お金(国ごとの価値にあわせ13~45ドル相当)が入っている財布が使われた。米国、英国、ポーランドでは、94ドル入りの財布も使用したところ、少額の場合に比べ平均で11%返却率が上がったという。また、鍵を入れた場合も返却率が9.2%上がった。
鍵は持ち主にとり大事なものだが、拾った人に価値はない。この返却率上昇は自分のイメージダウンへの不安と共に、利他主義傾向があるものと結論づけられた。
スイス、ノルウェーでは持ち主とコンタクトを取ろうとした人は70%を超えた。逆の傾向にあったのが中国で、戻ってきた財布は10%未満、お金が入っている場合はその2倍だった。
国の富裕や貧困レベルによる相違だけでは、これを説明できない。教育や政治制度による影響もあるとみられる。
全体として民主的で国民が決定プロセスに参加していると感じる国ほど、正直に返却する傾向がみられた。また、仲間意識の国より、モラル基準をより重視する文化価値感のある国のほうが返却率が高い傾向がみられ、イタリアなど家族の結束が伝統的に強い国が強い国ほど北ヨーロッパの個人主義国に比べ低い返却率だったといえる。
6月20日付『AP通信』は「財布を無くしたら?現金が多いほど戻ってくる」との見出しで以下のように報道している。
新たな調査によると、お金が入っている財布の方が持ち主への返却率が高く、金額が多い方がその割合も高くなる傾向がみられたという。
355か国で7万個の財布を無くして行われた実験では、現金が入っていない財布に比べ、現金(13ドル相当)が入っていると51%返却率が上昇。この傾向はほぼ全ての国でみられたという。
チューリッヒ大学の著者の一人は、「財布にお金が入っていると、急に盗んでいるような気持になる。その金額が大きければ大きいほど、そう感じるのだ」としている。この理論はアメリカとイギリスが行った調査にも現れているという。
実験で使われた財布は透明な名刺ケースで、開けなくても中の現金が見えるタイプのものが使用された。返却率は国により相違があり、現金の有無による違いが40か国中メキシコとペルー以外の38か国で効果がみられた。
国別では、スイスで現金が無い場合74%、ある場合79%、中国で7%と22%、米国は39%と57%だった。人は正直であるのと同様に、他者を考慮していること分かったのだが、財布を渡される人が係員ではなく、普通の人での実験だったら結果は違うのではとの意見もあった。
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『WSB-TV』、
『WHEC-TV』(ともに米国)などが報じた。
歴史上2番目に致命的な今回のエボラ出血熱流行で初めての越境事案を受け、世界保健機関専門委員会は金曜日、国際的な緊急事態宣言を発するかについて討議した。このような宣言はほとんど常に、注意と資金の援助を喚起する。
ウガンダ保健省のエマニュエル・アイネビュウナ報道官は50歳の女性の急な死亡を確認した。この女性の5歳の孫の少年が水曜日、ウガンダで最初のエボラ出血熱での死亡例となった。少年の3歳の弟もまた感染している。
ウガンダ保健省によると、6か月の乳児を含むこのコンゴ人とウガンダ人の家族全員が監視と臨床試験の一環の実験的治療を受けるため、コンゴに送られたという。
体液との密接な接触で急速に感染拡大し、致死率が90%に上るエボラウイルスに認可された治療法はない。
昨年8月に宣言されたコンゴ東部での今回の流行で、1,400人以上が死亡している。コンゴ東部は世界で最も不安定な地域のひとつで、反政府勢力の攻撃と住民の抵抗により、エボラウイルス封じ込め作戦がひどく阻害されている。
不安になるほど高い確率で手遅れになるまで感染が発見されていない流行地域で感染した人を追跡する難しさが、今回の家族の事案で示されている。
当局者は水曜日、この家族は少年の祖父が病気のため、ウガンダからコンゴにいったと述べた。WHOは、祖父はエボラ出血熱で亡くなったという。当局者はこの祖父を弔った人々もまた感染したと考えている。
ウガンダへ戻る際、複数の子供を含むこのグループはコンゴとの国境で止められた。グループの12人が既にエボラ出血熱の症状を示していた。
エボラ出血熱治療施設への移動を待つ間に、家族の6人が抜け出し、見張りのいない道を通り、国境を越えウガンダに入ったと当局者はAP通信に述べた。
両国の当局は国境の警備を強化するとしている。ウガンダに入国していない5人の家族は検査の結果、エボラウイルスの陽性反応が出たとコンゴ保健省が述べた。
家族と接触した50人がウガンダに入り、追跡されている。
ウガンダの保健チームはパニックには陥っていないと保健サービス局長のヘンリー・ミュウベサ氏は水曜日、AP通信に語った。ウガンダは前回のエボラ出血熱の流行や他の出血熱と闘った経験があるとミュウベサ氏はいう。
今回の流行は、この少年の家族を越えて広がることはないと付け加えた。
初めて実験的だが有効なエボラウィルスワクチンが広く使用されており、コンゴでは132,000人以上が接種を受けている。ウガンダはコンゴ東部よりも状況が安定しており、医療従事者4,700人近くが接種を受けた。WHOは更に3,500回分を医療従事者と感染者と接触した人向けに出荷する予定だ。
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