中国:対外貿易史上最高へ(12月24日)
米中貿易戦争の先行きがわからないなかで、22日開催された商務工作会議では、2018年の中国の対外貿易が史上最高になるとの見通しが明らかになった。
1~11月の中国の貿易額は、11.1%増の27.9兆元(4兆2450億㌦)で、高品質・ハイテク・高付加価値産品の輸出が増加した。また民営企業の輸出に占める割合は47.9%に達し、輸出増加への寄与度は65%に達した。これらにより中国の世界第1位の貿易大国の地位はさらに盤石になった。...
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米中貿易戦争の先行きがわからないなかで、22日開催された商務工作会議では、2018年の中国の対外貿易が史上最高になるとの見通しが明らかになった。
1~11月の中国の貿易額は、11.1%増の27.9兆元(4兆2450億㌦)で、高品質・ハイテク・高付加価値産品の輸出が増加した。また民営企業の輸出に占める割合は47.9%に達し、輸出増加への寄与度は65%に達した。これらにより中国の世界第1位の貿易大国の地位はさらに盤石になった。
鐘山商務部長は2018年には第1回の中国国際輸入博覧会が成功し、自由貿易試験区もさらに進展したことが、貿易の発展につながったとしている。
外資導入については、1~11月の実際の外資の利用額は1.1%増の1212.6億㌦で、うち製造業が30.2%を占めた。ドイツ、日本、米国からの投資が各々、86.7%、23.7%、6.6%増加した。中国の対外投資は1~11月では1140億㌦で、2.5%増加した。
鐘山商務部長は、2019年も引き続き供給サイドの構造改革を主軸にして、「強固・増強・提昇・暢通(広く通じる)」の8文字のもと、全方位の対外開放を推進し、国内市場をさらに強化していくとし、具体的には、第2回の国際輸入博覧会を成功させることと、自由貿易試験区のさらなる発展を掲げたのであった。
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中国:中央経済工作会議開催(12月22日)
12月19~21日に北京で中央経済工作会議が開催された。同会議は翌年の経済政策を決定する重要な会議である。すでに踊り場を迎えつつある中国経済にとって、これまで成長を牽引してきた対外経済関係に陰りが見えるなか、これまでも解決に力を注いできたものの、成果が上がってこなかった国内経済の構造改革に一層力を注がざるを得ない状況になっている。
高度成長が望めないなかにあって、「安定的な」金融政策や、貿易政策、投資政策を目指さざるを得ないものの、財政政策については積極的な政策をとるとしている。...
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12月19~21日に北京で中央経済工作会議が開催された。同会議は翌年の経済政策を決定する重要な会議である。すでに踊り場を迎えつつある中国経済にとって、これまで成長を牽引してきた対外経済関係に陰りが見えるなか、これまでも解決に力を注いできたものの、成果が上がってこなかった国内経済の構造改革に一層力を注がざるを得ない状況になっている。
高度成長が望めないなかにあって、「安定的な」金融政策や、貿易政策、投資政策を目指さざるを得ないものの、財政政策については積極的な政策をとるとしている。地方政府の債券の発行規模の拡大を容認し、減税額も増大するとしている。減税によって、企業のコスト削減につなげるというのである。また金融面では、これも今までも繰り返し言われていることであるが、民営企業や中小企業への融資難を解消するようにと改めて述べられている。銀行融資の国有企業偏重を改められるかが鍵となる。
さらに国内の経済改革については、2015年以来言われてきている「供給サイトの改革」が繰り返されている。「三去(生産過剰の調整、在庫調整、債務圧縮)一降(コスト削減)一補(弱い部分の補給)」にも触れられており、思うように改革が進まない現状を認めざるを得ない状況となっている。
中国経済はいまや内憂外患に見舞われ、「安定的な」発展、すなわち6%台半ばの経済成長も難しくなりつつある。2019年は建国70周年を迎えるが、それまでに人々に小康(まずまずの水準)状態の暮らし向きを約束していたのである。この約束が果たされるのか、目に見える経済成長の成果がなければ、政権への「信認」も問われることになる。
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中国:三人目のカナダ人拘束か(12月20日)
19日、カナダの「ナショナル・ポスト」紙は、今週火曜日に中国で3人目のカナダ人が拘束されたと伝えた。これに対し、中国外交部の19日の定例の記者会見で、華春瑩報道官は、このニュースに関し、「何も聞いていない」と答えた。
カナダ外務省は3人目のカナダ人が中国で拘束されていることは認めたが、何の嫌疑かなどの詳細はわからないと答えている。カナダ人拘束者の1人目と2人目について、中国は中国の国家安全に危害を加える恐れがあったためとしている。
改革開放40周年:習近平講話に現れたもの(12月19日)
改革開放政策が正式に始まる前、貧しかった安徽省のある村で、農民たちは血判状をつくって決死の覚悟で、請負制を始めた。文化大革命の影響が残り、社会主義の教条主義的な考えが色濃く残る社会においては、改革開放政策以降は当たり前となる、農業生産における請負制すら命がけのことであったのである。だからこそ40年前鄧小平が唱えた、「先に豊かになる機会がある者は、機会を掴んで、豊かになれ」という先富論を、人々は驚きながらも、また当初は揺り戻しがあるのではないかと、恐々ではあったものの、経済的に豊かになることの実利を人々は受け入れて、豊かになる活動に邁進したのだった。...
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改革開放政策が正式に始まる前、貧しかった安徽省のある村で、農民たちは血判状をつくって決死の覚悟で、請負制を始めた。文化大革命の影響が残り、社会主義の教条主義的な考えが色濃く残る社会においては、改革開放政策以降は当たり前となる、農業生産における請負制すら命がけのことであったのである。だからこそ40年前鄧小平が唱えた、「先に豊かになる機会がある者は、機会を掴んで、豊かになれ」という先富論を、人々は驚きながらも、また当初は揺り戻しがあるのではないかと、恐々ではあったものの、経済的に豊かになることの実利を人々は受け入れて、豊かになる活動に邁進したのだった。
改革開放40周年大会の習近平講話は、全文1万3250字におよび、読みあげの時間は1時間以上にのぼった。ただし全62段落のうち40年の経済発展の成果、GDPが年平均9.5%伸びたことや世界経済に関する貢献度が30%にのぼること、また貧困人口が7.4億人減少したことなどの具体的成果は2段落が割かれているにすぎない。演説の大半は共産党の偉大な成果として、中国共産党の理論から実践に至る偉大な創造だといい、鄧小平的な実務主義の要素は皆無であった。
現在の中国経済は、高度成長が踊り場に差し掛かっており、国際的な状況も厳しいにもかかわらず、習近平講話では、具体的なあるいはわかりやすい方策は何も示されておらず、「40年来、我々は中国共産党の指導を終始堅持し」「党の指導は中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴であり」「全面的で厳格な党内統治を堅持し、党の創造力、結束力、戦力を高め続けていかなければならない」など、終始中国共産党の正しさのみが強調された講話となっているのだった。
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中国・改革開放40年(12月18日)
飛躍的経済発展をもたらした「改革開放」政策から40周年を記念して行われる。転機はまさに40年前の今日だった。
計画経済から市場経済へ移行し、改革開放政策の記念日とされるのが40年前のきょう12月18日だった。
その後、中国のGDP国内総生産は200倍以上に飛躍的な経済発展で世界2位の経済大国となった。
習近平国家主席は市場開放をさらに進める姿勢を強調する見通しである。
ただ中国が世界トップを目指す産業政策・中国制造2025について米国はハイテク分野の覇権を奪おうとしているとみて警戒感を強めている。...
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飛躍的経済発展をもたらした「改革開放」政策から40周年を記念して行われる。転機はまさに40年前の今日だった。
計画経済から市場経済へ移行し、改革開放政策の記念日とされるのが40年前のきょう12月18日だった。
その後、中国のGDP国内総生産は200倍以上に飛躍的な経済発展で世界2位の経済大国となった。
習近平国家主席は市場開放をさらに進める姿勢を強調する見通しである。
ただ中国が世界トップを目指す産業政策・中国制造2025について米国はハイテク分野の覇権を奪おうとしているとみて警戒感を強めている。
さらに国内では貧富の格差の拡大に根強い不満がある。
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