日本独自の工夫でCO2削減へ(12月6日)
日本は日本独自のやり方でCO2の削減を考えている。発電方式では大まかに2つある。1つは高効率の石炭火力発電所である。
燃焼時にCO2を発生させないアンモニアを混ぜていく手法である。日本はCOP26で化石賞をもらったが、日本は老朽化した石炭火力発電所のフェードアウトを実現させている。
一方で、石炭とともに、バイオマスやアンモニアを混焼することによって発電効率の向上と低炭素化を図っている。...
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日本は日本独自のやり方でCO2の削減を考えている。発電方式では大まかに2つある。1つは高効率の石炭火力発電所である。
燃焼時にCO2を発生させないアンモニアを混ぜていく手法である。日本はCOP26で化石賞をもらったが、日本は老朽化した石炭火力発電所のフェードアウトを実現させている。
一方で、石炭とともに、バイオマスやアンモニアを混焼することによって発電効率の向上と低炭素化を図っている。例えば、広島の竹原火力発電所は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱効率が48%で、石炭を微粒子に粉砕して燃やす方式では世界最高水準に位置している。日本の石炭火力発電には、世界最高水準のガス化技術や高効率の発電技術の蓄積があり、CO2排出減にも貢献している。
もうひとつは、SMRと呼ばれる次世代小型原発も発電時にCO2を出さないエネルギー源として期待されている。「脱炭素エネルギー」として世界的に原発を再評価する動きが広がっている中、SMRと呼ばれる次世代小型原発も発電時にCO2を出さないエネルギー源として期待されている。日立製作所とGEの合弁会社「GE日立ニュークリエナジー」などが製造するSMRは炉心が小さく、故障してもすぐに停止できるというメリットがある。重大事故の場合でも、冷却水を自動的に循環させる仕組みになっており、安全に停止させることができる。モジュール化されているため短期間で建設でき、建設コストも低く抑えられる。SMRは原子力関連技術のイノベーションと言っても良い程のレベルにある。
上記2つに太陽光発電や風力など再生可能エネルギーとCO2を地下に貯蔵するCCSやCCUSといった技術、排出権取引や省エネ、カーボンプライシングなどを組み合わせていくことが現実的手法となる。
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国連の気候変動対策会議・COP26“12日に合意目指す”(11月12日)
英国で開かれてる国連の気候変動対策の会議・COP26は、成果文書の議長案をもとに閣僚級による詰めの協議が行われた。
議長国・英国などは世界の平均気温上昇を1.5℃に抑えるため温室効果ガス排出削減の強化を求める一方、途上国からは資金の支援についての内容が不十分だとの指摘が出ている。
英国・シャルマ議長は12日に修正した議長案を示し合意を目指すとしている。議長案に合意が得られない場合、会期が延長させる可能性もある。
2040年排出ガス車ゼロ・23か国合意も日米独など見送り(11月11日)
英国・グラスゴーで開かれている国連の気候変動対策の会議、COP26で、議長国英国は、2040年までに、世界の新車販売を、EV電気自動車などの排出ガスを出さない車にする目標をまとめ、20か国以上が合意したと発表した。
ただ、自動車産業が大きい、日本や米国、ドイツなどは参加を見送った。自動車の主要市場では2035年、世界全体では2040年までに、ガソリン車やハイブリッド車など、内燃機関を使った新車の販売を停止し、排出ガスを出さないEVや燃料電池車に移行するとしている。...
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英国・グラスゴーで開かれている国連の気候変動対策の会議、COP26で、議長国英国は、2040年までに、世界の新車販売を、EV電気自動車などの排出ガスを出さない車にする目標をまとめ、20か国以上が合意したと発表した。
ただ、自動車産業が大きい、日本や米国、ドイツなどは参加を見送った。自動車の主要市場では2035年、世界全体では2040年までに、ガソリン車やハイブリッド車など、内燃機関を使った新車の販売を停止し、排出ガスを出さないEVや燃料電池車に移行するとしている。
英国やカナダ、スウェーデンなど、20か国以上が合意、米国のGMゼネラルモーターズやフォード、スウェーデンのボルボなどの大手自動車メーカーも賛同した。
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今世紀末の世界の平均気温の上昇“66%の確率で2.1度に”(11月10日)
英国で開かれている国連の気候変動対策の会議「COP26」で行われたイベントでUNEP(国連環境計画)が発表したものによると、各国が現在掲げている2030年に向けた温室効果ガスの削減目標と排出量の実質ゼロ、カーボンニュートラルを全て達成できた場合には、今世紀末の平均気温の上昇を産業革命前と比べ66%の確率で2.1度に、50%の確率で1.9度に抑えられるとしている。
カーボンニュートラルを掲げる多くの国について、2030年の削減量がカーボンニュートラルの実現に整合したものになっていないとも指摘していて、現在の2030年の削減目標を達成しただけでは今世紀末の世界の平均気温は2.7度上昇するとして更なる目標の引き上げが必要だとしている。...
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英国で開かれている国連の気候変動対策の会議「COP26」で行われたイベントでUNEP(国連環境計画)が発表したものによると、各国が現在掲げている2030年に向けた温室効果ガスの削減目標と排出量の実質ゼロ、カーボンニュートラルを全て達成できた場合には、今世紀末の平均気温の上昇を産業革命前と比べ66%の確率で2.1度に、50%の確率で1.9度に抑えられるとしている。
カーボンニュートラルを掲げる多くの国について、2030年の削減量がカーボンニュートラルの実現に整合したものになっていないとも指摘していて、現在の2030年の削減目標を達成しただけでは今世紀末の世界の平均気温は2.7度上昇するとして更なる目標の引き上げが必要だとしている。
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温暖化ガスの46%削減の実現可能性は(11月9日)
今世紀末までに世界の気温上昇を1.5度に抑えるという目標に向けて世界が一斉に動き始めている。日本は中期目標として2030年までに温暖化ガスの46%削減(2013年度比)を国際公約にした。
この目標達成は日本にとって容易なものではなく、現段階では目標数値ありきで、明確な目標達成の裏付けの見えないまま、目標を示している状況である。
これからは、目標達成のために何をどうしようという具体的な説明の必要性が出てくる。...
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今世紀末までに世界の気温上昇を1.5度に抑えるという目標に向けて世界が一斉に動き始めている。日本は中期目標として2030年までに温暖化ガスの46%削減(2013年度比)を国際公約にした。
この目標達成は日本にとって容易なものではなく、現段階では目標数値ありきで、明確な目標達成の裏付けの見えないまま、目標を示している状況である。
これからは、目標達成のために何をどうしようという具体的な説明の必要性が出てくる。まず自然エネルギーに関してひとつひとつ見ていきたい。まず風力発電であるが、実はこの10年間、日本は浮体式風力発電を模索してきたが、本腰を入れてこなかったため、その間にノウハウを蓄え実績を積んできた英国やデンマークなど欧州の企業が、次々と日本市場に参入して来ようとしている事態となっている。このままいくと欧州製の風力発電によって日本は目標を達成するのと引き換えに自然エネルギー市場のシェアを欧州勢に奪い取られてしまう可能性が出てきた。
太陽光発電に関しては中国の独壇場でポリシリコンの生産から太陽光セル、太陽光モジュールの製造に至るまで、すべての工程が中国の手中に握られており、自然エネルギー市場の太陽光発電のシェアに日本企業が入り込む隙間がない。加えて日本はウイグル族の人権弾圧問題で中国を批判しているが、新疆ウイグル自治区で太陽光発電の機器の多くが作られていることをどう捉えるのかという問題も残る。
地熱発電はどうか。地熱発電のポテンシャルについて日本は世界第3位と言われており、自然エネルギーの中では一番期待が持てるが、開発する為に8年とか9年ぐらいの時間がかかる上、法的基盤整理にも時間がかかる。今からやっても2030年にはほぼ間に合わないとも言われている。
結局、欧州製の風力発電と中国製の太陽光発電を援用してもなお、温暖化ガスの46%削減には届かないため、日本は、原発を使っていくしかない。しかし3.11を経験している日本の政治家は原発について踏み込んだ発言をすることができないという状況である。
2030年まであと9年しかない中で、耐用年数が過ぎた原発は廃炉にし、動かせる原発は動かし、それでも足りない部分は米国製の小型モジュール原発で補うという選択肢も浮上してきている。
この他、「水素」を活用する等、選択肢はまだまだあるので、更に視野を広げて可能性を追求するしかない。
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