米司法省が、中国の情報機関へ軍事機密情報を提供していたとして、海軍所属の海兵2人を逮捕、起訴した。軍部の機密漏洩による起訴は今年3件目となり、米国は中国による軍事スパイ活動への警戒感を強めている。
8月4日付
『AP通信』:「米海軍兵が中国への軍事機密情報提供で起訴される」:
3日、米海軍の海兵2名が中国へ軍の機密情報を提供したとして起訴された。機密情報には、軍事演習、軍事作戦、技術情報が含まれるという。
カリフォルニア基地に所属している海兵で、起訴内容は個々に分かれている。中国当局から金銭が支払われたかどうかは不明。2人はサンディエゴとロサンゼルスの連邦裁判所では無罪となり、今後法定で証言する予定。...
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8月4日付
『AP通信』:「米海軍兵が中国への軍事機密情報提供で起訴される」:
3日、米海軍の海兵2名が中国へ軍の機密情報を提供したとして起訴された。機密情報には、軍事演習、軍事作戦、技術情報が含まれるという。
カリフォルニア基地に所属している海兵で、起訴内容は個々に分かれている。中国当局から金銭が支払われたかどうかは不明。2人はサンディエゴとロサンゼルスの連邦裁判所では無罪となり、今後法定で証言する予定。
サンディエゴ基地所属で中国出身のジンチャオ・ウェイは、武器システムの詳細情報やエセックス母艦等の強襲揚陸艦の情報を漏洩した疑い。昨年2月中国の諜報職員からの誘いで、米市民権を取得、海軍内の写真を提供したとされる。海軍戦艦に関する約50件の技術や機械データ、軍事演習時の訓練海兵数等の詳細を1年に及び複数回提供した模様。
もう一人は、ベンチュラ郡基地に所属する26歳のウェンヘン・ジャオで、2021年から今年にかけて、海軍軍事演習計画や基地の電気システムの写真や動画情報と引き換えに、中国諜報職員から15,000ドルの賄賂を受け取った疑い。情報には、インド太平洋地域での大規模軍事演習の配置や動向の詳細がわかる作戦計画も含まれていたという。
米当局は長年中国政府による諜報活動への懸念を示しており、近年ではハッキング等により機密情報を盗み取ったとして刑事訴訟に発展している。
今回の他に米軍が関与したインサイダー取引では、今年4月、ロシアのウクライナ侵攻に関する機密軍事書類やオンラインゲームで利用される「ディスコード」に関する国家機密をリークしたとして、司法省がマサチューセッツ空軍州兵を逮捕している。米高官は、これらの事件は米軍情報を入手を試みる中国の厚かましさを現しているとしている。
8月3日付米『CNNニュース』:「海軍兵2名を中国への機密情報共有の疑いで逮捕」
カリフォルニア基地に所属する米海軍兵2名が中国へ機密情報を流し疑いで起訴されている。
今年米国の軍人が機密漏洩で逮捕された事件としては3回目となり、近年、米海軍の艦隊数を超えた海軍をもつ中国によるスパイ活動への警戒感が高まっている。
パトリック・ライダー空軍准将は、「スパイ行為や機密情報の適切な取り扱いの欠如は、戦闘体制と何ら変わりはない」とし、「軍部内の調査と管理体制の強化に努める」と強調している。
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トランプ政権下で米中貿易紛争が激化したが、それに続くコロナ禍によるサプライチェーン混乱と相俟って、米国にとっての最大貿易相手国が中国からメキシコに取って代わられている。
7月25日付
『ブライトバート』オンラインニュースは、米中貿易紛争に続いてコロナ禍による世界サプライチェーンの混乱もあって、米国にとっての最大貿易相手国が中国からメキシコに取って代わられたと報じている。
ダラス米連邦準備銀行のルイス・トーレス上級エコノミストは7月25日、2023年1~4月における米国の最大貿易相手国は中国からメキシコに取って代わられたと発表した。
同氏によると、同期間の米国の輸出入総額は2,630億ドル(約36兆8,200億円)であるが、その大半を占める2,342億ドル(約32兆7,880億円)の加工品においてメキシコ製品が主要となっているという。...
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7月25日付
『ブライトバート』オンラインニュースは、米中貿易紛争に続いてコロナ禍による世界サプライチェーンの混乱もあって、米国にとっての最大貿易相手国が中国からメキシコに取って代わられたと報じている。
ダラス米連邦準備銀行のルイス・トーレス上級エコノミストは7月25日、2023年1~4月における米国の最大貿易相手国は中国からメキシコに取って代わられたと発表した。
同氏によると、同期間の米国の輸出入総額は2,630億ドル(約36兆8,200億円)であるが、その大半を占める2,342億ドル(約32兆7,880億円)の加工品においてメキシコ製品が主要となっているという。
この結果、同期間における対メキシコ貿易比率は15.4%と、2014年にカナダに代わって最大貿易相手国となっていた中国をかわして最大となっている。
カナダも躍進してメキシコに次いで15.2%となり、中国は12%まで下げている。
同氏によると、米中貿易は、中国が2001年に世界貿易機関(WTO、1995年設立)に加盟を認められて以来、爆発的に増えていったという。
しかし、専門家は当初より、中国政府による輸出業者への不当な補助金支援や、中国国内市場に対する海外企業の受け入れ制限について強く非難していた。
実際問題、中国からの対米輸出額が増額するに連れて、特に製造業界では米国企業の業績低迷や、失業者の増加はもとより、平均賃金の目減りが取り沙汰されてきていた。
ところが、トランプ政権下で2018年に米中貿易紛争が勃発したことや、加工品の“ニアショアリング(注1後記)”手当ての考え方が進行したこともあって、メキシコが中国に代わって輸出高を増やしてきていた。
更に、コロナ禍による世界的サプライチェーンの寸断問題も発生し、部品調達や価格高騰に対抗すべく、メキシコに依存する態勢が益々強まっていった。
また、米国の自動車業界が早くからメキシコの低労賃に目を付けて、メキシコに多量の部品を送った上で現地生産した車を米国に輸入するビジネススタイルを成功させてきており、コンピューター生産や電化製品メーカーもメキシコに目を向け始めている。
トーレス氏によれば、特にメキシコで採用されている“マキラドーラ(注2後記)”が有益であるという。
ただ、労賃比較では中国の方が依然メキシコより安い。
何故なら、新疆ウィグル自治区のウィグル族の“強制労働”等によって、自由主義世界では許されない不当労働を採用しているからである。
しかし、トーレス氏は最後に、“かつて貿易政策は、自由主義、より大きな効果、そして安価であることが重要であったが、現在の世界貿易はそれとは違い、経済安全保障、気候変動対策、更にはサプライチェーンの弾力性がより重要視されている”と結んでいる。
なお、『ビジネスインサイダー』オンラインニュースも、“コロナ禍によって米国消費者は、迅速な配送、ニアショアリング、更には太平洋を越えての輸送に頼らずとも北米域内での海上貿易がより魅力的であることに気付かされている”と分析を加えている。
そして、“世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマート(1969年設立)などは、仕入れコストが少々割高となっても、「グローバル化」よりも「地域化」の方がより安全だという考えに至っている”とし、また、“消費者も、安価な中国製品の乱入で、多くの企業・工場が閉鎖に追い込まれた現実について思いを巡らしている”とも言及している。
(注1)ニアショアリング:既存の事業拠点から地理的に近い近隣国に事業を移転すること 。
(注2)マキラドーラ:1965年に制定された、製品を輸出する場合、当該製品を製造する際に用いた原材料・部品、機械などを無関税で輸入できる保税加工制度。一般にメキシコの制度を指す場合が多いが、他の中南米諸国でもパラグアイ、ドミニカ共和国、エルサルバドルなどで同様の制度をとっている国がある。
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