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TSMCを巡る米中戦略的動き(7月3日)
高性能半導体が20世紀の石油に匹敵する戦略存在となっている。3ナノという世界最高の次世代製造技術を持つ台湾のTSMCは日々影響力を拡大させている。
世界の高性能半導体の製造はTSMCを中心に回っているといっても過言ではない。水面下では米国と中国の間でTSMCの奪い合いが展開されている。7月2日、米国・アップルとインテルがTSMCの3ナノの次世代製造技術を採用する見通しであることが明らかになった。...
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高性能半導体が20世紀の石油に匹敵する戦略存在となっている。3ナノという世界最高の次世代製造技術を持つ台湾のTSMCは日々影響力を拡大させている。
世界の高性能半導体の製造はTSMCを中心に回っているといっても過言ではない。水面下では米国と中国の間でTSMCの奪い合いが展開されている。7月2日、米国・アップルとインテルがTSMCの3ナノの次世代製造技術を採用する見通しであることが明らかになった。タブレット端末やパソコン向けに導入するもので2022年にも市場にお目見えすることになりそうだ。
インテルは自社製造が軌道に乗るまで中核製品の製造をTSMCに委託する格好となる。
気がかりなのは現時点では最先端半導体製造の92%が台湾に集中しているということである。喉から手が出るほどTSMCを欲しい中国だが、米国や日本からの強い牽制にあっている。
高性能半導体の調達にうまくいかない中国は、最悪の場合、台湾海峡有事を意図的に引き起こさないとも限らない。
台湾海峡封鎖は石油におけるホルムズ海峡封鎖に匹敵する一大事となる。
その場合には自動車産業、デジタル産業に大きな影響が及び世界経済は苦境に立たされることになる。
TSMCの存在感が高まれば高まるほど、台湾海峡有事の危険性も高まってくる状況にある。
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中国国内の新興企業に大きな異変と米国の動き(6月26日)
中国国内の新興企業に異変が起きている。アリババ創業者・ジャックマー、中国検索エンジン最大手「百度」・李彦宏、パソコンメーカー「レノボ」・柳傳志、eコマース大手「JDドットコム」・劉強東、大手EC企業「ピンドゥオドゥオ」・黄崢、TikTokなど運営「バイトダンス」・張一鳴ら、中国社会の発展に寄与してきたIT企業カリスマCEO達が今、次々と退任している。
当局が力を持ち過ぎた彼らに圧力をかけているともいわれている。...
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中国国内の新興企業に異変が起きている。アリババ創業者・ジャックマー、中国検索エンジン最大手「百度」・李彦宏、パソコンメーカー「レノボ」・柳傳志、eコマース大手「JDドットコム」・劉強東、大手EC企業「ピンドゥオドゥオ」・黄崢、TikTokなど運営「バイトダンス」・張一鳴ら、中国社会の発展に寄与してきたIT企業カリスマCEO達が今、次々と退任している。
当局が力を持ち過ぎた彼らに圧力をかけているともいわれている。選挙も世論調査もない中国で、ある日、突然大きな影響力を持つ彼らが自分たちのメディアを使って、中国共産党に反旗をひるがえすのではないかという疑念が習国家主席に生じたとしても不思議ではない。
しかし、中国のこれまでの成長はこうした自由主義的企業があったからこそ達成されたのであり、追い詰め過ぎれば自分で自分の発展の道を閉ざすことにもなる。
説得力のある見方として、中国はGDPで米国と並ぶと言われている2030年に向けて、1つにまとまっていく為の下準備として自分達のコントロール下に置きやすいCEOに置き換えていると考えられる。党のグリップをより強化し準国家組織といえるレベルまでこうした企業を変えていこうとしているのかもしれない。
一方、米国は中国を強く意識し、新大西洋憲章を掲げた。また、G7やNATOで米国版一帯一路「Build Back Better World(より良い世界の再建)」(B3W)というプラットフォームも提唱している。
この構想は途上国へのインフラ整備を支援する、中国の一帯一路に対抗する新たな構想であり、まだ全貌は見えてきていないが、民主国家群と専制国家群のデジタルデカップリングを促進する動きとも捉えられる。
今後、中国国内ではこうした中国包囲網ともいえる動きに対抗し、強く結束する動きが出てくることが予想される。このような米国の対中シフトにおいては地理的に中国に近い日本が大きな役割を果たすことになるが、日米の戦略が中国の戦略とどうぶつかるのかに大きな注目が集まっている。
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米国国務長官・“台湾統一への中国の動き裏付ける情報”(6月18日)
米国のオースティン国防長官は、米国議会上院で開かれた台湾情勢を巡る公聴会に出席し「台湾統一に向けた中国の動きを裏付ける、複数の情報を得ている」と明らかにした。
そのうえで、「米国は台湾が必要としている能力を提供し、台湾の防衛に関与し続ける」と述べ、台湾への軍事的な圧力を強める中国に対抗していくため、米国軍として関与を続ける考えを強調した。
また国務省で台湾を担当するフリッツ次官補代理は「中国政府が圧力を強めることによって現状を変えようとするなら、台湾への支援をさらに強化する義務がある」と述べ、武器の売却などを通じて安全保障面で台湾との連携を一段と強めていくことが必要だという考えを示した。
G7・すべての討議終え閉幕・首脳宣言発表(6月14日)
英国・コーンウォールで3日間に渡って開かれていたG7サミット主要7か国首脳会議は、すべての討議を終え閉幕した。
首脳宣言では“台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的な解決を促す。東シナ海、南シナ海の状況を引き続き深刻に懸念するとともに現状を変え緊張を高めるあらゆる一方的な試みに強く反対する”としている。
また、中国とは気候変動などグローバルな課題で協力していくとしているが、新疆ウイグル自治区における人権や基本的な自由、香港の高度な自治を尊重するよう求めると強調した。...
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英国・コーンウォールで3日間に渡って開かれていたG7サミット主要7か国首脳会議は、すべての討議を終え閉幕した。
首脳宣言では“台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的な解決を促す。東シナ海、南シナ海の状況を引き続き深刻に懸念するとともに現状を変え緊張を高めるあらゆる一方的な試みに強く反対する”としている。
また、中国とは気候変動などグローバルな課題で協力していくとしているが、新疆ウイグル自治区における人権や基本的な自由、香港の高度な自治を尊重するよう求めると強調した。
新型コロナウイルスを乗り越える世界の団結の象徴として、東京五輪・パラリンピックを安全に開催することを改めて支持すると表明している。
英国・ジョンソン首相は“各国首脳は新型コロナウイルスワクチン10億回分を提供すると約束した”と述べた。
菅首相は“東京五輪・パラの開催に全首脳から力強い指示を得た”と明らかにした。
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G7・途上国インフラ支援・ワクチン提供・中国への対抗色鮮明に(6月13日)
英国で開かれているG7サミット・主要7か国首脳会議で各国は途上国のインフラ支援のための新たな構想を立ち上げることで合意したほか、新型コロナウイルスワクチンの世界への提供でも合意する見込みで、巨大経済圏構想やいわゆるワクチン外交を展開する中国への対抗色を鮮明にしている。
G7サミットは2日間の討議を終え、13日に最終日を迎える。12日には中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する途上国のインフラ整備を支援するための新たな構想を立ち上げることで各国が合意した。...
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英国で開かれているG7サミット・主要7か国首脳会議で各国は途上国のインフラ支援のための新たな構想を立ち上げることで合意したほか、新型コロナウイルスワクチンの世界への提供でも合意する見込みで、巨大経済圏構想やいわゆるワクチン外交を展開する中国への対抗色を鮮明にしている。
G7サミットは2日間の討議を終え、13日に最終日を迎える。12日には中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する途上国のインフラ整備を支援するための新たな構想を立ち上げることで各国が合意した。
議長国・英国は来年中に新型コロナウイルスの感染拡大を収束させるため、G7として少なくとも10億回分のワクチンを提供できるようにすることで合意する見込みだと明らかにしている。
中国を最も重大な競合国と位置づける米国・バイデン政権の高官は「中国に対し共に向き合っていくための強固な基礎が築かれた」という認識を示し、「中国の新疆ウイグル自治区の人権問題や市場原理に基づかない不公正な経済活動への対応でも各国の認識が一致した」という見方を示した。
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