経済への打撃からの復興(4月4日)
世界規模に及んでいる新型コロナウイルスの影響は、海外での日本企業への活動や観光産業、外食産業、運輸・鉄道、アミューズメント産業など日本経済の広範囲な部分に及んでいる。特に影響が大きいのは日本の基幹産業である自動車産業への影響である。世界規模のサプライチェーン断絶が起き、自動車の部品供給が滞り、それによる工場の操業停止などが起きている。トヨタ自動車をはじめ、ホンダなど日本の自動車メーカー8社全てが国内生産を一時停止したり、海外の日本企業主力工場なども操業停止や減産に追い込まれるなど国内外に大きな影響が出ていて、今後リーマンショック以上の影響が出てくることが予想されている。...
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世界規模に及んでいる新型コロナウイルスの影響は、海外での日本企業への活動や観光産業、外食産業、運輸・鉄道、アミューズメント産業など日本経済の広範囲な部分に及んでいる。特に影響が大きいのは日本の基幹産業である自動車産業への影響である。世界規模のサプライチェーン断絶が起き、自動車の部品供給が滞り、それによる工場の操業停止などが起きている。トヨタ自動車をはじめ、ホンダなど日本の自動車メーカー8社全てが国内生産を一時停止したり、海外の日本企業主力工場なども操業停止や減産に追い込まれるなど国内外に大きな影響が出ていて、今後リーマンショック以上の影響が出てくることが予想されている。今後いつまで日本企業の体力が持つのかというところが焦点となり、政府は企業支援を相当スピーディに、本腰を入れて行っていくことが求められている。
リストラによる失業者の増大、トイレットペーパーやマスクなどの生活必需品や衛生製品など、物不足が社会不安を増大させ、パニックによる買い占めや、インターネット上でのデマ拡散などにむすびついている。信じられないことに日本ではいまだにマスクの品薄状態が続いており、新型コロナ感染へのリスクにさらされ続けている。国内に出回っているマスクの7割は中国製であるが、中国が自国への使用に優先的にまわしていたため出荷が滞っていることに加え、中国人転売グループによる買い占めがマスク不足に陥った主要な原因である。そもそも感染症予防は安全保障の一環であり、そのためのマスク製造は、コストが安いからとの理由で第三国に7割も依存するという事態は今後はあってはならない。マスク製造拠点の分散化は喫緊の課題である。加えてPCR検査体制の拡充、新薬・ワクチン製造、人工呼吸器の増産、遠隔診療など新しい予防疫学などと組み合わせたシステム化した医療体制の再構築が早急に求められている。
他方、新型コロナウイルスの影響はインターネットやテレビ電話の使用を増大させたが、この動きは5Gや6Gの発展などテクノロジーの発展にも寄与するかもしれない。感染防止のため、リモートワーク、テレワークに踏み切る企業も増え、小中高、大学の授業などもネット経由で行われている。今回、G7、G20などで各国の政治家も直接顔を合わせることなしにテレビ会議でコロナ対策や経済問題、五輪延期問題を話合った。結果的に新型コロナウイルスが「デジタルトランスフォーメーション社会」を本格的に根付かせる良いきっかけになったと後から振り返れるような効果で新型コロナウイルスの脅威を乗り越えていけることを期待したい。
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加速するワクチン・治療薬開発競争(4月4日)
(世界が注目するアビガン)
新型コロナウイルスがもたらしたものは災いだけでなく、ビジネスチャンスも、もたらしている。新型コロナウイルスがパンデミックに認定されたことにより、世界にまたがる巨大ビジネスマーケットが誕生しメガファーマや、最先端の技術を持つベンチャー企業等は色めき立っている。日本にとっての朗報は富士フィルムホールディングスの子会社が開発した抗インフルエンザ薬・アビガンについて、その有効性が世界に認められ始めていることである(なぜか最近中国でのアビガンについての論文が消去されている)。...
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(世界が注目するアビガン)
新型コロナウイルスがもたらしたものは災いだけでなく、ビジネスチャンスも、もたらしている。新型コロナウイルスがパンデミックに認定されたことにより、世界にまたがる巨大ビジネスマーケットが誕生しメガファーマや、最先端の技術を持つベンチャー企業等は色めき立っている。日本にとっての朗報は富士フィルムホールディングスの子会社が開発した抗インフルエンザ薬・アビガンについて、その有効性が世界に認められ始めていることである(なぜか最近中国でのアビガンについての論文が消去されている)。日本政府はそのうち30か国に対し、アビガンを無償提供する方針である。アビガンは中国政府が臨床研究でその有効性を確認したとしているが、日本国内ではまだ正式に承認されておらず、これから治験プロセスが開始される。日本の中堅化学メーカー・デンカはアビガン増産の動きをにらみ、来月から新潟・糸魚川市にある工場でアビガンの原料となるマロン酸エチルの生産を開始する予定である。
(ワクチン開発競争では出遅れた日本)
安倍首相は3日の参院本会議で「一日も早く有効な治療薬やワクチンの開発を加速する」と強調したが、残念ながら世界のワクチン開発競争においては日本企業の出る幕はない。その背景には日本がPCR検査を積極的にしてこなかったことがある。メガファーマである米国・ジョンソンエンドジョンソン社は米国生物医学先端研究開発局と連携し、9月までにワクチンの臨床試験を開始し、2021年早々にもDNA検査を通じたワクチンができる可能性を示唆している。同社は米国国立衛生研究所と共同でワクチンを作っているベンチャー企業・モデルナ社の存在を強く意識している。モデルナ社は当初は治験の一番最後のステージであるフェーズ3までやってからワクチンを完成させるという話だったが、1年から2年程度の時間が最低かかるため、急遽この方針を撤回し、今年の秋には医療従事者用のワクチンが提供可能であると発表した。ジョンソンエンドジョンソン社はこの動きを見てさらにワクチン開発のスピードを加速している模様である。
(過熱するワクチン開発競争・懸念する声も)
ワクチン開発競争が過熱する一方で懸念する声も聞かれる。例えば「RCNウイルスであるコロナウイルスは遺伝子が次々と変化し、効き目のあるワクチンができ難い」新型コロナウイルスのワクチン接種後に、「実際のウイルスに自然感染すると、通常よりもウイルスを取り込みやすくなる『抗体依存性感染増強という現象が起きるリスクがある』といった指摘もある。ワクチン開発競争では出遅れた日本だが、安全性といった面ではまだまだ日本の出る幕はありそうだ。
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コロナ蔓延最中の米中覇権戦争(4月4日)
(コロナで窮地に立つ米国、コロナで影響力拡大を画策する中国)
世界覇権国・米国に対し新型コロナウイルスが牙をむいている。米国での感染者は24万人を数え、これは世界全体の感染者の合計の約4分の1に相当する。トランプ大統領は「これからの2~3週間で22万人が死ぬことになるだろう。このまま何もしなければ、220万人が死ぬかもしれない」と述べ、米国国内の死亡率が今後2~3週間でピークを迎え、最終的な死者数が最大で24万人になる可能性があると警告した。...
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(コロナで窮地に立つ米国、コロナで影響力拡大を画策する中国)
世界覇権国・米国に対し新型コロナウイルスが牙をむいている。米国での感染者は24万人を数え、これは世界全体の感染者の合計の約4分の1に相当する。トランプ大統領は「これからの2~3週間で22万人が死ぬことになるだろう。このまま何もしなければ、220万人が死ぬかもしれない」と述べ、米国国内の死亡率が今後2~3週間でピークを迎え、最終的な死者数が最大で24万人になる可能性があると警告した。ニューヨークタイムズは賃貸契約のニューヨーク市民約540万人の4割が、今月分の家賃を払えないと報道し、来月分の家賃はさらに払えない人が増える見込みだという。少なくとも50万人の失業者が出るとみられている。こうした経済的窮地に陥っている米国を救うためにFRBは未曾有の量的金融緩和でドルを刷りまくっているためにドルが供給過剰になり世界経済の低迷に耐えられるか懸念されている。さらに米国債や株が売られていうことに加え、原油価格が大暴落していることがますます米国を窮地に追い込んでいる。これまで原油の売買決済がドルに限定されてきたことが米国の特権であったが、その特権が揺らぎ始めている。こうした中、中国は新型コロナウィルスの終息を前提としたステップに進もうとしている。中国が主導するAIIBが新型コロナウイルスの世界的感染拡大で影響を受けた102の加盟国や地域内にある企業に50億ドル(約5400億円)の支援「危機復興ファシリティー」を行うことを、このタイミングで発表したのである。感染拡大に対応しきれないイタリアなども当然この中に含まれている。米国が新型コロナウイルス対策に苦しみ、手を焼いている間にも、中国は世界をどんどん取り込んでいこうとしている。今後はこうした動きに注視していく必要がある。
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首都圏は外出自粛に突入(4月4日)
(緊急事態宣言発令あるか)
2018年にノーベル生理学医学賞受賞した、京都大学特別教授・本庶佑や京都大学iPS細胞研究所・山中伸弥所長らノーベル賞受賞の科学者達が今の事態を放置しておけば米国やイタリア、スペインの二の前になるとして、緊急事態宣言を早期に発令するよう呼び掛けた。本庶教授は3日、東京のテレビ局に出演し、「RNAウイルスであるコロナは、エイズのウイルスと同じように遺伝子が次々と変化し、ワクチンのいいものができない。...
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(緊急事態宣言発令あるか)
2018年にノーベル生理学医学賞受賞した、京都大学特別教授・本庶佑や京都大学iPS細胞研究所・山中伸弥所長らノーベル賞受賞の科学者達が今の事態を放置しておけば米国やイタリア、スペインの二の前になるとして、緊急事態宣言を早期に発令するよう呼び掛けた。本庶教授は3日、東京のテレビ局に出演し、「RNAウイルスであるコロナは、エイズのウイルスと同じように遺伝子が次々と変化し、ワクチンのいいものができない。インフルエンザも同じ。世界はあっという間に医療崩壊に巻き込まれた。今、日本が耐えているのが不思議である。しかし、(これが壊れるのは)時間の問題。日本医師会の横倉会長は、医療崩壊は間近である。緊急事態宣言を出すべきであるという声明を2回にわたって発表している。緊急事態、医療崩壊では死者の10%が医療関係者になる。一方、総理は国民の健康が第一であるものの、(今は)緊急事態ではないと言った。では一体、どうなれば非緊急事態なのか。大部分の国民が恐れていることは、一に医療崩壊、二に経済回復が長期にわたって遅れること。このまま医療崩壊を招くと経済の回復は一層遅れる。これを招かないことが大切である。全ての戦いは先手必勝であり、東京、大阪、名古屋の大都市圏の2週間ないし、ひと月の外出禁止令によって封じ込めを図ることが得策である。ぜひとも、東京、大阪、名古屋周辺の知事は強力なリーダーシップを発揮することを切に望んでいる」と指摘し、山中所長も「1日手を打つのが遅れたら、そのことによって何千人何万人という方の命に係わる可能性がある」として緊急事態宣言を一刻も早く発動すべき時であると警鐘を鳴らした。
(国民の意識と医療関係者の意識に乖離)
一方で多くの国民にとって今、病院で起きていることは目に見えないため、依然としてコロナウイルスに対する危機感が薄いように感じられる。医療崩壊に関してはとりあえず早期退院者の受け皿となるような施設がはっきりしてきたこと等から気の緩みも見受けられる。来週頭あたりに2週間前の3連休に感染した患者の数がかなり出てくる可能性があり、医療機関は嵐の前の静けさ状態にいることは確かである。緊急事態宣言発令は秒読み状態である。
(緊急事態宣言発令されたら何がどうなる?)
緊急事態宣言は、国民の生命や健康を保護し、その生活・経済に及ぼす影響を最小にするために、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づいて発令され、具体的な区域を指定し期限を切って出される。これによって自治体は当該住民に対して法的根拠に基づいた様々な措置を行うことが可能となる。緊急事態宣言が出された場合、外出自粛期間は「3週間程度」になるとみられるが、状況に応じて延長される可能性がある。緊急事態宣言発令によって映画館、劇場、野球場、展示場、百貨店、博物館、美術館、図書館、キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールなどに対する使用制限やイベント停止などの要請や指示が可能となる。罰則規定はないがイベントを強行した業者などは名前を公表される可能性もある。小池都知事は交通網、食品流通網維持し、金融機関の業務は継続してもらう方針であるようだが、外出自粛の要請に関しては「新型インフルエンザ等対策特別措置法」条文には「生活の維持に必要な場合を除き」「みだりに」といった前提条件が付けられており、不要不急の外出以外は認めるとしているものの、警官などが巡回し、みだりに出歩きにくい雰囲気が醸成される状況になる可能性はある。なんとか「3週間ぐらいは我慢しようよ」という流れで外出自粛に首都圏は突入する。
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イタリア“危機的な状況は脱した”(4月4日)
イタリア政府は、新型コロナウイルスの感染者が新たに4585人増えて11万9827人となり、死亡した人は1万4681人になったと発表した。
感染者の増加率は5日連続で4%前後となっていて、10%を超えていた2週間ほど前より感染者が増えるスピードは鈍っている。
国立衛生研究所の所長は“危機的な状況は脱した”と述べ、外出制限の効果が出ているとの見方を示した。
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