追加関税賦課合戦が続いていた米中貿易紛争において、“第一段階”ながら、この程ようやく通商協議合意の見通しが出てきた。しかし、米中両国間の軋んだ関係は容易に改善される状況にはなく、またしても中国国内で2人の米国人が拘束されてしまった。
10月17日付
『AP通信』:「中国当局が英語教師派遣プログラム運営の2人の米国人を拘束」
中国外交部(省に相当)の耿爽(クワン・シュアン)報道官は10月17日、中国東部の江蘇省(チアンスー)公安が2人の米国人を拘束したと表明した。
同報道官によると、拘束されたのはアリッサ・ピーターセンとジェイコブ・ハーランの2名で、それぞれ9月27日と9月28日に同省南部の鎮江市(チェンチアン)公安が、違法に無許可で越境する手引きをしていた容疑で逮捕したという。...
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10月17日付
『AP通信』:「中国当局が英語教師派遣プログラム運営の2人の米国人を拘束」
中国外交部(省に相当)の耿爽(クワン・シュアン)報道官は10月17日、中国東部の江蘇省(チアンスー)公安が2人の米国人を拘束したと表明した。
同報道官によると、拘束されたのはアリッサ・ピーターセンとジェイコブ・ハーランの2名で、それぞれ9月27日と9月28日に同省南部の鎮江市(チェンチアン)公安が、違法に無許可で越境する手引きをしていた容疑で逮捕したという。
更に、同報道官は、上海在の米国総領事館には事態を伝え、両名の人権を擁護する一環で、米国外交官の接見等も認める手続き済みであると付言した。
両名は、米西部のアイダホ州レックスバーグで“チャイナ・ホライゾンズ(CH)”という、“中国国内の学校において心おきなく”英語教育を施す教師を派遣するプログラムを運営していた。
CHのウェブサイトでは、米中両国間の政治的・経済的対立が激化してきたことから、同社として英語教師派遣の話を安全に進められなくなっていると伝えている。
更に、ピーターセン、ハーランの両運営責任者は、“今後数ヵ月、もしくは数年”中国国内で拘束される恐れがある、とも言及している。
中国の国内法によると、違法な無許可越境の罪は、最低でも2年、悪質性が高い等特殊な場合は終身刑が科せられる。
これは、無許可越境がしばしば人身売買犯によって手引されることが多く、更に、中国で厳しく制限されている布教活動のために行われるケースがあることから、当局の取り締まりが厳しくなっているという。
実際問題、米国人のジョン・サンチャン・ツァオ牧師は昨年、今回と同じ罪状で懲役7年の禁固刑に処されている。
なお、ピーターセン、ハーラン両氏の弁護費用等を賄うため、GoFundMe(注後記)の寄付サイトが立ち上げられ、既に4万ドル(約430万円)が集まっている。
(注)GoFundMe:米国のクラウドファンディング・プラットフォーム。特定のライフイベントに対する祝賀や、事故や病気などの困難な状況に対する支援などのために、資金を集めることができる。
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