英情報機関も新型コロナウイルスの「武漢研究所起源説」を支持(2021/05/31)
これまで、中国の武漢ウイルス研究所がウイルスの発生源である可能性は極めて低いと見なされていたが、現在米国や英国では形勢が変わりつつあるようである。英国の情報機関は、パンデミックが中国の研究所から流出したウイルスによって始まったとする説は「可能である」と考えているとメディアが報じている。
インドの
『ワールド・イズ・ワン・ニュース』は、米国のバイデン大統領が新型コロナウイルスの追加調査を命じた後、英国の科学者も「研究所からの流出」説を支持していることが明らかになったと伝えている。
流出説を支持する科学者たちは、ウイルスが中国の武漢ウイルス研究所で人工的に作られたものであり、その後、ウイルスが自然に開発されたものであると世界に思わせるために、「意図的なデータの破壊、隠蔽、汚染」が何度も試みられたと考えていると報じられている。...
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『ワールド・イズ・ワン・ニュース』は、米国のバイデン大統領が新型コロナウイルスの追加調査を命じた後、英国の科学者も「研究所からの流出」説を支持していることが明らかになったと伝えている。
流出説を支持する科学者たちは、ウイルスが中国の武漢ウイルス研究所で人工的に作られたものであり、その後、ウイルスが自然に開発されたものであると世界に思わせるために、「意図的なデータの破壊、隠蔽、汚染」が何度も試みられたと考えていると報じられている。しかし、中国の外務大臣は、欧米諸国が新型コロナウイルスの大流行を利用して、「汚名、政治的操作、責任転嫁」を行っていると非難し、これらの主張を否定している。
英『スカイニュース』によると、パンデミックの中国研究所起源説は、これまで少数派または陰謀論だと考えられてきたものの、一部の科学者たちは、2021年のWHOの報告書は徹底した調査ではなかったとして批判していた。その後24人の研究者がWHOに書簡を送り、研究所からの漏洩説を再度検討する必要があると主張した。そんな中、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が5月20日に、米国の情報機関の機密報告書で、武漢ウイルス研究所の3人の研究者が、最初の症例が報告される1カ月前の2019年11月にコロナウイルスのような症状で入院したことが示唆されていたと報じた。この報道により、研究室からの流出説が新たにクローズアップされ、バイデン大統領は、米国の研究室に対し、更なる調査を進めるよう指示した。
米『ブライトバート』によると、英国の秘密情報部 (MI6) の元長官であるリチャード・ディアラブ卿は、ウイルスが武漢の研究所から発生したという考えを一貫して支持してきたが、多くの科学者は昨年まで、トランプ前大統領の側に立っていると思われることを恐れて、この考えを支持することを控えていたと語っている。「誰もがトランプ氏側に立つことを嫌がった。しかしバイデンが登場したら、彼らは突如見解を変えた」と述べている。
「私は資料を1年前に軍事研究施設に送ったが、1年前は、人々は私の話を聞くことを拒否した。昨年までは、流出説を唱える人は誰もが陰謀論者であると非難され、何について話しているのかわからないと言われてきた。」しかし、「これは、第二次世界大戦以来、世界的に見ても最も破壊的な出来事だ。しかし我々はただ座って、中国の言うことを額面通りに受け入れている。私が提唱しているのは、弾圧ではなく、明確な議論と適切な話し合いだ」と述べている。
英ウォーリック大学の分子腫瘍学教授であるローレンス・ヤング氏は、WHOの調査報告書は詳細を欠いているため、科学界では「多くの懸念」が持たれていると述べている。教授は、「調査員たちは研究所の一次データへのアクセス権が与えられていなかった。また、最初の症例が武漢で発見され、そのすぐそばにコロナウイルスを研究する非常に大きな研究所があるというのは、偶然とは言い難い」と指摘している。
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ニュージーランド、中国対応において「ファイブ・アイズ」同盟とは距離を置くと発表(2021/04/23)
ニュージーランドのマフタ外相は今週、中国の人権問題への対応に関して、ニュージーランドが加盟している機密情報共有同盟「ファイブ・アイズ」との間に一線を引こうとする発言を行った。外相はさらに、情報提携の範囲を拡大することには抵抗があり、「ファイブ・アイズ」同盟のパートナーである、オーストラリア、カナダ、英国、米国から「独立した」外交政策を求めていく旨を明らかにした。ファイブ・アイズ同盟内では、驚きの声が上がっている。
ニュージーランドのマフタ外相は19日の記者会見で、ニュージーランドはオーストラリア、カナダ、英国、米国との同盟を、「中国に対してメッセージを送る際の最初の連絡先として使いたくない」と発言し、同盟国を驚かせた。さらに、「ニュージーランドはファイブ・アイズの範囲を拡大することに抵抗がある。」とし、「むしろ、ニュージーランドの利益を表明する多国間との機会を探すことを望んでいる。」と語った。
『オーストラリア放送協会』は、この半年間、ニュージーランドはファイブ・アイズの声明の多くに参加してきたが、一部の声明には参加しなかった。...
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ニュージーランドのマフタ外相は19日の記者会見で、ニュージーランドはオーストラリア、カナダ、英国、米国との同盟を、「中国に対してメッセージを送る際の最初の連絡先として使いたくない」と発言し、同盟国を驚かせた。さらに、「ニュージーランドはファイブ・アイズの範囲を拡大することに抵抗がある。」とし、「むしろ、ニュージーランドの利益を表明する多国間との機会を探すことを望んでいる。」と語った。
『オーストラリア放送協会』は、この半年間、ニュージーランドはファイブ・アイズの声明の多くに参加してきたが、一部の声明には参加しなかった。また、オーストラリアとニュージーランドの間では、中国への対応をめぐり緊張が高まり、今年初めには、ニュージーランドのオコナー貿易相が、モリソン政権が中国からの経済的懲罰を避けるためには、中国にもっと「敬意」を払うべきだと示唆し、豪閣僚や政府関係者の怒りを買っていた。
豪紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』は、マフタ外相が、70年の歴史を持つ「ファイブ・アイズ」と呼ばれるスパイ同盟を通じて中国に圧力をかけようとしていることを批判したことで、「オーストラリア政府は不意打ちを食らった」と報じている。
そして、「多くの問題についてニュージーランドの関心事を表明する多国間での機会を探したいという外相の発言は、慎重に表現されているものの、実質的な影響を与えるものだ。」と伝えている。「オーストラリアの最も近い隣国であるニュージーランドは、ファイブ・アイズを拡大していくことに関するニュージーランド政府の不快感を表明する前に、その立場についてオーストラリアに伝えなかった。過去1年間、いくつかの共同声明にニュージーランドが参加しなかったことにオーストラリア政府は不安を感じていたが、中国政府に外交的圧力をかけるためにスパイネットワークを利用することに対して、ニュージーランドが公式に反対していることを知らなかった。モリソン首相は2週間後にニュージーランドを訪問し、アーダーン首相と会談する予定だが、その際、ファイブ・アイズの将来が話題になるだろう。」
同紙は、オーストラリア政府は、ニュージーランドが情報共有ネットワークから追い出される危険性があるとは真剣には考えていないが、オーストラリアと米国は、ニュージーランドが情報共有ネットワークの拡大を抑制しようとしていることに懸念を抱いているとも伝えている。オーストラリアでは、「フォー・アイズ」という言葉を冗談交じりに使うことがここ数カ月増えているという。
一方、ニュージーランドのニュースサイト『ワン・ニュース』は、マフタ外相の発言は、中国からの強い反発を意識した発言だったと思われると報じている。昨年の11月には、ニュージーランドが「ファイブ・アイズ」のパートナー国とともに、「中国が香港で選出された議員を失脚させるために新たなルールを課していることに深刻な懸念を抱いている」との声明を発表し、中国政府は、ファイブ・アイズ(=5つの目)同盟の「目を突かれたり、目をつぶされたりすることに注意してほしい」と報復を警告していた。
ビクトリア大学で戦略研究教授のロバート・エイソン氏は、ニュージーランドの朝のニュース番組で次のようにコメントしている。「ファイブ・アイズに関するマフタ外相のコメントは、答えよりも疑問を投げかける結果となったため、必要なかった。首相が後になってフォローしなければならなかったのは気まずかった」。同教授によると、ニュージーランドは依然として情報同盟にコミットしており、中国を批判する目的で情報同盟をプラットフォームとして使用したくないという点を指摘しただけだという。
同じくニュース番組に出演した国民党党首のコリンズ氏は、ニュージーランド政府は板挟みになっていると述べた。「一方では、主要な経済輸出市場である中国があり、わが国の経済を維持する上で重要である。他方では、主要な安全保障上の取り決めがある」。同氏は、世界関係は徐々に中国と英米圏の戦いに変わってきていると述べ、「ニュージーランドは肉になり、真ん中に置かれたかわいそうな存在だ。」と表現した。ニュージーランドが貿易相手国を多様化する必要があるという外相の言葉は正しいと述べ、中国がニュージーランドとの自由貿易協定の締結に踏み切った今、イギリスやアメリカなどのファイブ・アイズのパートナーから同様の申し出がないことは疑問に思うと語った。
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