1月13日付
『ブルームバーグ・ビジネス』(米)はアノニマスが、日本の捕鯨活動に抗議すべく日産のウェブサイトを攻撃し、サイトが一時ダウンしたことを報じている。現在サイトは復旧しているが、日産側はさらなる攻撃に備え、システムを鋭意監視中だという。同記事は日本が商業捕鯨禁止の抜け穴を利用して未だに捕鯨活動を行っていること、2009年に映画「コーヴ」が賞を獲得し世界的に捕鯨に対する批判が高まっていることを伝えている。
同日付
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』(米)は、日産の「我が社は捕鯨とは無関係」とのコメントを掲載している。そして日本の捕鯨が国際社会から非難を浴びているにもかかわらず、日本側は「鯨を食べることは日本の食文化の一部」と主張しているとする。
同日付
『ニューズウィーク』(米)は「日本の報道は検閲を行っており、人々により事態を知ってもらうため、大会社をターゲットにしている」というアノニマスのメンバーのコメントを載せている。今回の件ではデータの流出は報告されていないという。同集団は昨年12月、安倍首相や鯨関連施設に対してもサイバー攻撃を行っている。
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中国の習近平国家主席が10月19日から4日間英国を公式訪問し、両国は関係強化に向けて大きく前進する。両国首脳は親密さを演出し、英中の黄金時代の到来を宣言したが、キャメロン政権の中国傾斜路線に対し内外で憂慮する声も上がっている。
10月19日付
『ニューヨークタイムズ』紙は、英国政府及び王室が総出で中国の習近平主席の英国公式訪問を歓迎したと報じた。但し、チャールズ皇太子は、習主席歓迎の晩餐会には出席しない。皇太子の物言わぬ抵抗は、英国、ドイツ及び多くのEU諸国の底流にある不安と緊張を物語っている。即ち、台頭する中国との関係で、人権、法による支配、民主主義などへの憂慮を意思表示することと、重要な経済的利害関係をどのようにバランスさせるかである。
キャメロン政権は、英中関係ではビジネスや通商および外交を最優先とすることを明確にし、アリババ社の創設者であるジャック・マー氏を正式なビジネスアドバイザーに起用している。習主席は訪英前の書面インタビューに答え、「英国は西側諸国のなかで、中国に対し最もオープンな国であると表明した。これは英国にとって長期的に大きな利益となる洞察力のある戦略的選択である」と述べた。
英国の対中国輸出は、2010年の73億ポンドから2014年には159億ポンドまで、年率20%増加している。しかし、それでも2014年の英国の輸出総額の3.2%に過ぎず、ドイツの6.6%には及ばない。
10月21日付
『フォーチュン』誌は、英国と中国との関係の“黄金時代”が始まったが、英国が支払う代償が既に明確であるのに対し、この黄金時代が何をもたらすのかはまだはっきりしない、と論じている。それによると、キャメロン首相の対中国政策は、英国と米国との特別な関係を損なっている。両国の歴史的な紐帯は、米国政府の反対にもかかわらず英国が昨年春、中国主導のアジアインフラ投資銀行への参加に突如踏み切ったことで、揺らぎ始めた。
キャメロン政権が反対論を押し切り、巨額の中国投資を呼び込むことに成功したとしても、英国は将来ますます中国の影響に気を遣うことになり、米国の信頼する同盟国では無くなるだろう。中国の“分断と征服”という対欧州基本戦略はこれまでと変わっておらず、英国を中国の経済圏に引き込むことは、欧州の結束を緩め、英国と欧州諸国との不信感や対抗意識を強めていくことに他ならないと主張する。
10月22日付
『ブルームバーグ・ビジネス』は、今回の習主席の訪英の経済的成果を紹介している。特に、エネルギー、旅行、ヘルスケア産業部門などで具体的に大きな成果が上がっており、その筆頭は、英国で30年ぶりかつ最大のヒンクレーポイント原子力発電プロジェクトへの中国の出資である。キャメロン首相は習主席との合同記者会見で、この合意は“歴史的”であると述べ、この決定は“両国関係を次の段階へ進めるもの”であると強調した。
また、ロールスロイス社は中国HNAグループとエンジン開発をおこなう24億ポンドの契約に署名し、カーニバル社は大型客船建造の合弁契約を締結、BP社は中国での120億ポンドの石油及びガス開発契約に最終調印した。ヘルスケア関係では20億ポンドの商談が大学間や企業間でまとまった。英国政府は、習近平主席の訪英で300億ポンド以上の商談や投資がまとまり、3900人分の雇用が増加すると発表している。
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