フィリピンが日本供与の哨戒機で南シナ海中沙諸島(スカボロー礁)上空を初監視飛行【米・フィリピンメディア】(2018/02/01)
1月10日付GLOBALi「フィリピンが中国の南シナ海人工島の軍事拠点化に抗議、しかし中国は馬耳東風?」の中で触れたとおり、ロドリゴ・ドゥテルテ政権は、前政権と違って親中政策を標榜しているものの、目の前の南シナ海人工島に滑走路・戦闘機格納庫・ミサイル発射台等が次々に設置されるのを見て、不安を覚えて中国側の行き過ぎを牽制せざるを得ない状況である。しかし、中国側はいつものとおり、主権範囲の人工島に必要な防衛設備を設置するのは当然の行為等として、フィリピン側主張には全く耳を貸す用意はない。そこでフィリピンとしては、水産及び天然資源の宝庫の中沙諸島(スカボロー礁)に人工島を建設されてはたまらんとばかり、日本から供与された哨戒機で監視飛行を開始した。
1月31日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「フィリピン、日本から供与された哨戒機で領有権争いの岩礁上空を監視飛行」
フィリピン国軍は1月31日、現在は中国が実効支配している南シナ海の中沙諸島(スカボロー礁)を監視飛行するため、日本から供与された哨戒機を初めて投入した。
北部ルソン部隊司令官によると、ビーチクラフト・キングエアーC90型機に、同礁周辺の約240メーター上空を監視飛行させたが、その際、中国海警局の公船を含む中国船9隻を確認したという。...
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1月31日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「フィリピン、日本から供与された哨戒機で領有権争いの岩礁上空を監視飛行」
フィリピン国軍は1月31日、現在は中国が実効支配している南シナ海の中沙諸島(スカボロー礁)を監視飛行するため、日本から供与された哨戒機を初めて投入した。
北部ルソン部隊司令官によると、ビーチクラフト・キングエアーC90型機に、同礁周辺の約240メーター上空を監視飛行させたが、その際、中国海警局の公船を含む中国船9隻を確認したという。また、フィリピン漁船も4隻航行していたが、中国公船から同漁船が妨害されている様子はなく、更に、同哨戒機の飛行について中国側から警告もなかったという。
一方、今月初めに米海軍の巡航ミサイル搭載駆逐艦“ホッパー”がスカボロー礁の12海里(約22キロメーター)内を、航行の自由作戦の下に航行した。このとき中国側は、主権を脅かす如何なる行為にも断固反対し、“必要な対抗措置”を取ると警告している。
なお、日本とフィリピンは2016年3月に防衛協力協定を締結し、日本側からフィリピンに防衛装備品や技術の提供が行われるようになっており、その一環で5機の中古ビーチクラフト哨戒機がフィリピン側に供与されている。
同日付フィリピン『サン・スター』紙:「フィリピン、領有権争いのある岩礁の監視飛行に日本側供与の哨戒機を投入」
北部ルソン部隊司令官は、国軍の保有機が限られている中、同部隊の管轄となる中沙諸島周辺を監視飛行するに当り、昨年日本側から供与されたビーチクラフトC90型哨戒機を初めて投入したと発表した。
同司令官は、フィリピンの主張する200海里(約370キロメーター)の排他的経済水域内にあるスカボロー礁は、フィリピン漁師の格好の漁場となっているが、これまで何度も中国公船から嫌がらせや漁の妨害を被っている。そこで、同軍としては、自国の領土・領海を守るため、利用可能な全てのものを投入していくと強調した。
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ドゥテルテ比大統領、市民の身分証に大統領自身の顔写真を載せ不評を買う【米・フィリピンメディア】(2017/12/14)
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が推し進める、麻薬撲滅政策やイスラム過激派との戦闘のために敷いた戒厳令は、とかく国内外で物議を醸している。そしてこの程、フィリピン議会が戒厳令について、来年末まで更に1年延長することを賛成多数で議決したことから、一般市民より高い支持を得ている麻薬撲滅政策と同様、同大統領にとって追い風となろう。しかし、フィリピン移住労働者(海外出稼ぎ労働者)に発行される身分証明書(IDカード)に、大統領自身の顔写真を掲載することになったことから、やり過ぎとの非難の声が上がっている。この思わぬ不評への挽回措置のためか、新たな大統領府通達で、12月26日(クリスマスデー祝日の翌日)及び1月2日(ニューイアーズデー祝日の翌日)を200万人余りの公務員の休日とすることを決定し、取敢えず味方を増やす方策に出ている。
12月14日付米
『ユーラシア・レビュー』ニュースサイト:「フィリピンのIDカードにドゥテルテ大統領顔写真が掲載され不評」
この度新たに発行されるフィリピン移住労働者のIDカードに、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の顔写真、それもIDカート保有者の写真と同サイズのものが掲載されることになった。
これについて“フィリピン移住・移動労働者擁護の司教委員会”代表であるルペルト・サントス司教らは、本来大統領の署名の掲載のみで十分であるのに、大統領の自己宣伝に使われようとしていると非難している。...
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12月14日付米
『ユーラシア・レビュー』ニュースサイト:「フィリピンのIDカードにドゥテルテ大統領顔写真が掲載され不評」
この度新たに発行されるフィリピン移住労働者のIDカードに、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の顔写真、それもIDカート保有者の写真と同サイズのものが掲載されることになった。
これについて“フィリピン移住・移動労働者擁護の司教委員会”代表であるルペルト・サントス司教らは、本来大統領の署名の掲載のみで十分であるのに、大統領の自己宣伝に使われようとしていると非難している。
なお、労働雇用省のシルベストル・ベリョ大臣は、同カードはまだ初期段階のもので、帰国してくる移住労働者の要請に応えて、今後システムを整備していくと表明した。
一方、同日付フィリピン『サン・スター』オンラインニュース:「大統領府、12月26日及び1月2日を省庁公務員の休日とすると通達」
サルバドール・メディアルディア官房長官は12月13日、ドゥテルテ大統領の代理として大統領府通達第37号に署名した。これは、12月26日(クリスマスデー祝日の翌日)及び1月2日(ニューイアーズデー祝日の翌日)を閉庁日とすることを通知するもの。
同長官は、省庁職員に家族・親戚他と十分に祝日を楽しんでもらうための措置だとしている。ただ、医療・救急・災害対応等の部署は例外であると付言した。
更に同長官は、地方の役所、独立行政法人、その他私企業についての対応は任意とするとも言及した。
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