韓国ムン大統領・朝鮮半島の平和構築でロシアと経済深まる(6月22日)
韓国・ムンジェイン大統領はロシア議会で演説し、朝鮮半島の恒久的な平和体制が構築されれば、シベリア鉄道が北朝鮮を経て韓国南部までつながるなど、南北とロシアの経済協力が深まることに期待を示した。
北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長が「完全な非核化」を約束したことを強調した。
北朝鮮:経済成長に本腰をいれるか(6月21日)
6月21日の「人民日報」は2日続けて1面トップで習近平総書記と金正恩労働党委員長の写真を掲載し、両国の密接な関係をアピールしている。習近平総書記は中朝関係が新しい段階にきており、中朝と関係各方面の努力により北東アジアに平和と安定、発展、繁栄が訪れるだろうと述べている。
金正恩委員長の今回の訪中で注目されるのは、随行団に前2回の訪中では随行していなかった朴奉珠総理と朴泰成労働党副委員長がいたことだ。...
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6月21日の「人民日報」は2日続けて1面トップで習近平総書記と金正恩労働党委員長の写真を掲載し、両国の密接な関係をアピールしている。習近平総書記は中朝関係が新しい段階にきており、中朝と関係各方面の努力により北東アジアに平和と安定、発展、繁栄が訪れるだろうと述べている。
金正恩委員長の今回の訪中で注目されるのは、随行団に前2回の訪中では随行していなかった朴奉珠総理と朴泰成労働党副委員長がいたことだ。朴奉珠総理は経済担当であり、朴泰成副委員長は5月14日から中国の経済成長の現場を視察していた北朝鮮の親善視察団の団長であった人物である。金正恩委員長は20日に農業科学院の科学技術イノベーション園と北京市軌道交通指揮センターを視察したが、親善視察団が訪問した場所であった。
1990年代半ばの食糧不足の時代に比べれば回復しているとはいえ、まだ食糧は十分とはいえない北朝鮮である。化学肥料不足や連作障害もあることから、バイオテクノロジーも含めて新しい農業技術が必要になってくる。経済発展のためにはインフラの整備も急務である。
経済担当の総理が訪中したことによって、北朝鮮としては中国の支援をとりつけながら経済発展に力をいれることを示したかったのだろう。習近平総書記も19日の会談で、「朝鮮は経済建設を重点におく方向に転換した。
中国は朝鮮の経済発展、民生の改善を支持し、朝鮮の国情にあう発展の道を歩んでいくことを支持する」と経済的支援と北朝鮮の民生改善を望む姿勢を明らかにしている。
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金正恩委員長訪中:新しい国家関係(6月20日)
6月19-20日の日程で金正恩委員長が中国を訪問している。20日の人民日報は一面トップで習近平主席と金正恩委員長が並んで歓迎式典で赤絨毯を歩いている写真を掲載している。会談で、習近平主席は1週間前に開催された米朝首脳会談で朝鮮半島の非核化が実現したことや半島の平和メカニズムが構築されたことを中国が歓迎していると伝え、一方金正恩委員長は米朝首脳会談における中国の協力に感謝の意を述べている。
さらに習近平主席は北朝鮮が今後経済建設に重点を置くことを重視し、中国は北朝鮮の経済発展を支持するとも述べている。...
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6月19-20日の日程で金正恩委員長が中国を訪問している。20日の人民日報は一面トップで習近平主席と金正恩委員長が並んで歓迎式典で赤絨毯を歩いている写真を掲載している。会談で、習近平主席は1週間前に開催された米朝首脳会談で朝鮮半島の非核化が実現したことや半島の平和メカニズムが構築されたことを中国が歓迎していると伝え、一方金正恩委員長は米朝首脳会談における中国の協力に感謝の意を述べている。
さらに習近平主席は北朝鮮が今後経済建設に重点を置くことを重視し、中国は北朝鮮の経済発展を支持するとも述べている。米国は北朝鮮の完全な非核化の後に経済制裁を解除するとしているが、中国は経済制裁を緩和しようとしているように見受けられる。
一方20日の「環球時報」の社説は、今回の金正恩委員長訪中が米中貿易戦争の対抗カードのように米韓をはじめとして西側のマスコミがとらえていることを笑止千万としている。もっとも西側の報道を気にしているのは、多少は意識しているからかもしれない。
同社説は、3か月足らずの間に3度金正恩委員長が訪中したのは、中朝関係が新しい段階に入ったからであり、「新型の戦略的パートナーシップ」の関係になったのだとも述べている。中国は戦略的パートナーシップとは、「双方が国家の安全と利益を土台として協力し、全体・全局・核心的利益において一致していることが必要」と定義しており、戦略的パートナーシップの前には重要度や関係性に応じて、「全面的」や「全方位的」という修飾語がつけられる。ロシアとの関係は「全面的な戦略的パートナーシップの新しい段階」であり、ドイツとは「全方位的な戦略的パートナーシップ」である。
既報のように5月の金正恩訪中の際には、習近平・金正恩の両首脳の肩書は国家としての肩書(国家主席、国務委員会委員長)の他に党の肩書(中共中央総書記、朝鮮労働党委員長)の肩書がつけられていて、党関係の修復が図られたことが明らかになったが、今回はさらに関係性が「昇格」したことになる。
まだ両首脳の発言では報道されないが、今後何らかの時点で公式に語られることになろう。
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非核化・段階的に・北朝鮮・中国と首脳会談 (6月20日)
中国を訪問している北朝鮮・金正恩朝鮮労働党委員長は、人民大会堂で過ごした後、宿泊先の釣魚台迎賓館に戻った。
中国中央テレビによると、習近平国家主席と3回目の首脳会談に臨んだ。
習主席はシンガポールで行われた米朝首脳会談について「積極的な成果を得たことを高く評価する」と述べた。
金委員長は「非核化は段階的に行うべき」との考えを改めて示した。北朝鮮としては、中国を後ろ盾にして米国との交渉の臨む姿勢を鮮明にしている。
北朝鮮をめぐり動き出す国際情勢(6月19日)
19~20日金正恩委員長が訪中すると、中国国営テレビが伝えた。これまでは北朝鮮のトップが訪中する場合、帰国後に両国から発表があったことからすると様変わりである。シンガポールでの米朝首脳会談で、金正恩委員長が北朝鮮を離れることが事前に公表されても北朝鮮で異変がなかったことから、今回は直前とはいえ、事前の発表になったもので、今後は他の国と同じ扱いをすることになろう。金正恩委員長は米朝首脳会談の首尾を中国に説明しにいくものと見られる。...
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19~20日金正恩委員長が訪中すると、中国国営テレビが伝えた。これまでは北朝鮮のトップが訪中する場合、帰国後に両国から発表があったことからすると様変わりである。シンガポールでの米朝首脳会談で、金正恩委員長が北朝鮮を離れることが事前に公表されても北朝鮮で異変がなかったことから、今回は直前とはいえ、事前の発表になったもので、今後は他の国と同じ扱いをすることになろう。金正恩委員長は米朝首脳会談の首尾を中国に説明しにいくものと見られる。トランプ大統領が金正恩委員長に電話番号を渡して直接電話会談をする、として米朝間の信頼関係をアピールするのを横目に、中国は中国の北朝鮮の影響力を見せつけようとしている。金正恩委員長は米中間のバランスをとっていくことになろう。
一方韓国との間でもトップ外交ではないものの、スポーツ会談や赤十字会談、鉄道と道路の連結に関する会談を立て続けに開催。来月には平壌でバスケットボールの親善試合を行い、年内にはソウルでも行う予定。また8月にジャカルタで開催されるアジア大会では開会式と閉会式で統一旗を掲げて入場し、いくつかの競技では合同チームで参加する予定である。
また韓国の康京和外交部長官とポンペオ国務長官の間では、北朝鮮が非核化を行うまでは経済制裁を続けるとして合意しているというが、米国が「完全な非核化まで」としているのに対し、韓国は「実質的な非核化の措置をとるまで」制裁を続けるとしていて、韓国のほうが緩い基準で進んでいるのではないかとの見方もある。また康京和外交部長官は8月にシンガポールで北朝鮮の李容浩外相と会談の予定。
北朝鮮がこれまでの外交方針を大きく変えていくなかで、日本との間でも首脳会談を行うべく事務方の折衝が図られている。ロシア・ウラジオストクで9月に開催される東方経済フォーラム、あるいはニューヨークの国連総会のどちらかで、首脳の接触が行われるのではないかと観測がある。
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