フランスの学校、16日より一斉休校に
フランスのマクロン大統領は12日、テレビ演説で新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、来週月曜日からすべての幼稚園、学校を休園・休校すると発表した。
新型ウイルスによる死者が61人、感染者が2900人近くに上るフランス。
『ル モンド』によると、フランスのすべての幼稚園、学校、大学が月曜日から無期限で休園、休校となることが発表された。マクロン大統領は、「子供達や若者達は、(感染しても」症状がないことがあるが、ウイルスを最もはやく拡散させる媒体となっている」ことを理由として全国一斉休校を決定した。急速な感染拡大を少しでも抑える狙いだ。
『フランス アンフォ』によると、3月16日から、約62,000校で、約1200万人の生徒と100万人以上の学校職員や教員が休校の影響を受ける。...
全部読む
新型ウイルスによる死者が61人、感染者が2900人近くに上るフランス。
『ル モンド』によると、フランスのすべての幼稚園、学校、大学が月曜日から無期限で休園、休校となることが発表された。マクロン大統領は、「子供達や若者達は、(感染しても」症状がないことがあるが、ウイルスを最もはやく拡散させる媒体となっている」ことを理由として全国一斉休校を決定した。急速な感染拡大を少しでも抑える狙いだ。
『フランス アンフォ』によると、3月16日から、約62,000校で、約1200万人の生徒と100万人以上の学校職員や教員が休校の影響を受ける。 また、74の大学が休学となり、約160万人の大学生が影響を受ける。
大統領のテレビ演説の数分後に行われた記者会見で、国民教育大臣のジャン=ミシェル・ブランケールは、学校の再開時期は、疫学データ、国内の人々の健康状態によって決定されると説明。現状では4月上旬のイースター休暇の頃まで休校が続くのではないかという見通しを示した。
しかし全国的な一斉休校は、働いている保護者、特に医療関係者への影響が懸念される。看護スタッフは女性が大部分を占めており、多くのスタッフが自宅で子供の面倒を見るために休みを取ることになってしまう。そこでマクロン大統領は、新型ウイルス対応に関係する職種の人々が職場に行けるよう、各地域に託児サービスを準備すると説明した。ブランケール国民教育大臣は、そうした人材に対しては、幼稚園や学校側でも最低限のサービスを提供する考えを示した。また、一般労働者に対しても、16歳未満の子供が少なくとも一人いる家庭では、親のどちらか一人に限り14日間の休職手当を提供すると発表した。
更に、休校の間、脇に取り残される生徒が一人もいないようにすることを目標に、休校期間中は遠隔教育モジュールを提供する意向を示した。 ネット環境やパソコンを持たない生徒は全体の約5%と推測されており、そうした生徒には支援を提供すると述べた。
『ルフィガロ』によると、こうした休校措置は、フランス以外にも、ヨーロッパ全土で実施する国が増えているという。アイルランド、デンマーク、イタリアなどで全国的な休校を実施。スペインやギリシャではクラスターが確認された地域で休校が実施されている。
ウクライナ、チェコ共和国、スロバキア、ポーランドなどの東ヨーロッパの国々でも休校措置が取られ始めているという。
閉じる
フランス政府、休校中の子供達にオンライン授業を準備
新型コロナウイルス感染者が212人、死亡した人が4人のフランスでは、集団感染が確認された地域中心に、小中高校を休校とするなど、感染対策の動きが広がっている。こうした中、国民教育省が休校措置の取られた学校の子供たちに「教育の継続性」を確保するため、オンラインの「仮想教室」を準備していることが報じられた。
『ル フィガロ』は、新型コロナウイルスがフランスで「フェーズ3」(=「流行」のレベル)となった場合でも、国民教育省は準備が万端だと伝えている。 新型ウイルスが更に広がり、学校の大規模閉鎖が実施された場合でも、フランス国立遠隔教育センター(CNED)は、幼稚園から高校までの全ての科目において、4週間分のオンラインコースを提供できる準備ができているという。
フランスには1200万人の生徒がいるが、最大600万人の生徒がこの無料プラットフォームに同時に接続できる。...
全部読む
『ル フィガロ』は、新型コロナウイルスがフランスで「フェーズ3」(=「流行」のレベル)となった場合でも、国民教育省は準備が万端だと伝えている。 新型ウイルスが更に広がり、学校の大規模閉鎖が実施された場合でも、フランス国立遠隔教育センター(CNED)は、幼稚園から高校までの全ての科目において、4週間分のオンラインコースを提供できる準備ができているという。
フランスには1200万人の生徒がいるが、最大600万人の生徒がこの無料プラットフォームに同時に接続できる。CNED所長のミシェル・ルヴェルション=ビヨ氏は 生徒を受け入れる「余裕がまだまだあり、非常に安定したオンラインシステムだ」と説明している。
その学期の学習内容に沿って、オプションコースを含むすべての科目で、オンラインレッスンや練習問題を提供する。更に、レベルチェックテストを実施し、生徒のレベルにあわせたレッスンを提供できるという。 たとえば、算数では、5年生向けに3つの難易度別コースが用意されている。 国語の授業では、間違った解答を本人が自ら訂正できるように自動採点システムが導入されている。
『ル モンド』によると、このオンライン授業は、Eメールアドレスとネットにつながる環境であれば、パソコンや携帯から、どこででも受講することができるという。生徒は、1日3~4時間あたりの授業を受けることが可能で、教師はオンラインでつながっている生徒から質問を受け付けることもできる。
同省は、中国のフランス人学校が数週間にわたってこのオンライン授業を活用しており、教員達を満足させていると断言している。しかし、フランス国内で臨時休校に入っている一部の学校で、「デジタル格差は私たちのような都市では現実的に存在し、誰もが自宅にインターネットを持っているわけではない」など、問題提起の声も上がっている。プリントアウトした学習用紙を学校に取りに行けるサービスを提供する学校も出ている。
また、ネットリテラシーが低い家庭、子供が複数いる家庭、かつ親がフランス語が流ちょうではない家庭では、こうしたオンラインシステムが実際にどこまで活用できるのか疑問視されている。
閉じる
その他の最新記事