タイ政府はカフェを対象に、客のWIFI利用履歴の追跡を要請する規制を発表した。王室や体制批判の取締り目的とも見られ、プライバシーや言論の自由に関わるとの批判が起きている。
10月10日付英国
『Gardian』は「タイのカフェで客の閲覧履歴監視、言論の自由に懸念も」との見出しで以下のように報道している。
タイ政府はカフェのオーナーを対象に、客のWIFI利用履歴を追跡を要請する新たな規制を発表した。政治反対分子の取締りや、言論の自由に繋がると批判が起きている。デジタル経済社会省は、コンピュータ犯罪法26条に従い、飲食店に客の閲覧データログファイルを90日間保管するよう求めたもの。...
全部読む
10月10日付英国
『Gardian』は「タイのカフェで客の閲覧履歴監視、言論の自由に懸念も」との見出しで以下のように報道している。
タイ政府はカフェのオーナーを対象に、客のWIFI利用履歴を追跡を要請する新たな規制を発表した。政治反対分子の取締りや、言論の自由に繋がると批判が起きている。デジタル経済社会省は、コンピュータ犯罪法26条に従い、飲食店に客の閲覧データログファイルを90日間保管するよう求めたもの。この規制により、当局は容易に法律違反をしているネットユーザーを洗い出す事が出来るようになる。同省のプナカンタ長官は、データはフェイクで不適切な情報を監視し追跡するため8月に新設された “フェイクニュースセンター”で利用されると説明。
しかし、データ保存のためのサーバーを購入する必要がある小規模店は、このために追加費用が掛かることに不満を掲げる。客にとってもWIFIにログインするために、個人情報を提供する負担が生じる。同省は、コーヒーショップやインターネットカフェに対し、データ保存のコストを減らすために紙の記録も認めるとする。
民主活動家がネットで王室批判により逮捕されたのと同じ週にこの新法が発表された。データ規制により、政治反対者や言論の自由が抑制されるとの懸念がある。」
10月9日付シンガポール『The Strait Times』は「タイ政府が喫茶店全店にWIFI利用客のデータ保管要請で懸念が広がる」との見出しで以下のように報道している。
政府は利用客のデータ保管規制は、犯罪抑止と容疑者追跡に必要だとしているが、プライバシーやデータの悪用を懸念する客離れが進むのではとの懸念も起きているという。デジタル経済社会省長官は「WIFIを使い客が良からぬことをするのを見ぬきやすくなる為、当局と経営者双方に利益となる。協力を求めているだけで、強制ではない。」と説明。
しかし、不備が見つかれば最高で50万バーツ(2万2750円)の罰金が科せられる。どのような犯罪追跡を対象としているか明言していない。同省はここ数カ月で、フェイクニュースや政府、王室批判の謙虚に力を入れており、11月には同省では、タイで初めてとなるアンチフェイクニュースセンターが始動する予定である。
2007年制定のコンピュータ法では、ネットプロバイダーに最低でも90日分のログファイルデータを保存するよう定めているが、実際には、大規模プロバイダーや外資系コーヒーチェーンを対象とし、中小のショップや店は対象外とされてきた。ここにきて急に政府は十分な教育なしに規制に乗り出した。そのため現場では混乱が起きているという。多くの経営者は法規や政府の強制計画についてよく知らない。
また、この政策がプライバシーやデータの誤用を心配から客離れを起こすのではないかと懸念する声もある。
閉じる