防衛省は先週半ば、米軍普天間基地の名護市辺野古への移設に関し、埋め立て地域で見つかった軟弱地盤の改良に時間がかかるとして、想定していた期間を大幅に上回る約12年との見通しを明らかにした。これに対して沖縄県知事は、県が当初から13年以上かかると指摘していた通りであり、辺野古移設が普天間の早期の危険性排除に繋がらないと厳しく指摘した。かかる状況に関し、米メディアも、辺野古移設による海洋生物含めた環境への悪影響について改めて報じている。
12月28日付
『ザ・クォーツ』オンラインニュース:「沖縄の米軍基地移設、海洋生物の生命を脅かすだけでなく移設費用も当初の2倍に膨張」
沖縄県のデニー玉城知事は12月26日、米軍普天間基地の辺野古への移設は、沖縄県の民意を無視するだけでなく、移設費用が底なしに膨張し、かつ、環境にも深刻な影響を与えるとして、即刻中止するよう求めた。
沖縄県には、旧日本軍が第二次世界大戦で敗戦して以降、米軍が駐留することになって、数十の米軍基地が存在する(編注;全国の約70%に相当する33の米軍施設がある)。...
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12月28日付
『ザ・クォーツ』オンラインニュース:「沖縄の米軍基地移設、海洋生物の生命を脅かすだけでなく移設費用も当初の2倍に膨張」
沖縄県のデニー玉城知事は12月26日、米軍普天間基地の辺野古への移設は、沖縄県の民意を無視するだけでなく、移設費用が底なしに膨張し、かつ、環境にも深刻な影響を与えるとして、即刻中止するよう求めた。
沖縄県には、旧日本軍が第二次世界大戦で敗戦して以降、米軍が駐留することになって、数十の米軍基地が存在する(編注;全国の約70%に相当する33の米軍施設がある)。
元々地元住民の居住地を割譲させて、これら基地が市街地に設けられており、日米間で基地移転問題が協議され、宜野湾市にある普天間基地の移転が合意されていた。
そして、移転先として決められたのが、人口が少ないとされる名護市辺野古であったが、沖縄県は、県内の移設に反対の声を上げていて、今年2月に行われた住民投票では、辺野古移設を拒絶する結果となった。
しかし、強力な与党を有する行政府は、当該住民投票の声を無視して、既定方針通り辺野古移設で取進めている。
ただ、この移設に当っては、大きな二つの問題が発生している。
ひとつは、移設工事の一環で行う埋め立て対象地域で軟弱地盤があることが発見され、地盤改良に伴う追加工事のため、総工事費が当初予算の2倍以上となる85億ドル(約9,270億円)まで膨れ上がってしまったことである。
専門家によると、対象地域の地盤は“マヨネーズと同じくらい軟らかい”という。
また、海底に7万7千本も杭打ちが行われるため、同地域のサンゴ礁は僅か1%しか生息できなくなる。
更に、マナティ(大西洋沿岸の河川・河口・湖に生息)に似通っている、天然記念物のジュゴン(紅海・インド洋・豪州北部・沖縄の浅海に生息)の生命を脅かすことにもなる。
国際自然保護連合(IUCN、注後記)は、沖縄のジュゴンは絶滅が危惧されていると指摘している。
2004年当時、889人の科学者を含めた沖縄県民によって、ジョージ・W.ブッシュ大統領(当時)及び小泉純一郎首相(当時)に対して、辺野古移設差し止め請求が行われ、一旦は工事が止められた。
しかし、普天間基地所属の海兵隊員による凶悪事件が発生し、日本政府は集落内の基地の早急なる移転が必要として、再び移設工事を開始している。
なお、沖縄には48もの無人島があるにも拘らず、菅義偉官房長官は、辺野古移設が“唯一の解決策”として、沖縄県民の反対を押し切って、工事を続けさせている。
12月26日付『AP通信』:「沖縄県の玉城知事、米軍基地移設計画中止を改めて要求」
玉城知事は12月26日、前日に防衛省が、辺野古移設工事は期間も総工費も倍以上かかるとの見通しを発表したことに対して、県民の声を無視しての移設工事継続について改めて非難した。
沖縄県民の多くは、同県内にある米軍基地の閉鎖、また、移設する場合は県外とするよう何度も要求してきているが、日米両政府は2017年、集落内にある普天間基地の移設の候補地は辺野古しかないとして、工事再開を確認している。
なお、市街地にある普天間基地の移設問題は、1995年に同基地所属の海兵隊員による少女強姦事件を契機に、日米両政府の間で、人口の少ない名護市辺野古を移転候補先として計画が進められてきていた。
(注)IUCN:1948年に創設された、国際的な自然保護団体で、国家、政府機関、NGOなどを会員とする。本部はスイスのグラン。日本は1978年に環境庁が日本の政府機関として初めて加盟、1995年に国家会員として加盟。レッドリスト(絶滅の恐れがある野生動植物のリスト)等を作成して、種の保全を訴えている。
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3月29日付
『ザ・クォーツ』オンラインニュース:「ティファニー・トランプ氏(トランプ大統領次女)のセルビア休暇旅行費用は納税者にとっていくらの負担となるか」
米国務省から取得した資料によると、ドナルド・トランプ大統領の次女のティファニー・トランプ氏の欧州南東のセルビアへの休暇旅行の総費用が2万3千ドル(約253万円)であることが判明した。
ティファニー氏が3月7~16日に訪れたもので、国務省内務規程によって、大統領の直系家族の渡航費用(警護人等の同行費用も含む)は税金で賄われる。...
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3月29日付
『ザ・クォーツ』オンラインニュース:「ティファニー・トランプ氏(トランプ大統領次女)のセルビア休暇旅行費用は納税者にとっていくらの負担となるか」
米国務省から取得した資料によると、ドナルド・トランプ大統領の次女のティファニー・トランプ氏の欧州南東のセルビアへの休暇旅行の総費用が2万3千ドル(約253万円)であることが判明した。
ティファニー氏が3月7~16日に訪れたもので、国務省内務規程によって、大統領の直系家族の渡航費用(警護人等の同行費用も含む)は税金で賄われる。
これまでの大統領と違って、トランプ大統領は4人の成人した子供(注後記)を持っていることから、彼らの渡航費用は膨大となっており、これらも納税者が負担するところとなっていることに対して、政府監視機関も野党・民主党から非難の声が上がっている。
特に、ホワイトハウス高官でもない二人の息子が、トランプ・オーガナイゼーション(トランプ大統領が保有する不動産開発・投資会社)の業務に関わる渡航費用まで、税金で賄われていることが問題視されている。
今回、ティファニー氏には、3月15日からボーイフレンドのマイケル・ボーロス氏(25歳、ジョージタウン大学法学部生)も同行したが、彼の滞在費用も税金で賄われる。
国務省資料によれば、いずれも大統領の家族も含めたVIPと認めて政府資金から出費されているという。
なお、ティファニー氏は2017年にもボーイフレンドとブダペスト(ハンガリー)に旅行に行っており、このときの費用は2万2千ドル(約242万円)であった。
一方、同大統領の2人の息子、ドナルド・トランプ・ジュニア氏及びエリック・トランプ氏が、2017年2月にアラブ首長国連邦に商談で訪問しているが、この時税金から23万ドル(約2,530万円)支出されている。
(注)トランプ大統領の成人した子供:ドナルド・トランプ・ジュニア(41歳、実業家)、イバンカ・トランプ(37歳、大統領補佐官)、エリック・トランプ(35歳、実業家)、ティファニー・トランプ(25歳、歌手・モデル)。他に、バロン・トランプ(13歳)。
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