中国のワクチン外交(10月11日)
ここに来て米国と同じくワクチン分野で我が道を進んでいたかのように見えていた中国が、新型コロナウイルスワクチン共同購入・配分の国際枠組みである「COVAX」に正式に参加した。この参加理由について中国は「ワクチンを国際社会の公共財にするためだ」とし、「新型コロナワクチンの生産能力を十分備えており、準備が整った際には途上国への供給を優先して行う」としている。
「COVAX」参加国(156カ国が参加)は中規模の国が多く、この枠組みで中国は経済規模が最大の国となる。...
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ここに来て米国と同じくワクチン分野で我が道を進んでいたかのように見えていた中国が、新型コロナウイルスワクチン共同購入・配分の国際枠組みである「COVAX」に正式に参加した。この参加理由について中国は「ワクチンを国際社会の公共財にするためだ」とし、「新型コロナワクチンの生産能力を十分備えており、準備が整った際には途上国への供給を優先して行う」としている。
「COVAX」参加国(156カ国が参加)は中規模の国が多く、この枠組みで中国は経済規模が最大の国となる。これまで距離を置いてきた「COVAX」という枠組みに中国が参加した裏の理由については、いくつかある。一つ目は中国に対する国際的批判をかわすこと、懐柔することであると思われる。
これまで中国はワクチンを自らが進める国際プロジェクトである「一帯一路」参加国などに限ってワクチンを提供し、ワクチンを政治や外交に利用する「ワクチン外交を展開している」と批判されてきたが、こうした疑念を払拭するとともに、特に米国や豪州が主張している「中国がコロナウイルスをまき散らした」との国際的非難をかわす目的がある。
さらに枠組みに参加しない米国に対し「国際協調に積極的でない」として米国批判を展開する目的も隠れているとみられる。
加えて考えられるのは日本に対する懐柔作戦である。6日に日米豪印による4ヵ国外相会合が行われ、「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向けて4ヵ国アライアンスを強化していくと表明した、そのすぐ後のタイミングであったことからも窺える。中国は日本を引き寄せ、米国との間にくさびを打つ考えを持っており、TPPへの加入も水面下で検討されている。
米国が国際協調に後ろ向きな現在、日本としては裏の意図があろうと中国が国際的協調路線に足を踏み込むことは歓迎すべきことである。米国は中国から距離を取ったが、日本は隣国として中国が変わるものとの立場を維持し、言うべきことは言うというスタンスで向き合っていくのが正解かもしれない。
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米中対立のはざまで…翻弄される中国人留学生(10月3日)
1か月後に迫った米国大統領選挙。争点の一つが中国との関係だ。米中の対立が激しさを増し両国の人々に影響を与える中、米国で学ぶ中国人留学生も将来に不安を抱いている。
カリフォルニア大学・ロサンゼルス校ではアジア系の学生も多く留学生の6割にあたる約3300人が中国人留学生だ。
中国からの留学生・王イレンは博士課程でバイオサイエンスを学んでいる。成績はトップクラスで北京大学医学部を卒業した。
シアトルに長期滞在した王は生活費を切り詰めるためにボートで生活しながら企業のインターンに参加した。...
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1か月後に迫った米国大統領選挙。争点の一つが中国との関係だ。米中の対立が激しさを増し両国の人々に影響を与える中、米国で学ぶ中国人留学生も将来に不安を抱いている。
カリフォルニア大学・ロサンゼルス校ではアジア系の学生も多く留学生の6割にあたる約3300人が中国人留学生だ。
中国からの留学生・王イレンは博士課程でバイオサイエンスを学んでいる。成績はトップクラスで北京大学医学部を卒業した。
シアトルに長期滞在した王は生活費を切り詰めるためにボートで生活しながら企業のインターンに参加した。卒業後も米国で研究を続けたいと考えている。王イレンは「米国の方がバイオや医療分野では中国より資金面で恵まれていると思う」と話した。
しかし激しさを増す米国と中国の対立に頭を悩ませている。ビューリサーチセンター調べでは中国の印象を「好ましくない」とする人はトランプ政権発足時の2017年には47%だった。それが今年7月には73%にまで増加した。
さらに先月、米国国務省は米国の大学や研究機関から知的財産・高度な技術の流出を防ぐため中国人1000人以上のビザを取り消した。王イレンは「米国の世論一般は中国人留学生をよく思っていないと感じる」と話した。
米国国内でもこうした状況が続けば海外から優秀な人材が集まらなくなり自国の経済力をそぐことになると指摘する声が出ている。
教育ジャーナリスト・カリンフィッシャーは「大学は留学生を受け入れ国際化を進めることで強じんになると言われている。海外とのつながりが弱くなれば米国の力の低下につながるおそれがある」と話した。同じ大学に通う中国人留学生の仲間も王と同じ悩みを抱えている。王イレンは「中国の人たちはそこで歓迎されなければ帰ってきて一緒に働こうと言ってくれているが・・・」と話した。
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中国・来月重要会議を開催・経済政策など議論(9月29日)
中国の今後の重要方針を話し合う共産党の会議が来月26日から開催されることになり、2035年までの長期目標について議論される。
国営の中国中央テレビなどは昨日、共産党が今後の重要方針を話し合う会議「5中全会」を来月26日から29日まで北京で開催することを決めたと伝えた。
5中全会は習近平指導部をはじめ300人以上の幹部が出席する重要会議で来年から2025年までの経済政策の基本方針や重点事業をまとめた5か年計画に加え、2035年までの長期目標が示される見通しである。...
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中国の今後の重要方針を話し合う共産党の会議が来月26日から開催されることになり、2035年までの長期目標について議論される。
国営の中国中央テレビなどは昨日、共産党が今後の重要方針を話し合う会議「5中全会」を来月26日から29日まで北京で開催することを決めたと伝えた。
5中全会は習近平指導部をはじめ300人以上の幹部が出席する重要会議で来年から2025年までの経済政策の基本方針や重点事業をまとめた5か年計画に加え、2035年までの長期目標が示される見通しである。
中国は2015年に打ち出した世界トップの製造強国を目指す産業政策、「中国製造2025」をめぐって米国と対立し、その後も新たな通信規格5Gなどハイテク分野で米国との覇権争いが激しくなっている。今回の長期目標でも焦点はハイテク分野でどのような戦略を示すかでその内容次第では新たな対立の火種となる可能性もある。
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世界最大規模・北京モーターショー開幕(9月26日)
世界各地でイベントの中止が相次ぐ中、北京モーターショーが始まった。
北京モーターショーは4月に開催される予定だったが、新型コロナの影響で延期となり5か月遅れで開幕した。
出展台数は780台余りと例年に比べて規模はやや縮小しているが、モーターショーは欧米で中止が相次いでいて主催者はことし世界で唯一開催される主要なモーターショーだとしている。
中国の自動車市場は、感染拡大の影響で大きな打撃を受けたが新車の販売台数は5か月連続で去年の同じ月を上回り持ち直しの動きが続いている。...
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世界各地でイベントの中止が相次ぐ中、北京モーターショーが始まった。
北京モーターショーは4月に開催される予定だったが、新型コロナの影響で延期となり5か月遅れで開幕した。
出展台数は780台余りと例年に比べて規模はやや縮小しているが、モーターショーは欧米で中止が相次いでいて主催者はことし世界で唯一開催される主要なモーターショーだとしている。
中国の自動車市場は、感染拡大の影響で大きな打撃を受けたが新車の販売台数は5か月連続で去年の同じ月を上回り持ち直しの動きが続いている。
各社は中国での販売拡大を図りたい考えで、中でも中国政府が導入を後押ししている電気自動車などの競争が激しくなっていることから、電気自動車の性能や最新の運転支援機能などのアピールに力を入れている。
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中国軍が初参加(9月23日)
ロシア南部で4年に1度行われる大規模な軍事演習に中国軍が初めて参加。演習では仮想敵国の支援を受けたテロ組織と戦うなどのシナリオが設定され、初日はそれぞれの部隊が配置につく訓練が行われた。
中国軍は北京から5000キロ以上離れたロシア南部での演習参加今回が初めてである。
ロシアは中国が進める弾道ミサイル早期警戒システムの開発支援など近年軍事分野で接近を強める。今回の軍事演習でも連携強化する狙いと思われる。...
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ロシア南部で4年に1度行われる大規模な軍事演習に中国軍が初めて参加。演習では仮想敵国の支援を受けたテロ組織と戦うなどのシナリオが設定され、初日はそれぞれの部隊が配置につく訓練が行われた。
中国軍は北京から5000キロ以上離れたロシア南部での演習参加今回が初めてである。
ロシアは中国が進める弾道ミサイル早期警戒システムの開発支援など近年軍事分野で接近を強める。今回の軍事演習でも連携強化する狙いと思われる。
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