新型コロナウイルスの蔓延で国内経済が急激に悪化した中国。景気回復も弱く、先行きが不透明なため、22日に開幕した全国人民代表大会(全人代)では経済成長率目標の公表が見送られた。こうした中、中国経済のバロメーターの一つともいえる繊維業界では、多くの人が失業し路頭に迷っている。
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『フランスアンフォ』によると、広東省(中国)では、新型コロナウイルスが蔓延し経済活動がストップした3ヵ月前から、街は仕事を探している失業者で溢れ、日雇い労働の仕事さえ見つからない状態という。ある失業者は「何もすることがない。どうやって生計を立てればよいのかわからない」と心配を吐露し、別の失業者は「2ヵ月間の都市封鎖の後に、こういう状況では、私の心は壊れそうだ」と嘆いている様子が報じられた。
通常はにぎやかな繊維問屋街では、ほぼ全ての布地販売店が閉鎖されているという。...
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『フランスアンフォ』によると、広東省(中国)では、新型コロナウイルスが蔓延し経済活動がストップした3ヵ月前から、街は仕事を探している失業者で溢れ、日雇い労働の仕事さえ見つからない状態という。ある失業者は「何もすることがない。どうやって生計を立てればよいのかわからない」と心配を吐露し、別の失業者は「2ヵ月間の都市封鎖の後に、こういう状況では、私の心は壊れそうだ」と嘆いている様子が報じられた。
通常はにぎやかな繊維問屋街では、ほぼ全ての布地販売店が閉鎖されているという。新型コロナウイルスが世界中で蔓延したため、布地の需要が世界的に急落したためだ。繊維街にあるお店のオーナーは、『フランス アンフォ』に対し「コロナ危機の前から、すでに景気が良くなかったが、今はさらにひどくなっている」と話している。
中国では失業手当など、国からの援助はないため、働かない限り生きていくことが難しい。 多くの失業者は仕事が見つからず、全てを置いて故郷に戻っているという。公式発表では、1月から3月の間に、約600万人が失業したという数字が出されているが、多くの経済学者は、失業者は8000万人もしくは、1億2000万人ほどにのぼると推測している。
米『cnbc』によると、中国の繊維およびアパレルメーカーは、もともと苦痛の伴う産業再編が行われていたという。中国は依然として世界最大の衣料品輸出国だが、国内での供給過剰、人件費の上昇と世界的な保護主義の高まりのために、競争力が落ちているためだ。
世界貿易機関(WTO)によると、2014年以降、中国の繊維および衣料品の輸出は、2014年の約2,360億米ドルから2016年には2,060億米ドルに激減したという。また人件費は、今では一部の東南アジア諸国の2倍以上にまで上昇している。
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