※2022年6月、更新を終了しています
時流・今後の日中韓の関係(9月3日)
9月3日、この日は中国北京で、中国政府主催の対日戦勝70周年記念軍事パレードが日本時間午前11時より、大々的に行われる。
ロシアのプーチン大統領と韓国の朴大統領も参加する。
しかし、同じ戦勝国の米英仏豪に加え東南アジア、南アジアの主要国の首脳は、このパレードに参加しない。
(中国軍事パレードに関する情報は「
Globali」に掲載されています。)
戦後70年も経った今、なぜ中国はこの時代遅れとも言える大軍事パレードを敢行するのだろうか。
国内的な愛国心の高揚か、締め付けか、少なくても対外的に良いメッセージが送れるとは到底思えない。
習近平主席は、2日に到着した韓国の朴大統領との会見で、「日中韓首脳会議を10月末から11月初め頃行う」ことで一致したようである。
このパレードに、朴大統領が参加する理由として、北朝鮮との関係や中国への貿易依存問題などが指摘されているが、日本との竹島問題や慰安婦問題もこの裏に隠されている重要な問題として考えられる。
日本にとって、今後この中国、韓国という隣国とどう付き合っていけば良いのか、そこに米国の力をどう活用してゆくのか、重要な段階に来ている。
時流・2020年東京オリンピック考(9月2日)
そもそも、つまずきの始めは、開催都市である「猪瀬東京都知事」の辞任だった。
安倍首相は、頑張って「原発の汚染水は完全にコントロールされている」と胸を張り、東京オリンピック招致を成功させた。
その成功に酔いしれた、数ヶ月後に就任後僅か1年足らずで、猪瀬氏は都知事の職を辞することになった。...
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そもそも、つまずきの始めは、開催都市である「猪瀬東京都知事」の辞任だった。
安倍首相は、頑張って「原発の汚染水は完全にコントロールされている」と胸を張り、東京オリンピック招致を成功させた。
その成功に酔いしれた、数ヶ月後に就任後僅か1年足らずで、猪瀬氏は都知事の職を辞することになった。
今年の7月には、「新国立競技場」に費用がかかりすぎると言う事で、この件もあえなく白紙に戻ってしまった。
そして、9月1日に「五輪のエンブレム撤回」発表が、東京五輪の大会組織委員会からあった。
この問題は、発表直後からベルギーの劇場のロゴマークに似ていると指摘されていた。
昨日のテレビ報道の中でも、「最近たるんでいるのではないか」という批判的な声があがった。
東京オリンピックは、2020年で2回目の開催になる。
第一回目のテーマは、「日本の復興を世界に見せる」ことであった。
では、2020年のテーマは何であろうか。
「成熟した日本を見せるのか」「パラリンピックを重視し、バリアーフリーのオリンピックを見せるのか」「お金がかからないオリンピックを開催するのか」そう言ったテーマがはっきりしていない。まさか「おもてなし」がテーマであるはずがない。
目的がはっきりしない、概念がはっきりしない中で、ただお祭りをやれば海外から注目される、経済効果が出る。賑やかな気分になれると言ったことでは、特徴のある「開催式場」や「エンブレム」等を作りようがない。
ここは先ず、原点に戻り2020年の東京オリンピックに対して、世界が新たな「理念」を感じるようなコンセプトを打ち立てるべきではないだろうかと思う。
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時流・日中新幹線争奪戦(9月1日)
今週、東南アジア最大の人口を有するインドネシアの新幹線の発注先が決定するようである。
「日本」と激突する競争相手は、「中国」である。
NHKの報道によれば、日本の提示価格は1千億円も中国より安いようだ。...
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今週、東南アジア最大の人口を有するインドネシアの新幹線の発注先が決定するようである。
「日本」と激突する競争相手は、「中国」である。
NHKの報道によれば、日本の提示価格は1千億円も中国より安いようだ。
しかし、工期は日本は6年、中国は3年で、現政権の任期中に完工する予定という。
その他、中国は財政的な支援も厚く対応している。
日本は、間際になって新たな融資条件を申し出ている。
安全性から見れば、日本が有利だが、タイミングから言えば3年で完工する中国が圧倒的に有利である。
更に、インドネシアは資源輸出国であり、発展する中国に期待するところは大きい。
最近、東南アジアと中国の経済的関係が変わってきている。
かっては中国が、安い賃金と豊富な労働力により世界の工場として活動していたが、最近は東南アジアの中国の下請け化が進んでいるとの情報もある。
中国が、日本、米国を始めとする先進国の下請けをやり、東南アジアが中国の下請けをやるといった3階構造が出来上がっているようだ。
また中国は、東南アジアにも経済支援を活発に行い、領海紛争ではフィリピン、ベトナム等と争ってはいるが、実は経済関係では東南アジアと相当深い関係を構築している。
今回の新幹線受注は、次のシンガポール、マレーシア間の新幹線争奪戦にも影響があるという。
日本が東南アジアに強い影響力を保っていけるのか、ここが一つの試金石になる。
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時流・中国について考えよう(8月31日)
8月17日からの週は、中国発の世界同時株安で世界が震撼した。
その効用として、「中国の今とこれから」を更に考察する機会を得たとも言える。
感じるのは、世界にとっても、日本にとっても「中国の影響力は大きい」ということだった。...
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8月17日からの週は、中国発の世界同時株安で世界が震撼した。
その効用として、「中国の今とこれから」を更に考察する機会を得たとも言える。
感じるのは、世界にとっても、日本にとっても「中国の影響力は大きい」ということだった。
日本にとっては、世界最大の貿易相手国であるということを改めて確認した。
米国にとっても、ドイツ、フランスにとってもその存在は、最早無視できない。
軍事・外交的にも、ロシアと比較すると、その行動と発言は穏便で上手い。
私は、心情的には、中国に対してあまり良い印象を持っていない。
それはなぜなのか、今週行われる「対日戦勝70年記念軍事パレード」等歴史問題について、古傷をいつまでも擦るやり方に、気分を悪くしているのかもしれない。
それとも、最近の中国の急成長に悋気を持っているのかも知れない。
更には、共産党独裁政権や人権意識が薄いところとか、ウイグル、チベットに対する圧政に心のどこかで嫌悪感を持っているのかも知れない。加えて「中国の夢」などという極めて時代遅れの野望にはあきれるばかりである。そんな感情が心の中に渦巻いているからだろう。
しかし、現代で最も大事な「経済」を見ると、中国が困ることは、日本も困ることになるような気がする。
ここは冷静になり、中国の今後がどのような形になるのかしっかり分析しなければならないと改めて感じた。
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時流・世界を悩ませる難民問題(8月28日)
今、ギリシャにもう一つの危機が迫っている。
「難民問題」である。
シリアを始めとした中東、北アフリカの難民がギリシャやイタリアに大挙して押し寄せている。
それほど大きくないゴムボートに、あふれるばかりの難民を乗せて、命がけでやってくる。
翻って、日本を見ればその点では平和そのものである。...
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今、ギリシャにもう一つの危機が迫っている。
「難民問題」である。
シリアを始めとした中東、北アフリカの難民がギリシャやイタリアに大挙して押し寄せている。
それほど大きくないゴムボートに、あふれるばかりの難民を乗せて、命がけでやってくる。
翻って、日本を見ればその点では平和そのものである。
難民の認定を巡って、その基準や規模について対応が遅れているとの多くの指摘がある。
欧州の状態を見れば、一度難民問題が起これば社会問題にも直結してくることが分かる。
日本は、地政学的に海に囲まれ、この地域での難民問題は少ないが、ひとたび大陸で大きな変動が起きれば、その平静は、たやすく破られる。
朝鮮半島や中国で、政治経済が安定を失えば、日本もこの問題に巻き込まれる。
日本が他国から攻撃されるリスクもあるが、イタリアやギリシャのように難民が押し寄せてくるリスクも考えておく必要がある。
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