フランス領・ニューカレドニア住民投票・独立反対が圧倒的多数に(12月13日)
南太平洋にあるフランス領のニューカレドニアできのうに行われた、独立の賛否を問う住民投票では独立反対が圧倒的多数を占め、ニューカレドニアはフランスにとどまることになった。
先住民族の「カナック」を中心に独立運動が活発化していた。住民投票は2018年と去年に続く3回目で、これが最後となる。
投票率は43.90%と、前回を40ポイント余り下回った。ニューカレドニアはニッケルの世界有数の産地でもある。...
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南太平洋にあるフランス領のニューカレドニアできのうに行われた、独立の賛否を問う住民投票では独立反対が圧倒的多数を占め、ニューカレドニアはフランスにとどまることになった。
先住民族の「カナック」を中心に独立運動が活発化していた。住民投票は2018年と去年に続く3回目で、これが最後となる。
投票率は43.90%と、前回を40ポイント余り下回った。ニューカレドニアはニッケルの世界有数の産地でもある。仮に独立することになれば太平洋地域の島しょ国との関係を深めている中国の影響力がさらに強まる可能性も指摘され、関心が集まっていた。
フランス・マクロン大統領はニューカレドニアがとどまる決断したことでフランスはさらに美しくなったとコメントした。
独立賛成派は今回の結果は認められないとしている。
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デジタル人民元の動き(12月11日)
2022年の北京五輪で初披露されるデジタル人民元が各国の中央銀行から発行される世界初のデジタル通貨になると言われている。
デジタル人民元は電子マネーとは本質的に異なるもので、それ自体が法定通貨として通用し、市中銀行を介して流通させる間接型の金融システムである。
既に中国は、香港の銀行や事業者と連携しながら、デジタル人民元の送金、支払いの第1段階の技術テストを完了し、クロスボーダー決済テストの第二段階に入っている。...
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2022年の北京五輪で初披露されるデジタル人民元が各国の中央銀行から発行される世界初のデジタル通貨になると言われている。
デジタル人民元は電子マネーとは本質的に異なるもので、それ自体が法定通貨として通用し、市中銀行を介して流通させる間接型の金融システムである。
既に中国は、香港の銀行や事業者と連携しながら、デジタル人民元の送金、支払いの第1段階の技術テストを完了し、クロスボーダー決済テストの第二段階に入っている。
利用者はウォレット(口座)を開設することによって自身の貯金口座からデジタル人民元を引き出すことができる。
例えば、中国本土からの観光客が香港に旅行に行き、デジタル人民元を使ってショッピングをした場合、外貨の交換は2つのウォレット間で完了し、現地の事業者には香港ドルで支払われる。そのため、米ドルのような外国通貨を支払い手段として使う必要がなくなる。
米国の上院議員3名は、北京五輪に参加予定の米国選手団に対し、デジタル人民元のウォレットが監視用のツールとして使われる危険性があるとして、受け取ったり、使わないように求めている。仮に北京五輪から帰国後も選手が米国国内で使い続けた場合、監視ツールになる危険性があると指摘している。
中国はデジタル人民元の技術テストと同時並行で、中国、香港、タイ、アラブ首長国連邦の中央銀行デジタル通貨をつなぐ多国間プロジェクト「mBridge」の実証実験を進めている。これが発展していけば米国が主導する決済システム「スイフト」を脅かすシステムに発展していく可能性もある。
中国がデジタル人民元を通じて米ドル支配の構造、ドル覇権にくさびを打ち込みたいと考え、ドル覇権国・米国がこの動きに最大級の警戒をしていることだけは間違いなさそうである。
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中国に真の民主主義は存在するのか(12月6日)
米国主催の「民主主義サミット」が9日から2日間にわたってオンライン形式で開催される。
世界から100か国以上が参加する予定であるが、専制国家とみなされる中国、ロシアのような国々は招待されていない。中国やロシアは「世界の分断を推し進めるものだ」と強く反発している。
中国・王毅外相は民主主義サミットについて「米国の目的は民主主義などではなく、覇権なのだ」とした上で、「米国を民主主義の手本だと認めるかと各国に問えば、気まずい結果になることはわかり切っている」と強気の姿勢を見せた。...
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米国主催の「民主主義サミット」が9日から2日間にわたってオンライン形式で開催される。
世界から100か国以上が参加する予定であるが、専制国家とみなされる中国、ロシアのような国々は招待されていない。中国やロシアは「世界の分断を推し進めるものだ」と強く反発している。
中国・王毅外相は民主主義サミットについて「米国の目的は民主主義などではなく、覇権なのだ」とした上で、「米国を民主主義の手本だと認めるかと各国に問えば、気まずい結果になることはわかり切っている」と強気の姿勢を見せた。
中国共産党中央宣伝部のジョリン副部長は、「米国は自らを指導者に見せているが、実際には民主主義を隠れみのにして社会制度や発展モデルが異なる国々を抑圧し封じ込めているものだ」と非難した。
こうした批判に対し、ホワイトハウスの報道官は「(民主主義サミットは)世界の民主主義を守るためのものであり、どう批判されようと謝罪する類のものではない」と切り返した。
こうした中、あたかも民主主義サミットをけん制するかのように「中国の民主主義に関して」という民主主義に関する白書を中国共産党と中国政府が発表した。
2万字を超えるこの白書は「中国は、欧米モデルをそっくりまねることなく、中国式民主主義を創造した」との内容である。
その中で「民主主義は全人類共通の価値であり、中国共産党と中国人民が終始一貫して堅持している重要な理念である」との主張が展開されており、「民主主義は一部の国の専売特許ではない」とまで書かれている。
「管轄海域」など、これまでにない新しい法的概念を発想してきた中国であるが、あれだけ天安門事件で人民を弾圧し、香港市民を弾圧してきた今、中国版「民主主義」まで作ってしまった。こうした国が10年以内に世界最大の経済大国になるといわれているが、民主主義の前途は厳しいというほかない。
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高速鉄道網でASEANの取り込み図る中国(12月4日)
中国とラオス全土を結ぶ高速鉄道「ラオス中国鉄道」が開通した。中国・習近平国家主席はラオス・トンルンシースリット国家主席とオンライン会談を開き、高速鉄道を足掛かりとした中国とラオスの友情を強調してみせた。
「ラオス中国鉄道」は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のど真ん中を突っ走る大型プロジェクトであり、その資金の多くと技術は中国によるものである。
将来的にはタイ、マレーシア、シンガポールなどのASEAN各国を通す予定であり、この鉄道が実現すれば地政学的にも大きなインパクトをアジア全域にもたらすことは間違いない。...
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中国とラオス全土を結ぶ高速鉄道「ラオス中国鉄道」が開通した。中国・習近平国家主席はラオス・トンルンシースリット国家主席とオンライン会談を開き、高速鉄道を足掛かりとした中国とラオスの友情を強調してみせた。
「ラオス中国鉄道」は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のど真ん中を突っ走る大型プロジェクトであり、その資金の多くと技術は中国によるものである。
将来的にはタイ、マレーシア、シンガポールなどのASEAN各国を通す予定であり、この鉄道が実現すれば地政学的にも大きなインパクトをアジア全域にもたらすことは間違いない。更に、中国はこのエリアで次にデジタル人民元を流通させることさえ目論んでいるのかもしれないと感じさせる勢いである。
今回、習主席がオンライン会談でラオスとの関係をことさら強調したのは、今後、高速鉄道網に組み込まれる予定のタイを意識してのものでもあると言える。
中国の「債務のわな」を警戒するタイに対して、「次はタイまでこの鉄道を確実に延ばすので待っていてほしい」というメッセージでもあった。さらに言えばASEAN各国の中では比較的に中国と距離をとっているベトナムをけん制しているものであるとの見方もある。
ASEANの国の中には最近の中国のふるまいを快く思っていない国があり、ベトナムもそのひとつの国である。こうした足並みの乱れを突くように欧米や日本がASEANをG7に招待したことで中国は危機感を募らせている。
習主席がASEANを懐柔するために先月、22日「中国は域内諸国を抑圧し覇権を追求することはない」などと異例の呼びかけを行ったことは記憶に新しい。
中国は今後、ありとあらゆる手段を用いてASEAN地域の取り込みを図ってくると見られる。
ある意味、ASEANを貫く高速鉄道が完成した時には中国のASEAN支配の準備が完了するということが言えるかもしれない。これまでASEANに多くの支援や投資を行ってきた日本はその時どうするのか、ますます難しい状態に追い込まれて行く気がする。
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中国・アフリカにワクチン10億回分提供・表明(11月30日)
中国とアフリカ諸国による国際会議・中国アフリカ協力フォーラムがセネガルで始まり、各国の外相などが参加。中国・習近平国家主席はオンライン方式で参加し、アフリカに新型コロナウイルスワクチンをさらに10億回分提供するほか、医療従事者など1500人を派遣すると表明した。
一部で中国製ワクチンに不信感があるほか、米国などもワクチンの提供を増やしている。
中国は新たな変異ウイルス・オミクロン株の感染拡大が懸念されるアフリカで、ワクチン外交を展開する姿勢を鮮明にした。
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