米中両国は今年1月半ば、懸案だった貿易協議において「第一段階」の合意文書に署名した。しかし、特に東アジアの覇権争いは少しも緊張緩和に進む余地はないようで、この程、西太平洋のグアム基地沖を飛行中の米軍哨戒機が、近くを航行する中国軍艦から不当なレーザー照射を受けたことを明らかにして非難した。
2月28日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国軍艦、米軍機に対して“危険かつ不当な”レーザー照射を浴びせる挑発行為」
米海軍は2月27日、西太平洋のグアム基地沖を飛行中の米軍機が2月17日、近くを航行する中国軍艦から“危険かつ不当な”レーザー照射を受けたことを明らかにした。
米太平洋軍の報道官が同日、『ネイビー・タイムズ』紙(1951年発刊)のインタビューに答えたもので、グアム基地の380マイル(約600キロメートル)西沖を飛行中のP-8Aポセイドン哨戒機に向けて、中国軍駆逐艦から浴びせられたもので、海上衝突回避規範(CUES、注後記)に違反する不当な行為だと非難した。...
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2月28日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「中国軍艦、米軍機に対して“危険かつ不当な”レーザー照射を浴びせる挑発行為」
米海軍は2月27日、西太平洋のグアム基地沖を飛行中の米軍機が2月17日、近くを航行する中国軍艦から“危険かつ不当な”レーザー照射を受けたことを明らかにした。
米太平洋軍の報道官が同日、『ネイビー・タイムズ』紙(1951年発刊)のインタビューに答えたもので、グアム基地の380マイル(約600キロメートル)西沖を飛行中のP-8Aポセイドン哨戒機に向けて、中国軍駆逐艦から浴びせられたもので、海上衝突回避規範(CUES、注後記)に違反する不当な行為だと非難した。
同報道官によれば、有事の場合を除き、飛行中の飛行機にレーザー照射を行うことは、乗員の健康・安全を脅かすだけでなく、計器等にも被害をもたらし、衝突や墜落等の重大事故を引き起こす可能性があるという。
シンガポールのS.ラジャラトナム防衛研究所コリン・科(コー)研究員は香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』のインタビューに答えて、“至近距離のレーザー照射は無用な衝突等を引き起こしかねず、非常に危険”だと語った。
同研究員は更に、“P-8A機が中国軍艦に近すぎたとされたのかも知れないが、それでも同艦に衝突する恐れなどないはずで、レーザー照射は無用で危険な挑発行為だ”とも言及した。
これと反対に、香港軍事評論家の孫中平(ソン・チョンピン)氏は同紙に対して、中国軍艦が余りにグアム基地に近すぎ過ぎたことを“不満に”思って、米海軍がレーザー照射の問題を殊更強調したものだと批評した。
同氏によれば、“近すぎ過ぎた相手に警告を発するのは通常の行為”だという。
ただ、肉眼で見えない危険なレーザー照射で“警告”することは、別の話だとも言及した。
なお、米海軍によれば、同機はフロリダ州のジャクソンビル基地から沖縄嘉手納基地に派遣されていて、同海域を監視飛行していたものだが、事態発生後嘉手納基地に戻り、“損害状況について調査中”だという。
同日付中国『環球時報』:「軍事専門家;中国軍艦がレーザー照射を行ったとの米軍の非難は“中国の脅威”を誇大宣伝するものと批評」
中国人民解放軍海軍研究所の軍事専門家である張軍事(チャン・チュンシェ)上級研究員は2月28日、米海軍が前日、グアム島沖を飛行中の米軍のP-8A哨戒機に中国軍駆逐艦“呼和浩特(フフホト)”からレーザー照射を浴びせられたと非難した事態について、米軍機が同艦に異常接近してきたことから防衛手段として行ったものだと明言した。
同研究員は『環球時報』のインタビューに答えて、米海軍は、レーザー照射が乗員を危険にさらすもので、CUESに違反するものだとしているが、米軍機が同艦に猛スピードで接近してきて、同艦の航行及び通常訓練を妨害しようとしてきたための止むを得ない対抗措置だったと説明している。
更に同研究員は、目下米議会で予算折衝が行われている最中、米国防総省がより多くの国防予算を得るため、そのタイミングに合わせてこのレーザー照射事件を殊更強調して、“中国の脅威”について誇大宣伝しているものだとも付言した。
(注)CUES:他国の海軍同士が西太平洋地域の洋上で不慮の遭遇をした場合に取るべき艦艇及び航空機の行動を定めた規範。2014年に合意され、日米中ロ豪加等太平洋圏の21ヵ国が署名。
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